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🔴【第1話から読む】「ウチは結納金払わない」義父VS実母、波乱の予感…両家顔合わせ|実母と義父のバトルに巻き込まれた話
婚約を経て迎えた両家の顔合わせ。緊張感漂う中、義父の無礼な態度や発言が次々と場を凍りつかせ、彩花の家族の不信感は募っていく。結婚生活への不安が色濃く刻まれる一日となった。
晴れの日の控え室にて
波乱の両家顔合わせから数ヶ月後、私たちは結婚式を挙げました。一生に一度の結婚式、私は彼と相談を重ね、こだわり尽くして式のプランを立てました。
「彩花、とっても綺麗よ……」
式開始前の控え室、ドレスを着た私の姿を見て、母は涙ぐみながら言葉をかけてくれました。少し後ろの父も感慨深そうな表情で、控える式本番のためか、必死に涙を堪えるような表情をしていました。そんな両親の姿に、何よりも私が一番感極まっていました。そんな時、控え室もドアをノックする音が聞こえてきました。
「彩花、入ってもいい?」
彼の声でした。みんなして涙を引っ込めつつ、「良いよ!」と答えると彼と彼の両親が入室してきました。
「ドレス、すごく似合ってる。綺麗だ」
「彩花ちゃん、とっても綺麗よ〜。ほら並んで、写真撮らせて」
彼と義母は私のドレス姿を見るや否や、目を輝かせて黄色い声をあげて喜んでくれました。ただ他方で義父はと言うと、関心なさげで控え室の内装や窓の外の景色を見るばかりでした。祝福の一言もない義父の態度に納得いかないのか、母は不服そうな表情を覗かせていたものの、義母が想像以上に私たち夫婦の晴れ着姿に興奮気味で、その様子を見て気を持ち直していました。
そして式本番。挙式では涙を浮かべた優しい目の父とヴァージンロードを噛み締めるように歩き、彼と誓いを立てました。寂しさとこれからの期待に満たされた、不思議な感覚を覚えて終えた挙式でしたが、退場時に目に入った義父の姿、眠たそうでやっつけの拍手がどうにも私の心をモヤつかせました。
披露宴に響く怒号
続く披露宴では豪華なつまみつつ、仲の良い知り合いや馴染みの友人、親戚など、歓迎しに来てくれたゲストとの歓談で盛り上がっていました。彼の友人や仕事関係の方たちとも知り合えたり逆に紹介できたりと、とても盛り上がっていました。そんな時、聞き覚えのあるしゃがれ声の怒号が聞こえてきました。
「酒はまだなのか!早く持ってこい!」
歓談で盛り上がっていた空気は一転、興醒めして怒号の方へ視線は向けられることに。そこには顔を真っ赤にして、険しい表情で貧乏ゆすりする義父の姿が。彼は恥と呆れが混じったような複雑な表情を見せつつ、なんとか場を持ち直そうと明るく振る舞い、私も場を盛り上げようと話を広げました。
しかし、視界の端に見える母の義父に向ける視線は、明らかに怒りを帯びていて「この披露宴どうなっちゃうんだろ……」と不安が募っていきました。
謝辞をかき消す一言
その後も披露宴は進行。私はお色直しのドレスや余興を楽しみつつ、それ以上に母と義父の機嫌が気になって正直それどころではなくなっていました。
披露宴も佳境に入り、花嫁の手紙を読むことに。両親への感謝や義両親への挨拶を、涙を流しつつていねいに読み上げました。両親は涙ながらに受け止めてくれて、義母も温かい目で聞き入ってくれていましたが、お酒で酔い切った義父は気怠げな様子でした。
続く新郎からの謝辞。彼が結婚式のキャスト陣やゲスト、そして両家への感謝を丁寧かつ堂々と読み上げていきました。その頼もしい姿を横で見て感心していた矢先でした。
「バカヤロー!俺が稼いできたから立派に育ったんだろーが!ホントに感謝してんのか!?」
悪酔いのせいか、本性か――。義父は新郎のスピーチを聞き入る大衆の静寂を切り裂くように、しゃがれ声の効いた怒声をあげました。会場は温かい静寂から一転、冷たく張り詰めた空気が広がりました。
「も……もちろん、お父さんが必死に働いて稼いできてくれたお陰で、色々な経験ができました…」
「そうだろ?お前たちのために必死になって働いたんだ!お前もそうなるんだぞ!」
彼がアドリブを入れつつ、義母が義父を宥めたことでなんとか新郎の謝辞を読み終えることができました。義父は満足げでしたが、ゲストの表情は引き攣り、私たち夫婦や私の両親は恥ずかしくて仕方ありませんでした。母の表情は両家顔合わせの帰り道の時のように怒りが滲んでいて、私も「こんなはずじゃなかったのに……」と内心落ち込んでいました。
披露宴が終了し、新郎新婦の退場。将来への期待とみんなからの祝福で退場するイメージだったのに、これからの不安とゲストたちの哀れみを感じる、そんな退場となってしまいました。
🔴【続きを読む】半同居生活の始まりと、義父のお祝い拒否|実母と義父のバトルに巻き込まれた話
あとがき:実母と義父、深まる対立の予感
一生に一度の晴れ舞台、結婚式。母は涙し、父は感慨に浸り、義母も温かく見守ってくれました。しかし義父の言動は、それらの感動を容易く掻き消すものでした。怒号と暴言が交錯する披露宴に、彩花たち夫婦は顔から火が出る思いをし、母と義父の対立はさらに深まりました。幸せの象徴であるはずの式が、不安の種を抱える場となってしまったのです。これからの生活に影を落とす予感は、確実に彩花の心を締めつけていました。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










