32歳のなおは、現在妊娠中。初めての妊娠で心身ともに不安定な日々。しかし夫の恭司は、健診の結果を聞く約束も忘れ、仕事の付き合いを優先して飲み歩く。独り寂しい夕食を囲むなおの心には、冷めた感情が溜まっていく。
初めての妊娠で戸惑う日々
「今日、飲み会になったから。遅くなるわ」
リビングで夕食の準備をしていた私のスマホに、恭司から突然のメッセージが。
「今日? 健診の結果、後で話そうって言ってたよね」
「ごめんて。大事な取引先も来るんだよ。また聞くからさ」
それっきり、何を送っても既読がつくことはありませんでした。それが彼にとっての「相談」ではなく、単なる「決定事項の報告」であることは、結婚してからずっと変わっていません。
私の名前はなお、32歳。現在、おなかの中に新しい命を授かっています。 初めての妊娠。体調の変化に戸惑い、常に眠気と吐き気に襲われる毎日です。
夫にはもっと寄り添ってほしいのに…
本来なら一番近くで支えてほしいはずの夫、恭司はといえば、相変わらず「職場の人間関係」を免罪符に、夜の街へと繰り出していきます。
「行ってきてもいい?」なんて聞かれたことは一度もありません。「行ってくる」の一択。 彼にとって、外での付き合いは聖域であり、家を守る私の感情は、その聖域を侵してはならない些細なことのようです。
「ふぅ……」
1人分の夕食。栄養バランスを考えて作った副菜も、今は虚しく食卓に並んでいるだけです。 恭司は悪い人ではありません。でも、どこか決定的に「想像力」が欠けている。 自分が外で冷たいビールを喉に流し込んでいる間、妻がどんな思いで重くなった体を引きずり、家事をこなしているのか。
私との約束も気分次第
「せめて、時間は守ってよね……」
私はカレンダーに目をやります。今日は12月。忘年会シーズン。 以前、彼が泥酔して帰宅し、玄関でそのまま寝てしまった時のことを思い出します。あの時はまだ妊娠していなかったから笑って済ませられたけれど、今は違います。お酒の匂いだけでも、胃の底からせり上がってくるような不快感があるのです。
私の「22時までには帰ってきて」という言葉に、彼はいつも「わかったよ」と空返事をします。
でも、その約束が守られるかどうかは、その場のノリと彼の気分次第。 彼は飲み会に行くと自分の限界を超えて「ガブガブ」と飲む癖があります。
外では、冷たい雨が降り始めていました。 今夜の雨は、予報によれば夜更けから「暴風雨」に変わるそうです。 窓を叩く雨音を聞きながら、私は静かに、自分の中に冷めた感情が溜まっていくのを感じていました―――。
🔴【続きを読む】【午前0時の地獄】玄関で泥酔・おう吐→妊娠中の妻が呆れたモラ気質夫の行動|泥酔夫を締め出した話
あとがき:身勝手な夫への「静かなる宣告」
物語の導入として、妊娠中の孤独と夫の無神経さを描きました。同じ経験をした女性なら、恭司の「悪い人ではないけれど想像力が欠如している」態度に、拳を握りたくなるはずです。外で冷たいビールを飲む夫と、家で重い体を引きずり家事をする妻。この対比が、後の展開への大きなフックとなるでしょう。まずは、なおの心に積もる「静かな怒り」が感じられるエピソードでした。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










