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🔴【第1話から読む】逃げられない30分の説教。自治会長の「育児論」が、平穏な主婦の日常を壊す
信也は、美代子の行動を「ハラスメント」と言い、正当な反撃を誓う。数日後、家族で出かけようとすると、またも美代子が現れ、娘をあずかると言い出す。逃げ場のない状況で、信也は静かに…しかし、力強く口を開いた。
お向かいさんのしていることは「善意」?
「美代子さんも、悪気はないんだろうけどなあ……」
信也はウデを組んで、むずかしい顔をしました。
「孫が遠くに住んでいて、なかなか会えないって言っていたし…。りんを自分の孫みたいに思っているんだろう。自治会長として、町の防犯などで助けてもらっている部分はあるし…」
無下にもできない…。
「分かってる。分かってるんだけど……!」
私は声をつまらせました。
「"悪気がない"のが、一番厄介なの!善意でやっていると思ってるから、何を言っても届かないのよ。でもね、信也くん。私の育児を否定して、りんを泣かせてまで抱きしめるのが、本当に"善意"なの?」
これは立派なハラスメント
私の問いかけに、信也の表情が変わりました。
「いや、それはちがうな。家族のプライバシーを侵害して、母親にストレスを与えるのは、親切なんかじゃない。これはハラスメントだ…」
信也はスマホを取り出し、メモを取り始めました。
「今すぐ、引っ越すのは現実的じゃない。でも、毅然とした態度で"境界線"を引く必要はある。今まで聡子がやさしくことわっていたから、彼女は押せばいけると思ってるんだ。次は俺が言うよ」
「でも、角が立ったら……」
「大丈夫。俺が父親として、冷静に話す。感情的にならずに、事実を突きつけるんだ。聡子はだまってていいから」
それからの数日間、私は美代子さんと会わないよう、最新の注意を払って生活しました。
いよいよ直接対決のとき
日曜日の午前中。家族3人で車で出かけようとした時のことです。
いつものように、エンジンをかけて冷房を効かせていると……ガラガラと音を立て、お向かいの玄関が開きました。
「あらあ、信也さんも一緒?これからお出かけ?」
美代子さんがうれしそうに小走りでやってきます。
「今日は日差しが強いから、りんちゃんはうちに置いていきなさいな。2人でゆっくりデートでもしてきたら?」
いつもの調子です。 ですが、私のトナリにいる信也の空気は、いつもとちがっていました。
信也はりんをチャイルドシートに乗せ終えると、ゆっくりと立ち上がり、美代子さんの目を見て、しずかに口を開きました。
「美代子さん。いつも娘を気にかけてくださって、本当にありがとうございます。でも、一つお伝えしておかなければならないことがあります」
信也の低い、落ち着いたトーンの声…。美代子さんの笑顔が、少しだけこわばりました。
「ええ…?何かしらあ、改まって」
いよいよ、反撃の火ぶたが切って落とされました。
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あとがき:ゆるがない家族の絆
「悪気はない」とにごさず、妻の苦しみを「ハラスメント」と、明確に定義してくれた、信也。信也のたのもしさが光りますね。
感情的にどなるのではなく、冷静に「境界線」を引こうとする姿は、読者にとっても、非常に心強い展開です。美代子にとっては、今まで「言いなり」だった聡子の横に、強固な壁(夫)が現れた瞬間ですね。ついに迎えた対峙の時。静かなトーンで語られる信也の言葉が、物語のテンションを一気に高めます。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










