🔴【第1話から読む】娘のダンス教室で鳴り響く“闘いのゴング”→ママ同士の干渉が怖すぎる|ダンススクールのママ友が怖い
イベントが近づくにつれ、沙織さんからの嫌がらせはさらに陰湿になり、由香里の精神は完全に疲弊していました。他の曜日にクラスを変更するという逃げ道もなく、由香里はついに「もう辞める」と心の中で決意しますが…。
孤独の終わりに届いた、唯一の「正しい」言葉
イベント出演に向けた最終調整の時期に入ると、沙織さんの攻撃は陰湿を極めました。レッスン室で私だけを無視したり、私が配ったお菓子を「こんな脂っこいの食べられないわよ~」とつぶやいたり。
「もうやめるしかない」
私は、夫にもこの状況を話し、辞めることを真剣に相談しました。低学年のダンスを習える曜日がその日しかなく、他のクラスに逃げようがないことも、私の苦しみを増幅させていました。
しかし、いよいよ退会についてコーチに相談しようと思ったその日、沙織さんの取り巻きママから帰り際にいきなり呼び止められました。その日は沙織さんが「このあとピアノの振替レッスンで…」と急いで娘さんと帰った日で、このママと2人で話すのは初めてでした。娘さんはうちの子と同級生で、ママは佳恵さんという方です。
子どもたちはレッスン室前のロビーでお絵描きをして遊んでいます。佳恵さんは開口一番、私にこう言いました。
「ねえ、この間のレッスンで沙織さんの子に振りを合わせてって言われたところって、葵ちゃんの動きが正しかったよね?」
私はあの理不尽に気づいていた人がいたことにびっくりするとともに、とてもうれしくなりました。
コーチ室に向かう、二人の母親の決意
「そうですよね?私もよく沙織さんに注意されるので、振りはしっかり娘と確認したつもりで…」
すると佳恵さんは声をひそめて言いました。
「沙織さんね、新入りの子がいるとすぐああやって厳しく出るのよ。うちも、ほかの人もみんなやられてたの。でも、おかしいと思う。正直、沙織さんのとこの娘より、葵ちゃんの方がしっかり踊れているもの。追加講習も出て、すごくうまくなっているし」
聞くと、沙織さんは新しい子が入ってくるとすぐに厳しく当たり、責め立てて辞めさせてしまうこともあるのだそう。佳恵さんはさらに、ここ最近あまりにも露骨にいじめのような行動をする沙織さんに違和感を覚えているといいます。
「あまりにも目に余るから、私、沙織さんのことをコーチに相談することにしたの」
「え?」
「コーチでもない沙織さんが、コーチと違う振りをやらせたり、フォーメーションに意見したりするのはおかしいでしょ?私も、もう言いなりは嫌なのよ」
佳恵さんの言葉に、私も思わず頷きました。そして私たちはその足で、コーチ室に向かうことにしたのです―――。
🔴【次の話を読む】ボスママの王国が崩壊した、ダンススクールの奇跡
私たちが向かう、コーチ室
由香里が精神的な限界を迎えていたところ、思わぬ味方・佳恵が現れました。
これは、由香里がボスママの支配から逃れるため、コーチによる介入という唯一の切り札を切る準備が整ったことを示しています。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










