🔴【第1話から読む】「娘とは遊ばせないで」ママ友から、突然の絶縁宣言!明かされた”衝撃の理由”に絶句
結衣・ひより姉妹の、強引な関わり方や遊び方に不安を覚えながらも、「子ども同士だから」と自分に言い聞かせ、明確な行動には出せずにいた。しかし、ある事件が決定打となり…。
迷いと葛藤──違和感を否定し続けた理由
結衣ちゃんとひよりちゃんの沙良との遊び方に、私は憤りを感じ始めていた。
けれど、正直に言えば、まだ迷っていた。
2人を公園で見かけなくなれば、きっと、今のこの憤りも晴れてラクになる。でも、沙良はあの姉妹と遊ぶ時間を楽しんでいた。それもまた、事実だった。
「今日も結衣ちゃんたち来るかな」
そう聞かれる度に、胸の奥がちくりと痛む。
私の感じている違和感や憤りは、大人の都合なのではないか──そんな迷いが、判断を鈍らせていた。
だから私は、あえて距離を詰めないまま、遊ばせ続けた。
けれど、一度、気になり始めると、ささいなことが目につく。
声の大きさ。距離の近さ。沙良が何か言おうとする前に、先回りして決めてしまう態度。
「沙良ちゃん、それちがうよ」
「こっちのほうが早いから!」
悪意がないことは、分かっている。それでも、沙良が、一歩、引いてしまう姿を見る度、胸がざわついた。
越えてはいけない一線、"おやつ事件"が残したもの
おやつの時間も、そうだった。
私は時々、沙良だけでなく、周りの子にもおかしを分けていた。
小さなクッキーや、個包装のせんべい。特別なことじゃない。
「はい、みんなでどうぞ」
そう言って差し出す前に、ふと目を離したスキだった。
「あっ……」
ひよりちゃんが、私のカバンの中からおかしを取り出していた。
「これ、もらっていいんだよね?」
一瞬、言葉をうしなった。
悪びれた様子はなく、当然のような顔。
「……あとで配るつもりだったの」
そう言うのが精一杯だった。
胸の奥に、冷たいものが流れ込んでくる。
──勝手に触る。
──断りもなく、取る。
小さなこと。でも、私の中では、確実に一線を越えていた。
それでも私は、その場では何も言わなかった。波風を立てたくなかったし、子ども相手に大人気ないとも思った。
母としての決断!もう一緒には遊ばせない
決定的だったのは、その数日後。
沙良の友だちのお母さんが、手作りのおかしを持ってきてくれた。人数分、きっちりと計算されたものだった。
「休憩して、おやつ食べよう〜」
そう言った直後、結衣ちゃんとひよりちゃんが現れた。
「なにそれ?食べたい!」
「いいでしょ?」
予定にない参加。個数が決められていたこともあって、私は2人にやんわりと断った。すると、2人は分かりやすく気を落とし、ひよりちゃんに至っては泣きながらダダをこね始めた。
その様子を見かねてか、沙良の友だち2人が、姉妹におかしをゆずり、他の友だちや沙良と半分こして食べることになった。
大人な対応に感心しつつも、沙良の友だちの表情は当たり前ながら少しくもっていた。
「おかし、楽しみにしてたのになぁ……」
その言葉を聞いた瞬間、頭の中で何かが弾けた。
違う。これはもう、子ども同士の問題じゃない。誰かがガマンして、誰かが傷ついている。それをうやむやにしているのは、私だ。
その日の帰り道、私は決めた。
──もう、一緒には遊ばせない。
それは、冷たい判断かもしれない。でも、沙良を守るのは私の役目だ。
私は、沙良と下の子たちを家に帰した後、井上さんの家へ向かった。自分の中の迷いを振り切るように、強くインターホンを押した。
井上さんが出るまでの間、姉妹と楽しそうに遊んでいた沙良の表情や、井上さんの人当たりの良さが思い起こされる。その上で、これから伝えることを思うと胸が締め付けられた。
でも、言わないと──。
「もう、うちの子と遊ばせたくないんですけど」
そう伝え終えた帰り道、「やっと言えた」という安堵とともに、「気にし過ぎだったのでは」という罪悪感が、胸の中でせめぎ合っていた。
──でも、これで良かったんだ。
そう、自分に言い聞かせて、呼吸を整える。そして、わが子の待つ自宅へと急いだ。
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「気にしすぎかもしれない」と思う前に
違和感を覚えたとき、それを口にすることはとても勇気がいる。
特に相手が子どもであれば、「大人の都合ではないか」「ガマンすべきではないか」と、自分を責めてしまいがちだ。けれど、誰かがガマンし続けることで成り立つ関係は、決して健全ではない。
第3話では、咲希が“見て見ぬふり”をやめ、母として線を引く決断を下した。その選択は冷たさではなく、わが子を守るための覚悟だったのかもしれない。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










