持っていると子供の医療費が安くなる!乳幼児医療証とは
乳幼児医療費助成とは、子育て世帯の家計負担を軽くするために自治体が行っている制度。自治体によっては「子ども医療費助成」「小児医療費助成」など名称が異なります。また、子どもが小学生以上になると「義務教育就学児医療費助成」などと制度名を変える自治体もあります。
赤ちゃんや子供が病気やケガなどで受診したとき、健康保険が適用される医療費の自己負担部分を補助してくれるという制度で、この助成を受けるには一定の条件を満たす必要があります。
助成を受けるための手続きを済ませることで、乳幼児医療証(マル乳医療証)がもらえます。乳幼児医療証と健康保険証を持って医療機関を受診すると、窓口で負担する医療費が無料になったり安くなったりします(※自治体や親の所得などによって補助の内容は異なります)。
乳幼児医療証をもらうための条件
乳幼児医療費助成を受けられるのは、その自治体に住んでいて、国民健康保険など各種健康保険に入っている乳幼児です。
対象となる乳幼児の年齢は自治体によって異なります。東京都中央区や神奈川県平塚市のように、中学3年生まで助成するところもあれば、神奈川県横浜市のように、中学3年生まで対象なものの小学校4年生以降は通院のみとするところもあります。
保護者の所得制限があるかないかも、自治体によって代わってきます。所得制限によってはそもそも助成の対象にならなかったり、無料でなく一部のみ助成になったりする場合もあります。
なお、生活保護や他の医療費助成(ひとり親家庭等医療費助成)などをすでに受けている場合は、重複して乳幼児医療費助成を受けられない自治体がほとんどです。
乳幼児医療証をもらうために必要な手続き
乳幼児医療証をもらうには、自治体の担当部署への申請が必要です。担当部署名は自治体によってさまざまですが、たいてい「子ども〇〇課」「子育て〇〇課」「年金保険課」といった名称であることが多いようです。詳しくは最寄りの役所に確認しましょう。
ここでは妊娠中と産後の二つに分け、乳幼児医療証の申請にあたってやっておくべきことをご説明します。
妊娠中にやっておくとよいこと
産後は新生児のお世話に追われて、ゆっくり時間をとれる可能性は低いでしょう。妊娠中にお住まいの自治体の乳幼児医療費助成について調べておくことをおすすめします。
たいていの自治体のホームページで情報が公開されているので、窓口までわざわざ足を運ぶ必要がありません。もちろん、気になることや不安なことがあれば、窓口で質問をする、あるいは電話で問い合わせる手もあります。
また、詳しくは後ほどご説明しますが、乳幼児医療証をもらうのに揃えるべき書類がいくつかあります。何が必要なのかも事前にチェックしておくと、産後の手続きがスムーズでしょう。
産後にやるべきこと
無事出産が終わって一段落ついたら、乳幼児医療証の申請をしましょう。段取りは次のとおりです。
- 子どもを健康保険に加入させる
- 自治体に必要書類を提出する
- 条件を満たせば乳幼児医療証が交付される
1.子どもを健康保険に加入させる
乳幼児医療証の申請には子供自身の健康保険証が必要です。そのため、まずやるべきなのは子供をパパもしくはママの被扶養者として申請し、健康保険へ加入させる手続きです。
基本的には、その子供を扶養する人と同じ健康保険に入ります。扶養者が勤務先の健康保険に加入しているなら、勤務先を通して加入手続きをします。扶養者が国民健康保険に加入しているなら、役所で手続きを行います。
必要な書類などは健康保険によって異なるため、詳細はそれぞれの窓口で確認しましょう。
2.自治体に必要書類を提出する
健康保険の加入手続きをして健康保険証が発行されたら、役所の担当部署へ行って乳幼児医療証の申請をしましょう。
申請に必要なものは次のとおりです。所得制限がある自治体、あるいは引っ越してきたタイミングによっては、あわせて課税証明書を提出しなければいけない場合もあります。
- 子供の健康保険証
- 印鑑(朱肉を使うタイプ。シャチハタなどゴム印は不可)
3.条件を満たせば乳幼児医療証が交付される
手続きが終了すれば乳幼児医療証が交付されます。届くのを待ちましょう。
なお、乳幼児医療証には有効期限があります。東京都のように毎年10月1日に更新されるところもあれば、神奈川県横浜市のように、子どもの誕生日の末日を境に更新されるところもあります。
乳幼児医療証の使い方
医療機関を受診するとき、窓口で健康保険証と一緒に乳幼児医療証を提示すればOKです。
住んでいる自治体内の医療機関であればその場で助成を受けられ、全額無料にならない場合は差額を窓口で支払います。薬局によっては薬の容器代を請求されることもあります。また、任意の予防接種の料金など保険適用外のものは助成されません。
もし帰省先や旅行先など、持っている乳幼児医療証の対象外となる医療機関を受診した場合は、いったん窓口で自己負担分を支払って領収書をもらっておきます。その領収書を自治体の担当部署へ持っていき、払い戻しの申請をすればよいでしょう。
乳幼児医療証は子育ての強い味方!
子供が小さいうちはよく熱を出し、感染症にかかることもあります。活発に動くにようになるとケガをする機会も増えるかもしれません。乳幼児医療証があれば金銭面の心配をせずに受診できるので、保護者としては安心ですよね。
乳幼児医療費助成は自治体によって制度の内容も手続き方法も大きく変わったり、助成の範囲が見直されたりすることもあります。自治体からのお知らせにはなるべく気を配っておくことをおすすめします。