🔴【第1話から読む】母が亡くなり、実家に残されたのは“父と無職の妹だけ”|母親の保険金を持ち逃げした妹
母の死から1か月半後、父から「まなが行方不明で、死亡保険金100万円が消えている」と連絡が入ります。調べてみると、まなの200万円もの借金と彼氏の元へ転がり込んだ事実が判明。ほのかの追及に、まなは逆上して…。
消えたお金と妹
「ほのか、大変だ。まなが、いなくなった」
母が亡くなってから約1か月半。父からの電話は、震える声だった。
「いなくなったって、どこかに遊びに行ったんじゃなくて?」
「いや、2日も連絡なく帰ってこない。それで、嫌な予感がして.通帳をみたら、死亡保険金が消えている」
その言葉を聞いた瞬間、全身の血の気が引いた。通帳は、父が管理が面倒だという理由で、まなに任せていたものだ。よりによって、亡き母の保険金、100万円。
「どうして、通帳までまなに預けていたの…。」
父は酷く落ち込んでいたが、私は頭を冷やさなければならなかった。まず、まながどこへ行ったのか。そして、なぜお金が必要だったのか。すぐに私は実家へ向かった。父とまなの部屋を調べて、その結果、部屋に隠してあったある郵便郵送物を見つけたことで驚愕の事実が判明した。
妹の借金に驚く
「借金って…え、200万円も……?」
複数の消費者金融からの督促状だった。原因は、たぶんFXだろう。母が亡くなる直前に「FXで生計を立てたい」というような話を聞いたことがあったからだ。
私はまなと共通の知り合いを片っ端からあたった。どうやら、最近オンラインゲームで知り合った男性と付き合いっているという話だった。その彼氏の男子社員寮に転がり込んでいるという噂を突き止めた。幸い、その彼氏の家を知っている知り合いがいて、居場所はわりと簡単に突き止めることができた。私はまず、まなに電話をかけた。
「もしもし、まな。すぐに実家に戻ってきなさい。そして、盗んだお金を返しなさい」
私の言葉に、電話の向こうのまなは謝罪するどころか、怒りをあらわにした。
「うるさいな、電話してこないでよ」
妹の口から出た言葉は、謝罪の欠片もない、自分勝手な主張ばかりだった。
お金を盗むことを正当化する妹
「お父さんの世話を押し付けといて『帰ってこい』だなんて、お姉ちゃん都合よすぎない?私はお金を盗んだんじゃない。当然の対価を受け取っただけ。私を犯罪者みたいに言わないでよ」
私の頭は沸騰寸前だった。「対価を受け取る」ために「他人の金」を「盗む」という理屈が、まるで理解できない。しかも、そのお金は母が私たち家族に残してくれた大切な保険金だ。私は深呼吸をして、冷静を装って伝えた。
「警察沙汰にはしたくないなら今すぐお金は返しな。あなた借金もあるでしょ?冷静になってまずは働きな。お父さんも一緒に話そうよ」
「イヤ。もうあの家には戻らない。100万はまだ手元にあるから振り込むから。もう追求しないで」
結果的に、まなは警察を恐れてか、盗んだ100万円は返してきた。しかし、借金の残額200万円については一切触れず、謝罪もなく、そのまま家に帰ってはこなかった。
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あとがき:保険金の消失と借金
父が管理を任せていたとはいえ、亡き母の保険金を盗むという行為は、ほのかにとって大きな衝撃でした。まなの逆上した「私はお金を盗んだんじゃない。当然の対価を受け取っただけ!」という主張は、家族間の愛情や信頼といったものが、まなの中で完全に欠落していることを示しています。彼女の歪んだ金銭感覚や価値観は、父の厳しい育て方や、ニート生活で培われた「謝ったら負け」という思い込みが根底にあるのかもしれません。一時的にお金は戻ったものの、この事件は家族の間に決定的な「裏切り」の烙印を押すことになります。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










