🔴【第1話から読む】最高の職場に現れたのはかつての仲間!訪れるのは平穏か、それとも...
みゆが勤務中に自分たちの誹謗中傷をしていたと知り、怒りを我慢できなくなったかよこ。新入社員のちほと協力して向かった先とは…。
優しい部長の考えた「手口」
翌朝、私はちほさんと共に、始業前に部長を訪ねました。
「部長、これを見てください。内容的にもみゆで間違いないです」
印刷した大量のスクリーンショットをデスクに置きました。
読み進めるうちに、部長の穏やかな顔が、見たこともないほど怒りに震えていくのが分かりました。
「……これは、許しがたい。個人の誹謗中傷もそうだが、業務中にこれだけの投稿をしているなんて。熱心に調べごとしながら仕事をしているのか、と最近見直そうと思っていたのに」
しかし、部長はすぐに怒鳴り込むようなことはしませんでした。
彼は深く息を吐き、眼鏡を拭きながら静かに言いました。
「かよこさん、ちほさん。彼女に自覚を促す、最後のチャンスを私にください」
その日の午後。部長はみゆを自分のデスクに呼び出しました。 私たちスタッフは、近くのデスクで息を潜め、耳を澄ませていました。
「みゆさん、ちょっと相談があるんだ」
部長の声は、驚くほど冷静でした。
「はい、何ですか? 手短にお願いします。今忙しいんで」
みゆの不遜な態度は相変わらずでした。
「実はね、最近、我が社の社員がネット上で、あるアカウントから酷い誹謗中傷を受けているという通報があってね。私も内容を確認したんだが……これは目に余る。殺害予告に近いものまであるんだ」
みゆの体が、一瞬ビクンと跳ねたのを私は見逃しませんでした。
「へ、へぇ……。大変ですね。でもそんなの、ネットの落書きなんて放っておけばいいんじゃないですか?」 「いや、上司として、社員の心身の安全を守る義務がある。私は、会社として正式に、プロバイダに対して発信者情報開示請求を行うことに決めたんだ」
怯える犯人、追い詰められていく親友
みゆの顔から、みるみる血の気が引いていくのが分かりました。
「か、開示請求……?」
「そう。弁護士を通じて、どこの誰が書き込んでいるかを特定する。特定できたら、名誉毀損で刑事告訴、そして損害賠償請求も行うつもりだ。そこでみゆさん。君はネットに詳しそうだから聞くんだが、こういう事案に強い弁護士を知らないかな?」
みゆはガタガタと震え出しました。彼女の額からは脂汗が滲んでいます。
「し、知りませんよ! そんなことにお金を使うなんて無駄です! ネットなんて誰が書いてるか分からないんだから、無視するのが一番ですよ!」
「いや、もう決めたことだ。証拠はすべて揃っている。書き込みの時間帯からして、社内の人間である可能性も高い。もしそうなら、懲戒解雇も免れないだろうね」
部長は真っ直ぐにみゆの目を見つめました。
「……私は、犯人に自首してほしいと思っているんだ。そうすれば、少しは温情もかけられるかもしれないからね。どう思う、みゆさん?」
みゆは何かを言いかけましたが、喉が鳴るだけで言葉になりませんでした。
「わ、私は……私は放っておいた方がいいと思いますけどね!」
彼女は吐き捨てるように言うと、逃げるように自分の席へ戻りました。その背中は、以前の傲慢な面影もなく、小さく縮こまって見えました。
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あとがき:効果絶大!
まさか開示請求まではしないだろう、とたかをくくっていたのが見え見えですね。しかし社会はそうは甘くありません。やはり悪いことをしているという自覚があるからか脅しには弱いのですね。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










