育休って?
育休とは「育児休業制度」のことを指します。申し出た時点で、それまで1年以上勤務していたこと、また、1歳6ヶ月以降も雇用が継続する可能性のある労働者が、事業主に申し出ることによって取得できる休暇です。
妊娠や育休を理由に解雇や降格などを行うと違法とみなされます。雇用される側がきちんと守られる制度といえるでしょう。
育休は女性だけでなく、男性も取得できます。男性も女性と同様、子供が1歳になるまでの間に取得できますが、近年では「パパ・ママ育児プラス」制度によって1歳2ヶ月までの取得が可能になりました。
- 厚生労働省「育児・介護休業法について」厚生労働省(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000130583.html)
- 厚生労働省「【平成29年1月1日施行対応】育児・介護休業法のあらまし」厚生労働省(http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/pamphlet/32.html)
- 厚生労働省「えば…「妊娠したから解雇」「育休取得者はとりあえず降格」は違法です」厚生労働省(www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000.../270330-4.pdf)
育休のメリット・デメリット
育休を取得することによるメリットとデメリットには、どのようなものがあるのでしょうか?周囲のママたちの声などをもとに考えてみました。
メリット
- 出産直後の育児や、母体の身体的な負担が減る
- 男性が育児へ積極的になり精神的負担が減る
- お金や仕事の心配をしなくて済む
近年では父親が育休を取得する場合も増えており、そうすると父親も育児に積極的になります。母親としては赤ちゃんを育てるという精神的な負担も軽減されるので育児もより楽しめるようになります。
また、育休は働く女性の当然の権利です。しっかり取得して、再び仕事へ復帰する際にスムーズに育児と両立させるための準備期間としてとらえる見方もあるでしょう。
デメリット
- 会社によっては育休の申し出をしにくい
- 育休明けに復帰することへの不安
~中略~
早出、残業、持ち帰り、土日出勤も当たり前だったので無理だなと(^^;;
職場には言わなかったけど、2人目が早く欲しかったのに、復帰したらまた1〜2年あけなきゃいけないのも理由です。
本来、法律で守られている制度ではありますが、深夜勤務や体力が必要とされるなど業務内容によっては育休後も継続して働くことができない場合があります。育休制度は会社によっては育休の申し出をしにくく、産後も復帰できるか不安というケースではそのまま退職してしまうということがあります。
ただ、もし育休中に解雇にされた、合意なく正社員からパートにされてしまったなどのトラブルが起きてしまったら、それは違法です。
育休後、仕事することのメリット・デメリット
育休を取得すると、いざ社会へ復帰となったときに、問題なく復帰できるか不安ですよね。育休後の育児と仕事を両立した場合のメリットとデメリットについてまとめました。
メリット
- 外に出ることによって視野が広がる
- 収入が増える
- 子供との時間を大切に感じる
- たくさんの愛情を子供が受けられる
子供と毎日ずっと一緒だとお母さんも辛くなってしまいますよね。働くことによって話せる相手ができるといい気分転換にもなり、気持ちも落ち着きます。
保育園に預けるのは可哀想と思うかもしれませんが、お母さん以外からも愛情を受けたり、同年代の子たちと触れ合えたりできる機会があるのは、子供自身にとっても良い刺激になるでしょう。
デメリット
- 子供との時間が少なくなる
- 体力がいる
- 保育園費用がかかる
- 会社の人に迷惑をかける場合がある
仕事が始まると、子供と過ごす時間は一気に減ります。日中は働くのでお母さん自身も疲れてしまって、最初のうちは心に余裕が持てないかもしれませんね。
そういった場合は父親など周りのサポートは必須です。適度に手を抜けるように家族で話し合っていきましょう。
子供は保育園という新しい環境に慣れるまでは体調を崩しがちです。急にお休みを取らざるをえないこともあります。会社からの理解は必要不可欠なので、復帰前によく相談しておいたほうがいいでしょう。
子育てしやすい環境づくり
育休後に仕事を始めたいと考えた際に、一番の懸念点になるのは働ける時間です。残業はできませんし、保育園のお迎えの時間が決まっている方であれば状況は厳しいものです。
それを了承してもらった上で雇用してもらう必要があります。産休前は労働時間が長い部署で働いていたのなら、部署を異動させてもらうなど、上司と相談して働きやすい環境を確保する必要があります。
"育休"に関する体験談
では実際に育休を取得した方は、どのような感想を持っているのでしょうか?先輩ママたちの体験談を5つご紹介します。
1.結局自分のことは後回しに
1年間取るように手続をしていたが、子どもの体調などから育休10カ月後に退職した。休業中は復帰に向けて勉強&生活リズムをきちんとする…つもりだったが、子どもにメロメロで自分のことは後回し。 出典: www.premama.jp
休業中は、育休後に働くための準備をしようと考える方も多いでしょう。しかし実際は子供に時間を取られてしまい、結局何もできなかったという方もいます。
できれば出産前から長期的なプランを立てて、少しずつ準備できるといいですね。
2.会社に育児両立宣言!
育児休業の間は本当にべったりのお母さんをしていました。復帰後は、子育てと両立を会社にPRしてこれからの女性のあり方を見せています。 出典: www.premama.jp
仕事と育児の両立は、事例がないのなら自分の手で作っていくしかありません。後に続いて出産をする人たちも快く会社へ復帰できるように、よいお手本になるといいですね。
3.会社は味方であってほしい
育児休業を会社に申請したのですが、認めてもらえずに一旦退職(正社員)。復職時は再雇用(契約社員)と言われて、復帰したかったので、やむをえず承諾した。それなりの機関に訴えることも考えたが、復職したいので涙をのみました…。いまでも同じような仕事をしていて、賞与等納得いかない面が多々あります。 出典: www.premama.jp
育休は会社側からの理解が必要不可欠です。育休を取る女性をまるで会社のお荷物のように扱われるのは憤りを感じますよね。
雇用される側はどうしても弱者となってしまいやすいです。だからこそ味方であってくれる会社で働きたいですね。
4.育休中は楽しかった!
最初の子のときは育休中はとても楽しくて幸せでした。仕事に復帰するのがイヤでやめちゃおうかと思ったくらい。でも次の双子の時は忙しすぎて「早いとこ保育園入れて仕事行きたい」と思ってしまうくらい毎日がハードでした。育休手当金は一年しかでないのでしっかりもらって、今はいやいやながら(笑)仕事に行っています。 出典: www.premama.jp
働くのが好きだったり、毎日の育児に疲れてきたりすると早く外に出て働きたいと思うかもしれません。しかし実際働くとなると気が重くなってしまうという方も多いのではないでしょうか。
自分にとって一番いい生活の仕方を家族で話し合って決めていきたいですね。育児と仕事の両立は大変ですが、やりがいもたくさんあることでしょう。
5.努力が報われた
妊娠前、妊娠中と残業しまくりだったので、給付金が満額に近かったです。産休前のお給料で決まるなんて知らなかったので、ちょっと報われた感じです。 出典: www.premama.jp
出産前に一生懸命働いておくと、意外な形でそれが報われるといった瞬間はあります。もちろん無理は禁物ですが、働けるうちはしっかり働いておくのもいいでしょう。
育休をデメリットではなくメリットに
育児を続けながら仕事に復帰するということは、体力的にも精神面にも大変です。会社や周りからの配慮がなければ上手くいかないことがしばしば起きてしまいます。
こうした制度をしっかりと自分自身が理解し、会社に理解してもらうことで、安心して育児と仕事の両立ができれば良いですね。女性にとって出産がデメリットであってはいけません。よりよい環境作りを目指していきましょう。