🔴【第1話から読む】シンママが引っ越した先は地獄?「自治会長の妻」から"一棟、挨拶回り"を強要され…
「監視の鬼」と呼ばれる自治会長妻・康代の目から逃れるため、優香はムリをしつつも、自治会の行事に参加できるようがんばっていた。そんな時、ある女性と出会う…。彼女もまた"シングルマザー"で…。
子連れで清掃活動に参加
3回目の町内清掃の日を迎えた。
さすがに、毎回シッターにあずけているとお金がかかるので、今回はハルナをつれて参加することにした。
「いい子にしていてね」と、口酸っぱく言い聞かせたのには、わけがある。康代さんの目がこわいからだ。
一回目は欠席した件を、2回目は前回の謝罪について叱られた。
今回は、「子連れ参加」を指摘されないかとひやひやしていたが、特に大きくはおこられなかった。ただ、ちくちくとイヤ味を言われる。
「シングルだから、しかたなくゆるしてあげるわ。清掃のじゃまにならないよう、しっかり見張っておいてちょうだい!」
ハルナはおとなしい性格で、私の近くで、自分なりの草刈りをたのしんでいる。ほっと胸をなでおろした。
「トラブル聞いたわ」ある女性との出会い
たかが町内清掃に、神経をすりへらすなんておかしな話だと思う。
でも、妙に迫力のある康代さんに、みんなは逆らえない…。腰巾着のような人たちもいて、なかなか厄介だった。
黙々と作業を進めていると、一人の中年女性から声をかけられた。
「優香さんよね。大変な中、おつかれさま」
「あ、はい」
物腰やわらかな女性は、「山本さなえです」と名乗り、ハルナにもあいさつをしてくれた。やさしそうな人だ。
彼女は、「近所の一軒家で、一人暮らしをしている」と教えてくれた。
「あなたも厄介な所に引っ越してきちゃったわねえ。康代さんとのトラブル、聞いたわ」
「おはずかしい話です」
「私もシングルだからわかる。女手一つの中、近所の行事参加までするのは大変でしょう」
思わずハッとして顔をあげた。初めて、「味方」とも言える人物があらわれたとわかったからだ。
力強い言葉「協力させて」
山本さんは、子どもがまだ10歳のころに夫と死別。
そこからシングルで子育てをし、今は息子さんは成人して、家を出ているという。苦労した過去をふり返りながら、彼女は言った。
「昔はこんな風じゃなかったのよ。清掃も3か月に一度だったのに…いつの間にか増えててね。縮小する団体が多い中、時代と逆行しているわ」
彼女の言うとおりだ。この自治会は、時代に合っていない。
地域のつながりは大切。でも、周りを見わたせば、みんなつかれた顔をしている。
増えた行事に加え、見張られている圧迫感もあるからだろう。そして、私もまた、切羽詰まった事情を抱えていた。
「実は…次回の清掃は、参加できなさそうなんです。ハルナの習いごとの行事がかぶっていて…」
ハルナが大好きな英語教室の、ハロウィンイベントが、ちょうど清掃の日とかぶってしまった。
そちらを休ませてまで、清掃に連れ回すのはかわいそうだし、イベントに参加させたいと思う。
でも、康代さんはこわい。胃が痛くなっていると、山本さんが小さく言った。
「私に協力させて」
顔を上げると、山本さんがにっこりと笑っていた。
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あとがき:キーパーソン「山本さん」の登場
3回目となる清掃作業。優香は子連れで参加しましたが、康代からまたイヤ味を言われ、監視におびえてしまいます。そんな時、出会った「山本さん」は、事情はちがえど、同じ「シングルマザー」という立場を経験した女性。
優香の苦労を身近に感じ取ってくれます。同様の経験を持つ人が近くにいるのは、心強いですね。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています。










