🔴【第1話から読む】「年収聞いたらびっくりするよ」医者の夫自慢ばかりの友人にうんざり|粘着マウント女友達から解放された話
久しぶりの帰省で会った地元の友人・アケミにマウントを取られ、うんざりしているひなこ。そんな彼女は、アケミのマウントをやめさせようと話を逸らす作戦に出ますが…。
私の話は聞かないの?
「私は相変わらず会社員なんだけど、最近は資格の勉強で忙しくてさ。なかなか自分の時間が取れないんだよね」
これは、アケミの自慢からうまく逃れるための、小さな逃避行動でした。少しでも自分の話に耳を傾けてもらえれば、彼女の自慢話も途切れるだろう、そう思っていました。しかし、私の期待はあっさりと裏切られました。アケミは私の言葉を遮り、冷たい目で私を見つめました。
「資格の勉強?それって医療の資格みたいに年収につながる?資格なんて取ったところで、旦那さんの稼ぎには敵わないんじゃないの?」
彼女のその言葉は、私の心を深く刺しました。自分の努力を、まるで無価値なものだと切り捨てるような、その冷たい声。私は、怒りを通り越して呆れてしまいました。アケミにとって、自分の話以外はすべて「不幸自慢」に聞こえるようです。
「なんなの?その不幸自慢。せっかくの食事なんだから、もっと楽しい話しようよ~。
ねえ、次はお金持ちの奥様たちが集まるランチ会に一緒に行かない?もちろん、参加費はちょっと高めだけど、旦那さんにおねだりすればなんとかなるんじゃない?ひなこも参加したら世界が広がるよ。ちょっと周りの会話のレベルが高すぎるかもしれないけどさ」
アケミの知らない私
彼女の言葉の端々には「私(ひなこ)が経済的に困窮している」という勝手な思い込みが透けて見えました。
私は思わず、テーブルの下で握り拳を作りました。アケミは常に自分の話ばかりで、私が何かを話そうとしても、その言葉は彼女の耳を素通りしていく。ないがしろにされていることに怒りがこみ上げます。
でも、アケミには勘違いしていることがありました。
実は、私は都会で誰もが知る大企業勤務。その年収はアケミの夫と同じ、いや、少し上回るくらいはあると思います。私が職場恋愛の末に結婚した夫の和也は、同じ会社の役員。当然、その年収は私より遥かに高いんです。
アケミは、私が結婚したことしか知りませんし、私や夫の年収も知りません。自分の話ばかりするから、聞く機会がないだけなのですが。
「ひなこさ、相変わらず働きっぱなしなんだ。可哀想に。夫の稼ぎだけじゃ生活できないと、働くしかないもんね」
アケミは、なぜかそう思い込んでいるようでした。そして、その勘違いを基に、私を哀れんでいたのです。彼女のその言葉を聞いて、私はもう何も言わないことに決めました。
今更、本当のことを話しても、面倒なことになるだけ。彼女の顔が、驚きから嫉妬へと変わっていく様を想像すると、疲れてしまいました。
もう、このまま黙っておこうと、私はひそかに決意していました―――。
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あとがき:マウントの次は決めつけ?
マウントを取り続けるアケミには、決めつけ癖があるようです。そもそもマウントを取るために、相手の話をあまり聞かないのかもしれません。
相手の状況も知ろうとせずに自分の良い面ばかり話しているアケミは、実は自分に自信がないのかもしれませんね。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










