🔴【第1話から読む】子ども優先すると不機嫌に…シングルマザーが抱く、彼氏への違和感|シンママの彼はモラ夫予備軍
隆司はタツキにも優しく、理想の家族像を築ける相手だと信じたえりか。しかし、付き合って4か月、彼の愛情は徐々に彼女の行動を縛るものに変わり、過去の夫を彷彿とさせる言葉に、彼女は息苦しさを感じていた。
彼との出会い
隆司との出会いは、今からちょうど1年前の春。うちの部署に配属された隆司が、私の机に飾ってあるタツキとの写真を見て、「かわいいですね」と声をかけてくれたのがきっかけだった。子どものこととなると、つい私もあれこれ話してしまうが、隆司はどんな話もにこにこしながら聞いてくれた。
子どもが好きだと話していた隆司は
「今度の休日、タツキくんの遊び相手になってもいいですか?」
と名乗り出た。元気いっぱいのタツキの相手はとても大変だったので、ありがたくお願いをしたところ、サッカーをしてくれたり、砂場でトンネルを掘ってくれたり…。
タツキと楽しそうにしている姿を見て、私の心は温かい光に包まれた。かつて、育児は何もしなかった元夫と比べて、隆司は本当にすてきな男性だと思ったのだ。
彼氏の束縛を感じるようになる
隆司は本当に子ども好きなようで、タツキはすぐに彼に懐いた。「たかしくん、たかしくん」と、毎日彼の名前を呼ぶようになった。毎週のように、公園で、水族館で、遊園地で、私たち3人で過ごす時間が増えていった。それはまるで、長年探し求めていた家族の姿そのものだった。
「タツキくんも俺に懐いてくれて。本当にうれしいよ」
隆司はそう言って、私を抱きしめた。私は、彼がタツキを心から大切に思ってくれていることに、何よりも幸せを感じた。この人とだったら、今度こそ幸せな家庭を築けるかもしれない。そう信じて、私たちは付き合うことになった。
しかし、付き合ってから4か月が経ち、彼の愛情が少しずつ、私を締め付けるように感じるようになった。
「えりかさん、今日はもう帰らないでよ。タツキくんもご実家で楽しく過ごしてるんでしょ?」
彼の言葉は、最初は愛情表現だと受け止めていた。でも、私の体調が悪い時や、翌日にタツキの幼稚園の行事がある時でも、彼は執拗に「お願い」と言ってきた。断ると、拗ねたような態度を取る。
「じゃあ、せめて電話してよ。気分だけでも一緒にいたいから」
彼の提案に、私は断る理由を見つけられなかった。結局、私たちは毎日電話している。育児の忙しい時間に着信音が鳴ると、正直面倒だと思うこともあった。
彼なりの愛情だと信じたいけど…
ある日、会社の飲み会で、私が少し酔って楽しそうにしていると、彼は店の隅で一人、スマホをいじっていた。後でメッセージを見ると、そこには「ねえ、この飲み会そんなに楽しい?」と、拗ねたメッセージが入っていた。
そして、帰りの道中、私は彼に怒られた。
「えりかさんが他の男と話してるところ見るの、嫌だな。なんであんなに楽しそうにしてるんだよ」
私は、彼の言葉にどう反応していいか分からず、ただ黙ってうつむいた。それは、元夫からの「お前は男に媚びを売るのが得意だな」という言葉を思い出させるような、そんな感覚だった。彼の束縛は、愛情なのか、それとも…。
私は、彼の瞳に映る自分を見つめ、答えを探そうとしていた―――。
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あとがき:優しい世界
隆司の言動は一見すると愛情深く見えますが、その裏にはえりかをコントロールしたいという願望が隠されています。無意識のうちに彼に主導権を握られていくえりかの姿…。まさにモラハラが少しずつ進行しているのが感じ取れます。えりかは気が付くことができるのでしょうか。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










