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「年収聞いたらびっくりするよ」医者の夫自慢ばかりの友人にうんざり|粘着マウント女友達から解放された話

都会で働くひなこには、かつて暮らしていた田舎にアケミという友人がいました。しかしアケミには困ったことに、周囲の人間に夫の年収をはじめマウントを取る癖があり…。今回の帰郷でも、どうやらアケミのマウントに巻き込まれそうです。『粘着&マウント女友達から解放された話』第1話をごらんください。

🔴【全話読む】粘着&マウント女友達から解放された話

久々にかつて暮らしていた田舎に戻った都会の社会人・ひなこ。お医者さんと結婚し専業主婦となったアケミと再会しますが、相変わらずのマウントに巻き込まれてしまい…。

アケミとの思い出

田舎 駅 PIXTA

故郷の駅に降り立った瞬間、懐かしさと、そしてほんの少しの憂鬱が胸をよぎりました。

都会の喧騒とはかけ離れた、のんびりとした空気。時間がゆっくりと流れているような感覚に、体中がゆるむのを感じます。しかし、その安堵感と同時に、ある人物の顔が脳裏に浮かび、私の心は少しばかり重くなりました。

その人物とは、学生時代からの友人・アケミのこと。アケミとは、小学校からの同級生です。彼女は昔から少しばかり見栄っ張りなところがありました。クラスで流行しているキャラクターグッズ、親に買ってもらったばかりのブランド物の洋服、週末に家族で行った有名テーマパークの話。彼女の話のほとんどは、いかに自分が恵まれているかをさりげなく、あるいは露骨に自慢する内容でした。

「ねぇ、ひなこ。見て見て、この新しいカバン。お父さんが誕生日に買ってくれたんだ。すっごく高かったらしいよ。クラスの誰も持っていないんだから、特別なんだって」

そう言って自慢げにカバンを私に見せてくるアケミに、私はただ「へー、すごいね」と相槌を打つことしかできませんでした。当時は、特に気にも留めていませんでした。世の中には色々な人がいて、それぞれに異なる価値観がある。彼女の行動は、ただそういう個性の一つなのだと、軽く受け流すことができていたのです。

しかし今思えば、それは彼女の承認欲求の表れだったのかもしれません。幼い頃から、彼女は常に誰かと比較し、自分が優位に立っていることを確認しなければ、安心できない子だったのだと思います。

マウント気質が変わらない友人

女性 後ろ姿 ワンピース PIXTA

私が大学進学を機に上京し、都心の暮らしに慣れていっても、アケミとの連絡が途絶えることはありませんでした。SNSで近況を報告し合い、お盆や年末年始に帰省するたびに、彼女は決まって食事に誘ってくれました。

そして、再会を喜び合うのも束の間、彼女の「自慢」は再び始まりました。学生時代とは違い、その内容はより具体的で、現実的なものになっていました。

「うちの旦那ね、大学病院に勤めてるの。お医者さんなのよ。もう、毎日が忙しいみたいだけど、私はそんな旦那さんを支えてあげるのが幸せなの」

その言葉を聞くたびに、私の心に小さなため息が生まれます。もう何度聞かされたかわからない話です。アケミの夫が大学病院の勤務医であること、そしてそれが彼女にとっての最大の誇りであることは、彼女が会うたびに熱心に語ることでした。

「だからさ、旦那の年収がすごいことになってるの。年収、聞く?聞いたらびっくりするよ?」

私は黙って頷きました。もう聞き飽きた話です。彼女の目の奥には、私の反応を伺うような、少しばかり探るような光が宿っていました。それは、彼女の自慢が、私という聴衆がいなければ成り立たない、もろいものであることを物語っているようでした。

「聞いてよ、800万だよ、年収。すごくない?私、この話をするたびに、自分の見る目の良さに感心しちゃう。ひなこの旦那さんは会社員だっけ?大変でしょ、生活」

そう言って得意げに笑うアケミに、私は心の中で「はいはい」とつぶやきました。もちろん、すごい金額だと思います。しかし、それを何回も聞かされるうちに、最初の驚きはとうに消え失せていました。

冷めた私の反応

暗い PIXTA

「だからね、私、もう働く必要ないんだ。看護師は辞めたの。今は専業主婦なのよ。旦那さんの稼ぎだけで十分生活できるからさ。午前中はヨガに行って、午後は友達とカフェでお茶して、夜は料理を作って彼を待つの。毎日が日曜日みたい。

会社員の妻の生活って大変なんでしょ?だって、たまにしか地元に帰ってこれないくらい頑張ってるんだもんね」

そう話すアケミの顔は、満ち足りた幸福感に満ちていました。その表情を見ていると、私は複雑な気持ちになります。幸せなのは結構なことですが、それを私に何度も聞かせることに、一体何の意味があるのだろうか。私は、アケミが心から幸せを感じているのなら、それでいいのではないか、そう思うように努めていました。

しかし、彼女の言葉の端々には、どうしても私を劣っていると見下すような響きが隠れており、それが私の心を少しずつ削り取っていくのです。

「…幸せそうで、よかったね」

私はそう言って、できるだけ平坦な声色で相槌を打ちました。もうこの話は聞き飽きています。そろそろ話題を変えたくて、私は仕方なく別の話を振るのでした―――。

🔴【続きを読む】金持ち自慢するマウント女が知らない、聞き役友人の“秘密”|粘着マウント女友達から解放された話

あとがき:マウント女、現る

あからさまなマウントを取る友人に、うんざりしているアケミ。大人になるうちに生活ぶりに違いが出てくることはありますが、相手を貶めるような言い方はよくないですよね。あなたならこんな友人の発言にどう対応しますか?

※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています

🔴【全話読む】粘着&マウント女友達から解放された話

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