🔴【第1話から読む】「家に呼んでいい?」小1息子の“お友達”→一目見て抱いた違和感の正体|常識知らずな親子
午後から息子と公園で遊ぶ約束だったのに、時間前に家にやってきたお友達。主人公・ゆかこはやんわりと帰そうとしますが、彼の様子と言葉からあることに気づいてしまったのでした。
お昼ご飯を用意してくれないお家
「あれ?ともやくん。こうたと遊ぶのは、お昼すぎからだよね?」
私は、ともやくんを家に入れる前に、以前のこともあり少し厳しめの口調で尋ねました。
「お家でお昼ご飯を食べてから、またおいで?」
午前中から遊びにきても、こうたはいませんし、家で預かることもできません。するとともやくんは、少し俯き加減で、信じられないようなことを言ったのです。
「僕、家にお昼ご飯なんてないよ」
あまりにもしれっと放たれたその言葉に、私の頭は一瞬にして真っ白になりました。
「え…?」
「おなかもすいてないから、またトランポリンしてたいんだけど…」
彼は、何の悪気もない表情で言いました。しかし私は、彼の言葉に衝撃を受けていました。休日の昼ごはんがないって、どういうことなんだろう?
(これは…もしかして、ネグレクト…?)
私は、一気に不安な気持ちになりました。もしかしてともやくんは、かなり深刻な状態にあるのかもしれない…。まさにその瞬間「ただいまー!」と剣道のお稽古を終えたこうたが、元気な声で帰宅しました。
「ともやくん、来てたんだ!公園行こう!」
剣道の竹刀袋を玄関に置き、急いで靴を履き替えるこうた。私は、ともやくんの言葉の衝撃を引きずりながらも、2人が遊びに行くのを止めることはできませんでした。
夜19時に1人でやってきた友達
子どもたちを遊びに見送ったあと、私はしばらく、キッチンで立ち尽くしてしまいました。
(ネグレクトなのかな…でも、親御さんのことも知らないのにどうすれば?)
「よその家」という境界線と、ともやくんを心配する倫理観の間で、私の心は激しく揺れ動きました。結局、その日は「深入りしない方がいい」という、臆病な考えが優勢となり、私はただ、重い気持ちを抱えたまま週末を過ごしました。
しかし、私の葛藤を嘲笑うかのように、その翌日、つまり日曜日に、とんでもないことが起こりました。私たち家族が、平和に食卓を囲み、夕飯を食べていた、夜7時頃のことです。
「ピンポーン」
家のチャイムが鳴りました。こんな時間に、一体誰だろう?と訝しげに玄関を開けると、そこに立っていたのはともやくんだったのです。
「ともやくん!どうしたの?もう夜だよ?」
私は少し戸惑いながら、声をかけました。すると、ともやくんは、またしても信じられない言葉を口にしたのです。
「ママがね、こうたくんちにお泊りしてきなさいよって。なんか、ママの友達がくるみたいで…」
耳を疑いました。夕食時、日曜日の夜、何の連絡もなく、自分の子どもを「泊めてもらえ」と、よその家に送り出す。そんな常識が、この世にあるのでしょうか。
「え…ちょっと待って、ともやくん。それは困るよ」
私は冷静になろうと努めました。泊めるなんて絶対にできません。親のことも知らないよそのお子さんを預かる責任はとれませんし、何より相手の親の要求が常識外れすぎます。
ありえない母親の言葉に、怒り心頭!
「ねえ、お母さんの携帯電話の番号、知ってる?」
私はとにかく冷静をよそおって、ともやくんから母親の連絡先を聞き出しました。すぐに自分の携帯を取り出し、その番号に電話をかけました。数回のコールの後、電話口から聞こえてきたのは、若い女性の声でした。
ともやの母「もしもーし」
ゆかこ「夜分にすみません。こうたの母です。あの、今、ともやくんがうちに来ていて『泊めてもらいなさい』と言われたというんですけど…」
私が状況を説明すると、ともやくんママは、ぼそっとこう言ったのです。
「あ、やっぱ無理ですよね?すいません~、仲良しって聞いたんで、もし大丈夫ならと思ったんですけど」
あまりにも軽すぎる言い方に、私の頭は大混乱でした。
(この人は、一体何を考えているんだろう…)
怒りを通り越し、私は呆れ果てました。
「今日はお預かりすることはできません。今、ともやくんを帰らせますね」
詳しいことは何も話さず、聞かず、とにかくともやくんを帰すことにしました。
「ともやくん、ごめんね。今日は泊まれないよ。お家に帰ろう」
こうたも心配そうに私を見ていましたが、私はともやくんを連れて家まで付き添うことにして家を出ました―――。
🔴【続きを読む】【不安的中】小1息子の友達の親はネグレクト?→担任教師に相談してわかった“真実”|常識知らずな親子
あとがき:夜間に子どもを1人で外出させる、信じられない親
いくら仲良しのお友達の家とはいえ、アポ無しでお泊まりなんて、とんでもない話ですよね。しかも夜分に小学1年生をたった1人で出歩かせるなんて…。
ゆかこさんがともやくんの心配をする気持ちに深く共感できるエピソードでした。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
イラスト:きさらぎ










