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「おやつ事件」が決定打!娘の交友関係を切った、母の”決断”|あなたの子とは遊ばせない

仕事と子育てに追われながらも、おだやかな日常を大切にしていた、母・真帆。しかし、娘の友だちの母・咲希から、突然、突きつけられたのは、「もう、娘と遊ばせたくない」という言葉だった…。公園での「子ども同士のトラブル」をきっかけに、親同士の“常識”がすれちがっていく様子を、双方の視点から描く作品、『あなたの子とは遊ばせない』第3話をごらんください。

PIXTA

🔴【第1話から読む】「娘とは遊ばせないで」ママ友から、突然の絶縁宣言!明かされた”衝撃の理由”に絶句

結衣・ひより姉妹の、強引な関わり方や遊び方に不安を覚えながらも、「子ども同士だから」と自分に言い聞かせ、明確な行動には出せずにいた。しかし、ある事件が決定打となり…。

迷いと葛藤──違和感を否定し続けた理由

迷い PIXTA

結衣ちゃんとひよりちゃんの沙良との遊び方に、私は憤りを感じ始めていた。

けれど、正直に言えば、まだ迷っていた。

2人を公園で見かけなくなれば、きっと、今のこの憤りも晴れてラクになる。でも、沙良はあの姉妹と遊ぶ時間を楽しんでいた。それもまた、事実だった。

「今日も結衣ちゃんたち来るかな」

そう聞かれる度に、胸の奥がちくりと痛む。

私の感じている違和感や憤りは、大人の都合なのではないか──そんな迷いが、判断を鈍らせていた。

だから私は、あえて距離を詰めないまま、遊ばせ続けた。

けれど、一度、気になり始めると、ささいなことが目につく。

声の大きさ。距離の近さ。沙良が何か言おうとする前に、先回りして決めてしまう態度。

「沙良ちゃん、それちがうよ」

「こっちのほうが早いから!」

悪意がないことは、分かっている。それでも、沙良が、一歩、引いてしまう姿を見る度、胸がざわついた。

越えてはいけない一線、"おやつ事件"が残したもの

お菓子 公園 PIXTA

おやつの時間も、そうだった。

私は時々、沙良だけでなく、周りの子にもおかしを分けていた。

小さなクッキーや、個包装のせんべい。特別なことじゃない。

「はい、みんなでどうぞ」

そう言って差し出す前に、ふと目を離したスキだった。

「あっ……」

ひよりちゃんが、私のカバンの中からおかしを取り出していた。

「これ、もらっていいんだよね?」

一瞬、言葉をうしなった。

悪びれた様子はなく、当然のような顔。

「……あとで配るつもりだったの」

そう言うのが精一杯だった。

胸の奥に、冷たいものが流れ込んでくる。

──勝手に触る。

──断りもなく、取る。

小さなこと。でも、私の中では、確実に一線を越えていた。

それでも私は、その場では何も言わなかった。波風を立てたくなかったし、子ども相手に大人気ないとも思った。

母としての決断!もう一緒には遊ばせない

女性 腕組み 怒り 写真 PIXTA

決定的だったのは、その数日後。

沙良の友だちのお母さんが、手作りのおかしを持ってきてくれた。人数分、きっちりと計算されたものだった。

「休憩して、おやつ食べよう〜」

そう言った直後、結衣ちゃんとひよりちゃんが現れた。

「なにそれ?食べたい!」

「いいでしょ?」

予定にない参加。個数が決められていたこともあって、私は2人にやんわりと断った。すると、2人は分かりやすく気を落とし、ひよりちゃんに至っては泣きながらダダをこね始めた。

その様子を見かねてか、沙良の友だち2人が、姉妹におかしをゆずり、他の友だちや沙良と半分こして食べることになった。

大人な対応に感心しつつも、沙良の友だちの表情は当たり前ながら少しくもっていた。

「おかし、楽しみにしてたのになぁ……」

その言葉を聞いた瞬間、頭の中で何かが弾けた。

違う。これはもう、子ども同士の問題じゃない。誰かがガマンして、誰かが傷ついている。それをうやむやにしているのは、私だ。

その日の帰り道、私は決めた。

──もう、一緒には遊ばせない。

それは、冷たい判断かもしれない。でも、沙良を守るのは私の役目だ。

私は、沙良と下の子たちを家に帰した後、井上さんの家へ向かった。自分の中の迷いを振り切るように、強くインターホンを押した。

井上さんが出るまでの間、姉妹と楽しそうに遊んでいた沙良の表情や、井上さんの人当たりの良さが思い起こされる。その上で、これから伝えることを思うと胸が締め付けられた。

でも、言わないと──。

「もう、うちの子と遊ばせたくないんですけど」

そう伝え終えた帰り道、「やっと言えた」という安堵とともに、「気にし過ぎだったのでは」という罪悪感が、胸の中でせめぎ合っていた。

──でも、これで良かったんだ。

そう、自分に言い聞かせて、呼吸を整える。そして、わが子の待つ自宅へと急いだ。

🔴【続きを読む】謝罪が引き金に…「私、きらわれてる?」小3娘の不登校の理由

【全話読む】
あなたの子とは遊ばせない

「気にしすぎかもしれない」と思う前に

違和感を覚えたとき、それを口にすることはとても勇気がいる。

特に相手が子どもであれば、「大人の都合ではないか」「ガマンすべきではないか」と、自分を責めてしまいがちだ。けれど、誰かがガマンし続けることで成り立つ関係は、決して健全ではない。

第3話では、咲希が“見て見ぬふり”をやめ、母として線を引く決断を下した。その選択は冷たさではなく、わが子を守るための覚悟だったのかもしれない。

※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています

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