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監修:清水なほみ

【医療監修】勝手に開くと思ってた子宮口!なかなか開かずに挑んだ私の出産体験談

PIXTA

「陣痛は来てるから朝になってもお産が進まなければ促進剤打ちましょうね」と言われ一晩中耐え、明け方には思わず唸るほどの痛みが3分間隔に迫っていました。

しかし子宮口は3cmほどしか開かず、いよいよ促進剤投与が決まりました。「万が一帝王切開になったときにもまた刺さなくていいような場所に点滴打ちますね」と言われ点滴を打ちました。

このときはすでに痛みで嘔吐を繰り返していたため、もう不安はなく、ただただ無事に産まれて欲しいとだけ願っていました。

促進剤と陣痛

促進剤の点滴を初めて2時間おきに内診。そして点滴のスピードもどんどん上がり痛みも酷く、もはや携帯電話を開く余裕もなかったです。そんななか運ばれてきた朝と昼の食事ももちろん食べることはできませんでした。

しかし夫からは「体が持たないから無理にでも食べた方がいい」と言われ、食べましたが胃液になるまで吐いたので気持ち悪くなりました。なかなか子宮口が開かないことで終わりの見えない陣痛に、私は号泣していました。

そんな姿を見て夫は前向きな言葉をかけ続けてくれ、徹夜で腰をさすって、食べていない私にお茶やスポーツドリンクなどをこまめに飲ませてくれました。

それから小さな唸りから叫ぶような唸りに変わり、身をよじるほどおなかと腰が痛く「もうおなか切って出して!」と思うように。

いよいよ分娩室に

陣痛 PIXTA

昼すぎに助産師さんを呼びましたが子宮口は8cm。その1時間後にようやく全開になったため人口破水をしてもらい、生暖かい水が股を伝った後にいきみ方を教わりました。

そのときすでに便意のようなものを感じていましたが、他の患者さんで緊急のお産が入ってしまったため1人でいきんで待つことに。

初めてのお産でいきみ方もこのままでいいのかわからなかったですが、何分間か必死にいきみ、赤ちゃんが苦しくない様にとにかく呼吸をしっかり行い耐えました。

そして14時頃、ようやく助産師さんから分娩室に案内されることになり、歩いて分娩室へ行き分娩台に上がりました。

やっと会えた赤ちゃん

分娩室 PIXTA

自然なお産を推奨するクリニックだったので痛みと共に声を掛けてもらい、「いきみます!」と伝えてから渾身の力を込めいきみました。

2回目にいきんだ際に「切りますよ」と言われ、会陰切開をされました。思いっきりいきんだところ助産師さんから「お母さん、目を開けて!」と言われたので見ると、すでに赤ちゃんが出てきていました。

そしてすぐに元気な産声をあげてくれ、その姿を見たときには達成感と赤ちゃんの愛しさに感動して涙が止まりませんでした。

出産を終えて

新生児 PIXTA

私は入院してから20時間という決して短くない分娩時間でしたが、分娩台に上がってからはわずか17分で産まれてきてくれました。

これから初めて出産される妊婦さんはこのような体験談を聞き、不安と恐怖を感じるかもしれません。出産というのは人生で一番つらく、一番苦しく痛いことかもしれませんが、私は産後3ヶ月経った今でも出産時を思い出すと涙が出てくるほど感動します。そして、また産みたいと思えるほど素敵な体験でした。

不安を抱えるのも恐怖を感じるのも当然ですが、それ以上におなかの中にいる愛しい我が子に会えるのを楽しみに、良いお産にしてくださいね。

清水先生からの補足

「臨月に入ると子宮口が勝手に開いてくる」と思っている人は少なくありません。しかし、子宮口は勝手に開くわけではないのです。陣痛を引き起こす物質には子宮口を柔らかくする作用があり、陣痛で赤ちゃんの頭が子宮口に押し付けられることで少しずつ開いていきます。そのため、陣痛が来る前に子宮口はあまり開きません。ただし、切迫早産だった人は、子宮頸管長が短くなっていることで、子宮口が開きやすくなっている場合もあります。

子宮口を開きやすくするためには、臨月に入ってから積極的に散歩・スクワット・床の雑巾がけなどを行って動いた方がよいでしょう。運動をしたからといって陣痛がきやすくなったり子宮口が開きやすくなったりするわけではありませんが、本格的な陣痛がくる前に運動による軽い陣痛のような子宮収縮があった方が子宮口が柔らかくなりやすいからです。

記事の監修

ポートサイド女性総合クリニック〜ビバリータ〜 院長

清水なほみ

通常の婦人科診療のみならず、最新の脳科学×心理学×医学を統合的に駆使した診療を行う婦人科医。日本で100名しか習得者がいない、トランスフォーメーショナルコーチのテクニックを学び、診療の現場においても、3年間で延べ6000人の患者に同テクニックを用いて診療を行っている。
中学時代のいじめや研修医時代のうつ経験から、「病は気から」を科学的に解明するための研鑽を積む。何気ない会話の中で患者に気付きを与え、片頭痛やイライラをあっさり「忘れさせる」診療には定評がある。5分で病気の「本当の原因」を見抜くため、患者からは「先生は占い師ですか!」と驚かれる。

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