🔴【第1話から読む】「私はモラ夫の所有物じゃない」妻が逃げる決意をした日|夫の出張中にモラ逃げしました
直哉からの脅迫が続く中、楓は自分だけでなく沙織にまで危険が及ぶことを恐れる。しかし沙織は、自分が証人になると断言し、楓を力強く支える。沙織の提案で法テラスを訪れた楓は、弁護士から直哉の行為が離婚原因として有力であること、そして離婚調停で勝つための「証拠集め」の重要性を教わる。
幼馴染の存在が有難いが、不安も感じる
警察に相談した後も、直哉からのLINEは止まりませんでした。内容こそ、脅迫的なものから「すぐに帰ってこい」「お前が非を認めるなら俺も会話する用意がある」など情緒的なものに変わりましたが、その支配欲と高圧的な態度は変わりません。
私は、沙織がいてくれて本当に良かったと、心から感謝しました。でも、同時に不安が私の心を支配して、私は沙織にメッセージを送りました。
「沙織もうちのベビーカメラに映っちゃってたんだよね…沙織に直哉が何かしたらどうしようって不安で…」
直哉のターゲットが、私だけではなく沙織にも向くのではないかという恐怖でした。
幼馴染の提案で法の力を借りることに
沙織からは冷静なメッセージが返ってきました。
「そんなの気にしないで。私、直哉さんなんかに負けないよ。私は楓を助けない方が後悔になると思ったから行動したんだよ」
「沙織……」
「私の不法侵入なんて成立するわけない。いざとなったら楓が直哉さんをモラハラで訴えればいいのよ。私が全部証言するわ」
沙織の力強い断言に、私の心はまた少し温かくなりました。私には味方がいる。沙織は具体的な次のステップを提示してくれました。
「この先、きっと離婚調停になるでしょ? 直哉さんみたいな人は、プロを相手にしないと話が進まない。弁護士さんに相談しよう。無料で相談できる窓口もあるんだよ」
「無料で?」
「そう。経済的に余裕がない人が無料で弁護士に相談できるの。LINEのやり取りと、DVの事実を伝えれば、きっと力になってくれるから」
弁護士からのアドバイス
翌日、私は沙織に付き添ってもらって弁護士事務所を訪れました。女性の弁護士さんがしっかりと話を聞いてくれました。
「楓さん、よく頑張りましたね。ご主人による一連の行為は、離婚原因として非常に有力です」
そして、弁護士さんは言いました。
「離婚調停を進めるにあたり、まずは証拠集めをしっかりやっておきましょう」
「証拠、ですか。LINEは全部残してあります」
「はい、それも重要です。LINEに加えて、過去のモラハラ発言を日付・内容・場所とともに記録した記録や、もしケガをしたり心身に不調をきたして病院に行ったならその通院履歴、そして沙織さんのような第三者の証言もあるといいですね。
特にモラハラは目に見えないDVですから、客観的な証拠の量が大事なんです」
「日記と診断書……」
私はハッとしました。確かに、これまで直哉から受けた暴言や、それによる不眠や胃痛で病院に行ったこともありました。それらは全て、直哉を追い詰めるための証拠になるのです。
弁護士さんとの面談を終え、私は完全に前向きな気持ちになっていました。もう怯えるだけの私じゃない。法と証拠という盾と矛を持って、私は直哉と闘える。私は沙織の顔を見て、決意を新たにしました。
「沙織、ありがとう。私、やれる気がする」
いよいよ弁護士を依頼し、私は証拠集めという「戦いの準備」に取り掛かったのです。
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あとがき:証拠という盾と矛の準備
一人で戦っていたら心が折れてしまうような状況で、幼馴染の沙織が「証人になる」と宣言してくれたことは、何物にも代えがたい支えです。さらに、次のステップとして弁護士相談に繋げたことで、楓は感情ではなく、法律というロジックで戦う武器を手に入れました。
弁護士の「モラハラ発言の日記」「診断書」「第三者の証言」が武器になるという言葉は、目に見えないDVに苦しむ人々にとって、希望の光となるでしょう。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










