ママ達を悩ませるオムツはずし・トイレトレーニング
オムツはずし・トイレトレーニングを夏からトライしたお家はきっとたくさんあると思います。夏は薄着になるので洗濯物も乾きやすく、おもらしをしても寒くなりにくい時期ですし、少しずつ入園に向けてということが頭をよぎる時期でもあります。
逆に冬は寒く、洗濯物も乾きにくい時期。再度チャレンジする気持ちになれない、始めることができないというママ、パパもいると思います。でも安心してください。オムツはずし、トイレトレーニングは排泄機能の準備さえできればいつからだって大丈夫ですよ!
冬からオムツはずし・トイレトレーニングは始められるの?
冬がどうして難しい時期かというと以下の点が挙げられます。
- 汗をかく量が少なくおしっこが出る回数も多い
- 厚着になり、パンツ・ズボンの脱ぎ着が大変
- トイレやオマルに座るのが寒い
私は現役保育士・社会福祉士としてこれまでに数えきれないほどのお子さんのオムツはずし・トイレトレーニングの実践とママや保育士さん方のご相談にのってきました。
また私自身二人の子供の母でもあり、また遠く離れた地に住んでいる孫に遠距離でオムツはずしの方法を伝え、とてもスムーズにオムツはずしを成功させたおばあちゃんでもあります。
私の経験から「こんな方法で進めるといいですよ」「こんな点に気をつけてくださいね」「こんなグッズがありますよ」
ということを順を追ってご紹介しますね。
トイレトレーニングを始める目安は?
「いつから始めるのがいいですか?」
これはママさんたちからよく聞かれる質問です。一概に「○歳になったからはじめましょう!」と言えないのです。
オムツはずし・トイレトレーニングを始める時の、「おしっこ」と「うんち」の排泄の仕組みも違うのでアプローチが違ってきます。
そうはいっても目安があると取り組みやすいですよね。今回はおしっこへのアプローチに絞って目安をお話します。
一般的に言われているのは次の3点です。
①ひとりで歩くことができるようになった
歩けるようになったということは赤ちゃんにとってとても大きな成長です。大脳皮質が発達し、いろいろなことがわかってきます。
また足腰がしっかりしてきて、移動できるようになったので、おまるにまたがることやトイレに補助があれば座ることができます。
②おしっこの間隔があくようになった
おむつを替えた時に濡れていないなど、2時間くらいあくようになった。これは膀胱が大きくなってある程度おしっこをためられるようになってきたということです。
③相手が言ってる言葉を理解できるようになってきた
おしゃべりが早い遅いではありません。ママの言うこと「あんよするよ」「すわって」とか簡単な言葉や動作が分かってきたということです。
以上はあくまでも目安なので、これより早くてもトイレやおしっこに興味を持ってきたというなら始めてもよいです。
オムツはずし・トイレトレーニングを始める前に準備すると良いこと
子供もママも気持ちよく始められるように、準備も大切です。
準備1. 家の環境を整えよう
おしっこをするためにはリラックスして筋肉をゆるめることが大切なので、そのためには子供の体が安定して座ったりまたがったりするグッズが必要です。
そのグッズには補助便座、おまる、踏み台などがあります。子供の年齢や体の大きさ、家族構成、お家の構造、最初からトイレでも不安がらないかなどで変わってきます。各家庭に合ったものを選びましょう。
準備2. 排泄へのイメージ作りをしよう
子どもがおしっこやウンチはトイレでするものというイメージを持ち、興味関心が持てるような環境を整えましょう
子供は大人や他の子どもがやっていることと同じようにするのが大好きです。携帯電話を持って話す振りをしたり、メールを打つ真似を教えなくてもしていることがありますよね。
そんなまねっこ好きを活用して、大人や兄弟がトイレに行くのを見せてあげると、そうやってするんだなということをつかむことができます。
また絵本やDVDを活用すると楽しみながらトイレに関するイメージを作っていくことができます。
そしてトイレに行って何をするかの流れがわかったお子さんには、まねっこ遊びができるようなおもちゃを用意してあげまるのもいいと思います。
お人形を使ってトイレに行くとかおむつを替える遊びをする中でイメージが持てるようになり、トイレに行く前にはパンツを脱ぐんだなとか便座に座るんだなという流れもつかめるようになります。
ご家庭にあるお人形やぬいぐるみを使用すればOK です。
準備3. 子供の排泄の状況や様子を把握する
子供がどんなタイミングでおしっこがでているのかな、どんな動きをしているのかなということを観察してつかんでいただきたいと思います。
紙おむつで過ごしている方は、それをあまり気にしたことがなかった、わからないという方も多いと思います。
状態を把握することはタイミングよくおまるやトイレに座らせて出たという経験を積んでいくための準備です。
- ブルブルっとなる
- おしりをもぞもぞ動かす
- 股をおさえる
- 動きが止まる
- 顔が固まる
- 大人にまとわりつく
- ぐずる
- 部屋のすみに行く
上記の様な動きが、おしっこをしている時に見られます。
オムツはずし・トイレトレーニングで気を付けること
誘う回数が多いと子供はさらに排泄嫌いになる可能性が高くなります。そうならないためには、大人がタイミングよく誘って、成功体験を増やすことが大切です。
先ほど述べた子供の状況を把握するだけでなく、いつの時間帯におしっこが出やすいのか、どんな時に量が多いのか、食事や水分との関係はできるだけその様子や時間帯を掴むことが鍵になります。
成功体験を積むことが大事
しばらく記録をとってみると、午前中の朝ごはん食べて1時間程すると出てることが多いとか、ジュースをコップ2杯のんだらおしっこの出る回数が多いようだ、お昼寝をして起きたらすぐに出ることが続く、夕方になると量が多いなどなど、見えてくることもあります。
そのタイミングにオマルやトイレに誘って、「できた」という体験をさせてあげましょう。こういった成功体験の積み重ねが、オムツはずれ・トイレトレーニング成功のポイントです。
オムツはずし・トイレトレーニングをしている時に着る服
オムツはずし・トイレトレーニングをし始めるとパンツ、ズボンを脱いだり着たりする機会が圧倒的に増えます。
脱ぎ着しやすいズボンを用意して、着脱することにストレスがかからないようにしてあげましょう。その脱ぎ履きが面倒になってトイレトレーニングが嫌になってしまう子もいます。
どんな素材や服がいいの?
スウェットやジャージ素材の伸び縮みする柔らかい生地で、ウエストがオールゴムでゴムもきつくない物がお勧めです。
自分で裾を持っておまるや便座に座るということはハードルが高いです。お家にある服の中で着丈ができるだけ短めな物を用意してあげてくださいね。
避けた方がいい服は?
デニムなどのような硬い生地の物や裾が極端に細くなっていてなかなか脱げないようなズボンは避けましょう。タイツ、スパッツなどのピタッとした物も避けた方がいいと思います。
また上の服の丈が長すぎるとおまるやトイレに座る時に邪魔になってしまいます。ワンピースなども長くて扱いにくいのでこの時期はできるだけ避けた方がいいと思います。
布パンツを使用してみようかなと思ったら
布パンツを使用しはじめると当然のことながら失敗はつきものです。布パンツを使用する際の気を付けることをご説明します。
冬のオムツはずし・トイレトレーニングの悩みとして、失敗の回数が多いと洗濯物が乾かないということがあります。
布パンツはできるだけ多い方がいいですが、そのために大量に購入するのも大変なので、用意する布パンツのサイズを工夫すると良いですよ。
お子さんの現在のサイズのパンツ6.7枚、プラスワンサイズ大きめ3-4枚さらに必要であればもうワンサイズ大きめを2-3枚用意するという方法です。
大きめの物は今後使用するので購入して置いても無駄にはならず、乾かない時の予備として使えます。
また部屋の中が暖かいなら、日中はパンツだけで過ごすとか、冬用以外のズボンを使用して、ズボンの数を上手に調整していくというのも一つの方法です。
①環境を整える
失敗してしまったときに、拭くことが難しかったり、洗うことが面倒だったりする敷物はできるだけ敷かない方がベターです。
この敷物や床を汚してしまったというのが、パパやママの怒りのポイントをついてしまって、結果的に子供が叱られるというパターンはよくあります。
敷かない、または汚れてもいいものにする、洗える物にするなど、失敗しても気にしなくてもいい環境を整えましょう。
②すぐ処理対応できるように準備する
失敗した時にすぐに始末ができるように、バケツの中に雑巾やティッシュペーパーなどを用意しておくと、慌てなくてすみますよね。
③布パンツのサイズを調整する
冬のオムツはずし・トイレトレーニングの悩みとして、失敗の回数が多いと洗濯物が乾かないということがあります。
布パンツはできるだけ多い方がいいですが、そのために大量に購入するのも大変ですので、用意する布パンツのサイズを以下のように工夫すると良いですよ。
- 今の子供のサイズのパンツ:6-7枚
- ワンサイズ大きめ:3-4枚
- もうワンサイズ大きめ:2-3枚
大きめの物は今後使用するので購入して置いても無駄にはならず、乾かない時の予備として使えます。
うまくいかないのが当たり前!の気持ちで
これまでずっとオムツの中でおしっこしてきたお子さんなので、オムツはずし・トイレトレーニングを始めてからおもらしは必ずするに決まっています。
これまで数えきれないお子さんを見てきましたが、オムツはずし・トイレトレーニングを始めてから一度もおもらししなかった子は誰一人としていませんでした。
今この記事を読んでいるあなたも、そうやって親や関わってくれた大人に始末してもらって手間をかけてもらって、トイレで排泄できるようになってきたんですから。おもらしすることは当たり前!を心に留めてを始めてくださいね。無理だなと思ったら一旦中止するというのもよいでしょう。
そして親子ともどもオムツはずし・トイレトレーニングがストレスにならないように、できることを少しずつしていくだけで十分です。
- 山口香織(編)「Go!Go!トイレトレーニング」15,16,18,26,35,52,53(主婦の友社,2016年)
- 主婦の友社(編)「トイレトレーニング大成功100のコツ」18,19,52,78,81,93,124,125(主婦の友社,2009年)