🔴【第1話から読む】相槌を打つだけの「30分」→親友からの愚痴電話がしんどい|友達はエナジーヴァンパイア
直接会って相談したいという聡里に誘われランチへ。しかし聡里は亜紀の悩みを「レベルが低い」と一蹴し、自分の話ばかりをぶつける。対等ではない関係に疑問を抱いた亜紀は、逃げるように帰宅して…。
また親友の話を聞くことに
数日後、また聡里から連絡がありました。今度は「どうしても直接会って話したい」とのこと。私たちは土曜日の午後、おしゃれなカフェでランチをすることにしました。
「亜紀、こっちこっち!」
先に着いていた聡里が席で手を振っています。その顔を見ると、やはり疲れて良そうで「助けてあげなきゃ」という義務感がわいてきました。
「お待たせ。聡里、なんか疲れてそうだね」
「そうなの!聞いてよ~もう限界。課長がね、私のミスじゃないことまで私のせいにしてさ…」
注文したパスタが届いても、聡里のフォークはほとんど動きません。代わりに口からひたすら愚痴がこぼれてきます。
私も相談をしたかったのに…
実を言うと、私もその日は話したいことがありました。最近、職場の人間関係で少し悩んでいたのです。これまで私がずっと愚痴を聞いてきたのですから、聡里も話を聞いてくれると期待していました。
「聡里、実は私もね、最近ちょっと仕事でモヤモヤしてて……」
勇気を出して切り出した私はほんの1分ほど自分の悩みを話したのですが、アイスコーヒーを飲みながら適当そうに相槌を打った聡里は、こんなことを言い放ちました。
「えー、亜紀はまだいいじゃん。人間関係で悩んでるっていっても仕事は安定してるし、家に帰れば優しい旦那さんがいるんでしょ?私の悩みとはレベルが違うよ~。私なんて課長にまたひどいこと言われて――」
私は「レベルが違う」という言葉を聞いてあぜんとしてしまい、その後の聡里の愚痴は頭に入ってきませんでした。
聡里は相手の話を無視するように、強引に自分の話題に引き戻します。彼女にとって私はまるで「感情のゴミ箱」です。そう思うと、もうこの場で話を聞いているのもつらいと思うようになりました。
「……ごめんね、ちょっとこのあと夫と予定があって。そろそろ帰るね」
私は逃げ出すようにお店を後にしました。
私は冷たい人間なのだろうか…
結局、私は話を聞いてもらうことすらできず、ひたすら聡里の愚痴にあいづちを打つだけで時間が過ぎていきました。
帰り道、私の脳内ではさまざまな思いをぐるぐるとめぐっていました。「こんなの対等な友人関係じゃない」と怒る自分もいましたが「愚痴を聞かされたくらいでこんなにモヤモヤするのは冷たいのでは」と自分に失望する自分もいます。聡里は私を頼っているだけで、私に対してなにか攻撃してくることはありませんでした。なのに、突き放した自分にも少しモヤモヤしたのです。
帰宅して玄関を開けると、士郎さんが「おかえり。楽しかった?」と笑顔で迎えてくれました。その温かさに触れた瞬間、張り詰めていた糸が切れ、私は涙があふれてきました。
「……楽しくなかった。なんか疲れちゃったよ」
私の声は、自分でも驚くほど震えていました。
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あとがき:搾取される側が気づく「違和感の正体」
せっかく勇気を出して打ち明けた悩みを聞いてもらえない――これは友情において最も悲しい瞬間の一つです。第2話のポイントは、聡里にとって亜紀が「対等な友人」ではなく「便利な感情のゴミ箱」になっていたこと。
士郎さんの温かさに触れて糸が切れた亜紀。彼女が自分の流した涙の理由を直視し始めた、重要な転換点です。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










