Ⓒママリ
🔴【第1話から読む】「休むやつはレギュラーにしない」他にも…息子が直面した強豪チームの驚愕ルール|独裁監督がいるスポ少
チームを辞めるべきか悩む主人公は、他のサッカークラブに入った子の親と話す機会を得ます。そのチームのルールは緩く、子どもたちがのびのびと楽しんでいる一方で、試合には勝てないという現実。「勝ちたいと思う子には物足りない」という言葉は、ハルのサッカーへの情熱を改めて思い出させ、主人公は再び決断を迫られます。
他チームのママが語る「真逆のクラブ」
私は、このままハルをこのチームに置いておいていいのだろうか、と悩んでいました。そんなある日、幼稚園が一緒で、他のサッカークラブに入った子の親と話す機会がありました。
「久しぶり!ケイトくんのママ!」
ケイトくんのママは、私と同じようにフルタイムで働く母親です。私は、彼女に、最近のチームでの出来事を全て話しました。監督の厳しいルール、体調管理のこと、そして監督自身が休んだこと。
ケイトくんのママは、私の話を聞いて、驚きを隠せない様子でした。
「え、そんなに厳しいんだ!うちのチームは、そんなことないよ」
聞けば、ケイトくんの入ったチームは、ルールがゆるくて、親も気長に見守るクラブだというのです。
「練習も週1~2回だし、親もベンチで座って見てるだけ。子どもたちも、のびのびとサッカーを楽しんでるよ」
私は、その話を聞いて、少しだけ羨ましくなりました。ハルも、そんな環境でサッカーができたら、もっと楽しかっただろうか。しかし、ケイトくんのママは、少し寂しそうにこう言いました。
「でもね、試合には全然勝てないんだ。この間もハルくんのチームに負けたでしょ?」
強豪の厳しさか、弱小の楽しさか
その言葉に、私はハッとしました。
「もっと頑張りたい、勝ちたいと思う子には、物足りないかもしれないね」
ケイトくんのママの言葉は、私の心をチクリと刺しました。そうだ。ハルは、サッカーが大好きで、勝ちたいという気持ちも強かった。だから、強豪チームに入ったんだ。
「結局ね、ゆるいチームはゆるいチームで、監督への批判はあるんだよ。『なんでもっと勝たせる指導をしないんだ』って、監督に詰め寄ったパパもいたし」
なるほど。指導に納得がいかない親がいるというのは、どこのクラブでもそうなのかもしれない。これまで、自分だけが不満を抱えているのかもと思っていたけれど、どこのチームでも一長一短ということなのだろうか。
私は、ハルにとって、本当に必要なのは、厳しさの中にある成長なのか、それとも、ゆるい環境の中にある楽しさなのか、分からなくなってきました。同時に、この問題は親だけで考えるのではなく、当事者のハルの考えを聞くことが大事だと思ったのです。
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親だけで悩むのはやめよう
この話では、別のクラブチームの親との対話を通じて、主人公は改めて「子どもの気持ち」という原点に立ち返ります。緩やかな環境と、厳しさの中で成長する環境。どちらがハルにとっての幸せなのか、親としての葛藤が深まります。しかし、この対話は、最終的にハル自身の言葉を信じる、という決断へと繋がる重要なステップでした。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
イラスト:きさらぎ










