🔴【第1話から読む】「絶対、わざとだ」偶然再会した友人男性→好意を持たれて“地獄の始まり”|最低!既婚ストーカー男
極度のストレスに耐えかねた萌子は、「共通の知り合い」という状況を逆手に取り、武内への制裁を決意。彼の妻・こずえのSNSアカウントを突き止め、彼の悪事を暴露することに―――。
どうしたら…恐怖に耐える日々
恐怖とストレスで食事が喉を通らない日が続いた。圭吾には詳しいことをまだ話せず「仕事が忙しい」と誤魔化すばかり。こんなことで夫に心配をかけたくないと思ってしまっていた。
「このままじゃ、武内くんの監視に耐えられなくなって、おかしくなってしまう」
思い詰めていたある日、ふと、ある考えがひらめいた。共通の知り合いが多いことを、逆手に取ればいいのではないだろうか。
武内くんは、自分の欲望を満たすためだけに、既婚者である私に不適切な接触を繰り返した。彼は、自分の妻がいるという立場を無視した。ならば、その「妻」という最も強力なカードを使えばいい。
思いついた反撃方法
私はすぐに、例の共通の友人・美香に連絡を取った。
「美香ってさ、武内くんの奥さんとも面識ある?」
「1回会っただけだけど、インスタのアカウントなら知ってるよ。アパレルの人で、前に紹介してもらった時にフォローしたの」
武内くんの妻は、こずえさんという人だった。インスタグラムを見てみると、スタイルのいい美人だった。武内くんが「あいつ」などと言っていたのが心底腹立たしい。その日の夜、美香から連絡があった。
「武内くんは昔から女癖が悪くて、奥さんは年上だけど、完全に尻に敷かれてるらしいよ」
いろいろと情報提供をしてくれり美香には、感謝しかない。あとは、決定的な証拠が必要だ。
恐怖心と戦いストーカー男と対決
次の日、私は万全の準備をして出勤した。スマートフォンは、胸ポケットに入れたままずっと録音状態にしておいた。今日は、武内くんが職場近くにいる可能性が高い曜日だ。
昼休みが終わり、午後の仕事に入る直前。ビルのロビーで、案の定、彼が立っていた。
「萌子ちゃん!」
彼は、待ち伏せが成功したとでも言いたげな、ねっとりとした笑顔で近づいてきた。私は目を合わせず、通り過ぎようとした。だが、彼は私の腕を掴んだ。強くはないが、逃がさないという意思を感じる掴み方だった。
「ねえ、急にやめて寂しかったよ、英会話」
「離してください、武内くん」
「ちょっと見ない間にまたかわいくなった?本当に目の毒だよな~」
「……」
「イヤな思いさせたならごめん!夜、メシでもいかない?奥さんには適当に嘘つくからさ」
私は恐怖で身体中が震え、涙が出そうになった。しかし、胸ポケットの中のスマホを意識し、顔は強ばらせながらも、彼の言葉に耐えた。
「ごはんは行きません。もう二度と私に近寄らないでください」
そう言い放ち、力を込めて腕を振りほどき、小走りでビルの中に駆け込んだ。トイレの個室に入り、録音を止めた。武内くんのあの気持ちの悪い声と、私を誘うセリフが、しっかりとデータとして残っていた。恐怖で苦痛だったが、これで決定的な証拠を手に入れた。
私は奥さんのインスタグラムのDMを開き、文章を打ち始めた。
「突然のご連絡失礼します。英会話教室でご主人と再会しました。ご主人とは学生時代の知り合いです。ご主人のことで、どうしても奥様にお伝えしたいことがあります。証拠の音声もあります」
私は、この方法が法的に最も適切な「制裁」であり、そして私をこの状況から解放する唯一の道だと信じていた―――。
あとがき:「被害者」から「戦略家」への転換
萌子が「誰にも頼らず、自分で解決する」という決意を固めた、ターニングポイントとなる回です。彼が最も恐れるのは、自分の欲望が社会的な制裁を受けることです。
そして、既婚男性にとって最大の制裁を下せるのは「妻」という存在です。萌子は、恐怖に震えながらも、冷静に証拠(音声)を確保し、彼の最も弱い部分を突く「戦略」に出ます。この録音は、単なる証拠ではなく、萌子が「被害者」の立場から脱却し、「自ら状況をコントロールする」決意の形となりました。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










