シングルマザーとして生きると決めた際の覚悟
私がシングルマザーになると決めたのは子供たちが4歳、3歳、1歳の頃、ちょうど長女が年中さんに上がる年の3月末でした。まだまだ小さい子供たち。パパの存在も必要です。でも私はシングルマザーという道を選びました。
離婚したことには様々な要因がありましたが、そのうちの1つはパパが決して良いパパとは言えなかったことでした。子供たちにとっても離婚という選択肢が最善の策だと判断した結果、シングルマザーの道を選びました。
経済的な不安
私は仕事をしていましたがフルタイムのパート勤務で月収はあまり多くありませんでした。その上販売業だったため、土日祝や年末年始、GWは子供たちをおいて仕事に行かなければなりません。
実家が近かったことと父が3年ほど前に癌で他界してしまったことから、一軒家に一人で暮らしている母に一緒に住もうかと言われました。しかし、実家にはペットの犬が3匹いました。次女は犬アレルギーです。
私は一緒に住むことを諦め、4人で住むことができそうな賃貸マンションを借りることにしました。2LDKのマンション、都内なので家賃も安くはありません。
そこで私は離婚して3ヶ月したころに転職しました。今までやったことのないデスクワーク、お給料は休みが増えた分あまり変わりませんでしたが、なんといっても土日休みなことが魅力的でした。自分の少ないながらのお給料と母子手当で4人生活がスタートしました。不思議なことに大きな不安はなく、もうやるしかないんだ!と腹をくくっていた自分がいたことを思い出します。
それでもやはり安定するまでお金がなくて、毎日レトルトカレーを食べていた時期もありました。お刺身が食べたいといった長女にこんにゃくのお刺身を買ってあげたこともありました。
でも子供たちは笑顔でした。かわいいかわいい笑顔を私にみせてくれました。毎日3姉妹でニコニコごっこ遊びをする姿をみて何度救われたかわかりません。
精神的な不安
もちろん精神的に辛いときは何度もありました。ただでさえ手のかかる未就学児3人です。イライラすることもありました。イヤイヤ期の娘たちにカーッとなって怒ってしまうこともありました。
でも子供たちはいつも私に言います。
「ママのこと大好き」
みんな口をそろえてそう言うのです。理由まで一緒につけて。
長女「だってママってご飯作るの上手なんだも~ん」
次女「だってママってかわいいんだも~ん」
三女「だってママひまちゃんしゅきー」
私も子供たちのことが世界で一番大好きです。
どんなにイライラしてもどんなに怒ってしまっても私は子供たちのことを一度たりとも嫌いだと思ったことがありません。寝顔を見て反省する日も何度もありました。
パパがいなくたってママの愛に溢れた子供たちはきっと幸せになれるんだと信じて、私は毎日子育てをしています。
シングルマザーの1日
私の朝は5時半からスタートします。
5時半に起きて保育園の支度や子供たちの朝ごはんの準備、6時半~7時の間に子供たちを起こします。比較的スムーズに起きてくれる長女、全然起きない次女と三女。ここでも個性が出ていますね。着替えさせて大急ぎでご飯を食べさせ、7時半頃、保育園へ連れていきます。酷い時は、三女をおんぶして次女を抱っこしてダッシュします。
母は逞しいですね。登園させた後は駅まで急ぎ、電車で1時間強かけて会社に出社します。9時から17時まで勤務したあとには保育園に迎えに行き、帰宅。その後に食事の用意を始めます。この時点で19時くらいです。
19時半頃から食事をし、20時半頃にお風呂に入れます。21時には布団の中へ…の予定なのですがその中でも色々なことが起きますので中々上手くいきません。
でも上手くいかなくて当たり前なのです。だって子供だから。
「お茶をこぼした~お片付けが終わらない~○○ちゃんがつねった~うぇ~ん」
でも大変なのは今だけで、きっとこんな時期が懐かしくなる日がやってくるのかと思うと、この今の大変な時期が愛しくて仕方なくなります。慌ただしい毎日で子供との時間が取れない日も少なくありません。
でもそんな時は子供たちが悲しい顔をしていないか、笑っているかどうかを確認します。子供たちが笑っていればそれでOKなのです。
「時間を取ってあげられなくてごめんね」という気持ちを抱きながら…。笑顔は子供たちの元気を表すバロメーターです。
周りの人の存在
シングルマザーとして子育てをしていく中で私が大切にしていきたいことがあります。それは「自分を取り巻く周りの人の存在」です。
昔は一匹狼で誰にも頼らない!と思っていたこともありましたが、今は周りの人との関わりや、常に感謝の気持ちを忘れずに生きていくということを大切にしています。
母の存在
母が近くに住んでいると上記で述べましたが、母もフルタイムで仕事をしています。
昔はたくさん喧嘩しました。たくさんぶつかりました。でも今は良き相談相手であり、一番の理解者です。父が癌で他界し、同時期に母にも癌が見つかりました。
私が離婚すると言ったときに「何も言わないけど助けてあげられないからね」と母に言われました。この言葉には色々な意味が含まれているんだと思います。
もちろん一人で育てていくつもりで離婚したので、「大丈夫」と返答しました。
そう言いながらもいつも助けてくれたり支えてくれたりしているのが母です。
父と母の病気を経て、命の大切さも改めて感じることができました。なので母と子供の成長を単純に喜べるのも私にとって大切なことだと思っています。
これからも母と一緒に、子供たちのうれしい成長や可愛い姿を共有しながら過ごしていきたいと思っています。
長女の存在
母子家庭だとわかっている長女は5歳とは思えないお手伝い力を発揮してくれます。月曜日から金曜日まで働いている私は土曜日どうしても朝早く起きることができません。そんなときは知らぬ間に長女がおにぎりを作っていてこう言ってくれるのです。
「ママ疲れてるんだから寝てて良いよ!私がおにぎり作って妹たちに食べさせておいたから」
起きるといびつな形のおにぎりにのりがちゃんと巻いておいてありました。
「ママの分はこれだよ」と渡してくれたときは涙が出るほどうれしかったです。
洗い物や洗濯物を畳むこと、妹の世話もたくさんしてくれます。妹の世話はそれこそなんでもやってくれます。トイトレやオムツ替え、歯ブラシ後のうがいや抱っこ、おんぶまでなんでも。妹達も、特に三女は長女のことが大好きです。
毎日ママのお膝や抱っこの取り合いをする娘たち。いつも長女は後回し。手を繋いで歩くとき、ママの手は2本しかありません。いつもママと手を繋ぐのは次女と三女。自転車の前後ろに乗るのも次女と三女。長女は自分の自転車に乗っています。
たくさん我慢している長女、たった5歳でたくさん頑張ってくれている長女。なので私はいつも長女の日を作っています。長女といっぱい触れ合う日。長女のわがままをたくさん聞いてあげる日。
私が頑張れるのは長女の頑張りがすぐそばにあるから。こんなに小さな体でたくさんのことを抱えて、多くのものを背負っているのだから「私も頑張らないと」と駆り立てられます。
いつもありがとう。
娘たちへ
娘たちは私にとって何にも代えられない宝物です。自分自身色々なことで精いっぱいになってしまい、涙を流す姿をみられてしまうことも少なくありません。
でも一緒に泣いたり笑ったり、娘たちと毎日元気に生活できていることに日々感謝しています。そしてスクスク大きく育ってくれている子供たちへも感謝しています。
そんな娘たちへの思いを少し綴っていきたいと思います。
長女へ
いつもお姉さん頑張ってくれてありがとう。
まだまだ小さい体にたくさん負担をかけさせてしまって本当にごめんね。あなたがいたからママは今まで頑張れたんだよ。
あなたは色々なことに敏感でママの表情を良くみているね。ママが疲れていたり怒っていたりする姿を、一番近くで見てくれているのがあなたです。でもそんなに人のことばかり気にしていたら疲れてしまうから、あなたにはもっと自分らしく生きて欲しいよ。
あなたを初めて出産したときにママは「この子を何があっても私が一生かけて守っていくんだ」って決めたんだよ。今でも忘れません。
心から愛しています。
次女へ
次女はいつも周りを和ませてくれるムードメーカー。
1935gという小さな体で生まれた次女。ただただ、大きく育ってくれていることがママにとっても喜びです。
3姉妹の中で一番身体が弱く、アレルギーもある次女。物事を楽しむことに常に全力で、毎日あなたがニコニコ笑ってくれているだけで救われます。
スーパーでひっくり返って泣いてしまう時期もあったけど、きっとどこかで寂しい思いをしていたんだよね。
きっとうまく言葉で伝えられないなにかがあったんだよね。
あの頃はママもイライラしてしまって気付いてあげられなくてごめんね。優しさで包み込んであげられなくてごめんね。
ママ、頑張るからこれからもたくさんの笑顔をみせてね。
三女へ
末っ子で、甘えん坊で、可愛くて可愛くて仕方がない三女ちゃん。
1歳半くらいからペラペラおしゃべりが始まって、ママは本当にびっくりしたよ。いつもかわいい言葉で周りを和ませてくれるあなたのことがママは愛しくて仕方ないです。
シングルマザーになると決めたとき、パパはまだ小さかったあなたに対しては、とっても優しいパパだったから、そんなあなたからパパをとってしまったということが一番気がかりでした。
でもあなたはママやお姉ちゃんたちの愛情をたっぷり受けてきっと幸せになれると信じているよ。これからもいっぱい楽しいことをしようね。
「ありがとう」の気持ちを大切に
シングルマザーであることで、運動会もお遊戯会もパパは来ません。子供たちにとっては一大イベント。「よく頑張ったね~えらかったね~!」と周りのお友達がパパとママに褒められています。でも私の子供たちにはママしかいません。
私は3人を抱きしめて同じセリフを子供たちに何度も言います。私が2倍褒めてあげれば良いんだから。私が2倍抱きしめてあげれば良いんだから。
すると子供たちは私の腕の中で満面の笑みを見せてくれます。パパはいないけど喜びは2倍です。3人いるので6倍です。
精神的にとても辛いときもあります。一人で葛藤をかかえていることもあります。将来子供たちが大きくなったときに私一人で支えてあげることができるのか、経済的な不安ももちろんあります。
でも私が頑張れるのは周りの人たちの支えがあるから、子供たちの笑顔があるから、私は前を向いて歩くことができます。一人で子育てするぞ!と意気込んでいても必ず壁にぶつかります。そんなときは一人で抱え込まずに周りの手を借りることも大切なのです。ポジティブな思考に変えることができるだけで前に進めることもあります。
いつも支えてくれるお母さん、ママ友や昔からのお友達。そして子育てを理解して働かせてくれる職場に、子供たちを預かってくれる保育園の先生。
私を取り巻くすべての方に、「ありがとう」という感謝の気持ちを忘れないように。