🔴【第1話から読む】「娘とは遊ばせないで」ママ友から、突然の絶縁宣言!明かされた”衝撃の理由”に絶句
ある日、咲希の前に現れたのは、見慣れない姉妹・結衣とひよりだった。娘の沙良ともすぐに仲良くなったが、咲希は次第に、姉妹の言動に違和感を抱いていく。沙良の表情がくもる度、積もっていく違和感をムシできなくなり…。
公園に現れた、見慣れない姉妹
毎日のように通っている、いつもの公園。
そこに、見慣れない姉妹が来るようになったのは、春が終わるころだった。
最初は、ただの顔見知りだった。
小学3年生の結衣ちゃんと、1年生のひよりちゃん。沙良と年が近いからか、自然と遊びの輪に入ってきた。
「沙良ちゃん、ブランコ一緒にやろう!」
結衣ちゃんは人なつっこくて、ひよりちゃんは元気いっぱい。
悪い子たちではない。そう思っていた。
しばらくして、彼女たちのお母さん──真帆さんとも、あいさつを交わすようになった。
「いつもありがとうございます。仕事の合間で、なかなか見に来られなくて」
「いえいえ。子どもたち、仲良くしてますから」
そう答えたものの、胸の奥に、少しだけ引っかかるものが残った。
仕事で忙しいから、目が届かない…。
だからこそ、何かあったら私が気をつけないといけない──。
そんな責任感が、いつの間にか、自分の中に芽生えていた。
「気にしすぎ」と言い聞かせた日々
最初の違和感は、小さなものだった。
「沙良ちゃん、大好き〜!」
結衣ちゃんが沙良を強く抱きしめる。
悪気がないのは分かる。けれど、沙良は少し苦しそうな顔をしていた。
「結衣ちゃん、沙良、少し苦しいかも。沙良もイヤだったら、やめてって言えばいいのよ」
そう声をかけても、楽しい気分になっているせいか、結衣ちゃんは笑って受け流すばかりだった。
そして、次第に、遊び方も変わっていった。
沙良が友だちと遊んでいると、いつの間にか姉妹が加わるようになっていた。
「ねえ、それやらせて!」
「一緒にやろ!」
拒むスキもないほどの勢いで入ってくる2人…。
時折、その強引さに不満を口にする友だちもいて、その時に不安そうにする沙良の表情に、私の胸は締め付けられた。
私は何度も自分に言い聞かせた。
(子ども同士なんだから)
(深く考え過ぎよ)
でも、小さな違和感は積み重なっていった。
目をつぶれなくなった決定的なできごと
ある日、公園から帰ろうとした時だった。
下の子の砂遊びセットが、砂場で使いっぱなしで散らばっている。持ってきてはいたけれど、下の子はその日、砂遊びをしていなかった。
散らばる砂遊びセットに気づき、片付けて戻ってきた沙良に私は聞いた。
「沙良が砂遊びセット使ってたの?」
「……ううん、結衣ちゃんとひよりちゃん」
そして、決定的だったのは、その翌日。
「結衣ちゃん、ひよりちゃん、靴どこ〜?」
沙良が片足立ちで2人に問いかけている。よく見ると、靴が片方無くなっていた。
「宝探しだよ〜、探してみて!」
最初こそ、にこやかにしていた沙良だったけれど、次第に表情がくもり始め、声も弱々しくなっていった。
つかれて沙良がしゃがみ込んだころ、やっと2人がかくしていた靴を持ってきた。沙良の靴は遊具のカゲにかくされていた。
悪ふざけなのは分かる。でも、限度がある。
胸の奥で、何かがぷつりと切れた。
私はずっと、目をつぶってきた。
井上さんが忙しいことも、放任主義なのかもしれないことも、理解しようとしてきた。
でも──。
(このままじゃ、沙良がガマンばかりするだけ……)
気づけば、私は強くそう思っていた。子どもだから、では済まされない。親が線を引かなければいけない。
この時を境に、私の中の2人への違和感は、明確に憤りへと変わっていった。
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線を引くのは、親の役目
第2話では、咲希の視点から、結衣とひよりへの違和感がどのように積み重なっていったのかを描きました。
最初はささいなことでも、わが子が傷つき、不安そうな顔を見せる度に、母親の心はゆれ動きます。「子ども同士だから」「悪気はないから」と見過ごすことが、本当に優しさなのか。守るべきものは何なのか。咲希が下した決断は、正義なのか、それとも過剰なのか──。この問いが、次の行動へとつながっていきます。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










