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取材協力:すばる舎リンケージ

子供を知るきっかけに!発達障がいのある子供が楽しめる遊びをご紹介

子供の成長とともに気になる発達障がいには、様々な症状があります。子供によって、違う症状になるので、ママも理解するまでに時間がかかります。特に、我が子がどんなものに興味があるのかわからずに、悩んでいるママもいると思います。そこで、児童精神科医の佐々木正美さん監修のもと、臨床心理士の木村常雄さんが執筆した『発達障害のある子が楽しめるあんしんあそび』をもとに、発達障がいの基礎知識と、子供の興味を知るためにまず試したい遊びをご紹介していきます。

PIXTA

発達障がいで悩んでいるママへ

子供の発達障がいは、ママがなかなか受け入れられず、「我が子がなぜ…」と思い悩んでしまうこともありますよね。子供とうまくコミュニケーションができないこともあるため、どうすればよいかわからなくなってしまうこともあるでしょう。

女性専用のQ&Aサービス、ママリQでも子供が発達障がいの可能性があるということで悩んでいるママがいました。

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子育ての中で、子供の成長を感じることができる瞬間は、何にも代えがたい嬉しいものです。しかし、発達障がいの場合はなかなか成長を感じることができずに、ママの心に大きな不安が押し寄せてきます。

確かに、周りと比べると成長の速度は遅いかもしれませんが、発達障がいを正しく理解した上で子供と向き合うことで、少しずつできることが増えていき、子供それぞれの魅力をのばしていくことができます。

誰よりも我が子と真剣に向き合っているママ。安心してください。発達障がいの特徴を理解し、子供に合わせた関わり方をするだけで、楽しく遊ぶことができますよ。

発達障がいの子供と遊ぶ前に知っておきたいこと

遊ぶ PIXTA

一般的に、子供と遊ぶ時には危険がなく、楽しい雰囲気で、子供の発達を促すことができように考えると思います。発達障がいのある子供と遊ぶ場合は、それに加えて、遊びが日常生活や対人関係に支障をきたさない題材・方法であるかを考える必要があります。そして、「発達水準」「本人の興味・関心」「感覚の特徴」の組み合わせを考えます。この3つは、どれかが欠けているとうまく遊ぶことができなくなる重要な要素です。

発達水準とは

運動、認知、言語、操作などの能力が子供の年齢相応かどうかということです。つまり、発達が全般的にゆっくりなのか、あるいは発達にでこぼこがあり能力が偏っているかなどです。遊びのレベルを子供の発達状況に合わせることで、子供は遊びを楽しめることができます。

本人の興味・関心

発達障がいの有無に関わらず、子供は興味・関心のあるものを好んで遊びます。しかし、特に発達障がいのある子供たちには、特殊なもの、一般的に思いつかないようなことに興味・関心を示したり、同じことを繰り返したりするため、興味・関心の幅が広がらないことがあります。

感覚の特徴

発達障がいの子供たちは、視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚などが、敏感だったり鈍感だったりすることがあります。これらの感覚は、コミュニケーションはもちろん、周りの情報を受け取ることが難しくなります。

例えば、触覚が敏感で手をつなぐことが難しいなどの特徴があります。ママにとって、少し悲しく感じることもあるかもしれませんが、本人の努力だけではどうにもならないことです。

このことをまずはママが理解して遊び方や活動をコントロールしないと、子供自身にはやる気があるのに、「わざとやらない」と誤解されてしまうことがあります。

子供の興味がわからないママへ。まず試したい遊びをご紹介

発達障がいの子供には、周りの子供たちと違った特徴を持っています。決して、そのことが悪いことではありません。周りと違うため、ママが発達障がいと子供についてをしっかりと理解する必要があるだけです。

子供と触れ合う中で、どのように反応して、遊びをどう捉えているのかを、子供の視点で見るようにすることが大切です。「この子はいつもこうだから」「発達障がいだから」というように大人自身が決めつけずに、子供の視点になって考えましょう。

まずは、ママが子供の興味・関心と感覚の特徴を理解できるように、色々な遊びを試してみると良いです。子供の様子を観察しながら、ママも一緒に真剣に取り組むことが大切です。それでは、最初のステップとして参考になる様々な遊びをご紹介してきます。試しながら、子供の反応を伺って、子供の興味・関心などを探っていきましょう。

持ち歩きカードあそび(視覚を使った遊び)

©大葉リビ

キャラクターや乗り物、ロゴマークなど特定のものが好きな子や、じっと待つことが苦手な子供におすすめの遊びです。外出時の待ち時間を安心して過ごすことができるようになり、子供一人でも落ち着いて遊べるでしょう。

遊び方

  1. カードを子供が注目するように見せます。(擬音を発しながらめくってママがモデルを示します)
  2. 子供が興味を示しているようであれば、イスに座ることを促して、カードを渡します。
  3. しばらく自由にやらせます。かじったり舐めたりするようであれば、口から出させますが、あまりに口に入れるようであれば、カードは終了にします。

準備するもの

  • キャラクターや乗り物、ロゴマークなどの切り抜き
  • 厚紙(切り抜きの台紙)
  • はさみ
  • のり
  • 穴あけパンチ
  • カードを止めるリング

カードの作り方

  1. 子供が好きなキャラクターや乗り物、ロゴマークを、持ち運びしやすいように、手のひらサイズで切り抜き、集めます。
  2. 切り抜きを手のひらサイズの厚紙に貼ります。左上にパンチで穴を開けて、カードを綴じられるようにしておきます。
  3. 5〜6枚程度で1冊として綴じます。何冊かあると便利です。

※カードをラミネートや食品用ラップフィルムなどで包んでおくと、紙が傷みにくく長く使えます。

楽しく遊ぶポイントとして、子供自身がカードを見るときは、イスに座ることを促すとより集中して取り組むことができます。促す時には、言葉だけでなく、座るイスをポンと叩いて示しましょう。また、子供がカードを口に入れたときは、黙って口から出させて、めくったりする動作に戻るように促します。「ダメ」などと禁止をしないで、やり方を示すことが大切です。

たたいてドンドン(聴覚を使った遊び)

©大葉リビ

音楽や楽器が好きな子や、集中して音や音楽を聴くことができない子供におすすめの遊びです。この遊びを通して、音に注目し、真似をして自分で音を出すことで、音楽や話に注目できるようになったり、楽器の演奏に興味を持つことができるようになったりします。うまくコミュニケーションをとることが難しいという子供には、試してみると良いでしょう。

遊び方

  1. 太鼓を見せて、音楽にあわせてママが太鼓をたたいてモデルを見せます。子供が興味を示したら、バチを1つ渡して、一緒にたたきます。また、子供に無理にやらせるのではなく、太鼓の音に強弱を示して関心を持たせましょう。
  2. 子供が太鼓を一人でたたけないようであれば、ママが横に並んで、一緒にたたいてみます。なお、バチが持てないようであれば、タンバリンを手でたたきましょう。
  3. 次に、音楽にあわせて太鼓をたたきます。リズムにあわせてたたくのを見せてから、交代して子供にたたかせます。(リズムがあっていなくても、曲が終わった時に、たたき終われたらよしとします。)

準備するもの

  • おもちゃの太鼓(または、タンバリン)
  • 音楽プレイヤー
  • 「おもちゃのチャチャチャ」「きらきら星」など、繰り返しのリズムがある曲

1曲終わったら、終わりをはっきり宣言して、続ける時には「もう一回」とはっきり区切ってから始めるようにしましょう。また、音に敏感で太鼓の音に極度に反応してしまう子供の場合は、CDのボリュームを落として、太鼓もそっとたたいて小さな音にしてみます。それでも反応するようであれば、中止します。

他にも、太鼓の上に小さな紙や小豆などを乗せて、たたいた時に振動を目で確かめてみるのも楽しいです。

小麦粉粘土作り(触覚を使った遊び)

©大葉リビ

色々なものに触ることが好きな子供や、水遊び・砂場遊びが好きな子供におすすめの遊びです。また、触覚が敏感でサラサラやベタベタした感触が苦手な子供に、そういった感覚を慣れさせる練習にもなります。

小麦粉粘土を作っていくことで、小麦粉と水が変化していく様子を実感でき、子供の興味・関心の幅を広げることができます。

遊び方

  1. サラサラの小麦粉をサラダボールにあけて両手で触りましょう。(粉だらけにならないように、周りにはこぼれてもいいように新聞紙を敷きます。汚れてもいいように、子供にスモックやエプロンを身につけさせましょう。)
  2. 徐々に水を加えて、かき回していきます。小麦粉がモチモチしてきたら、塩とサラダ油を加えます。こうすることで腐りを防ぎ、小麦粉に滑らかさが出て、手にもつきにくくなるので扱いやすくなります。
  3. 小麦粉が粘土状になったら、用意しておいた板の上に移します。小麦粉粘土を触って、こねて、たたいたり、伸ばしたり、広げて板状にしたりして、塊にします。この時に、「ヨイショ」や「ペタペタ」などの声かけをしながらこねると子供と一緒に楽しめます。
  4. 穴をあけたり、フォークで刺したりします。さらにできれば、お皿に盛ったり、容器から出し入れをしたり、食べるマネ、よそうマネなどをしたりしておままごとをします。おままごとに発展しない場合は、色々な形に型抜きをして、並べたり転がしたりしましょう。
  5. 丸めてお団子、伸ばしてヘビなど、ママがモデルを示して、色々なものを作ってみましょう。さらに、子供の関心に合わせて、乗り物や動物などの形を作って見せ、一緒に作ってみましょう。

準備するもの

  • (小麦粉粘土の材料)小麦粉:カップ2杯
  • (小麦粉粘土の材料)塩:大さじ1杯
  • (小麦粉粘土の材料)サラダ油:大さじ1杯
  • (小麦粉粘土の材料)水:カップ3/4杯
  • サラダボール
  • 食品用ラップフィルム
  • 小麦粉粘土を置く板
  • 麺棒
  • クッキーの型抜き
  • フォークやスプーン
  • 新聞紙
  • ままごとセットなどのおもちゃのお皿や四角い容器
  • 汚れてもいいようなスモックやエプロン

遊びの中で注意したいこと

触ることが苦手な子供には、様子を見せたり、食品用ラップフィルムを小麦粉粘土にかけたりして、子供が触りやすいように工夫してあげましょう。また、コネコネして形を作ることが難しそうな場合は、麺棒で伸ばして板状にして、型抜きを使って遊ぶようにすると楽しめます。あくまで、何かを完成させるというよりも、小麦粉が粘土状に変わる感触や、小麦粉粘土の形を変えられることを楽しむようにすることが大切です。

他にも、小麦粉粘土と言えども、生の小麦粉なので口に入れることは極力避けるようにしましょう。そのときは、「ダメ」とは言わずに、「ペッペッだよ」と出すことを促すようにしてください。子供がうまく出せたら、褒めてあげてくださいね。

ブランコに乗ろう!(全身を使った遊び)

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外遊びが好きな子供や揺れる動きが好きな子供におすすめの遊びです。揺れなどが苦手な子供の練習にもなります。ブランコに乗ることで身体のバランスをとって姿勢を保つことができるようになり、親子で向き合って遊ぶので、人と向かい合うことが苦手な子供の練習にもなるでしょう。

遊び方

  1. 公園などでブランコに乗っている子供の様子を見せ、関心がありそうなら乗せてみます。
  2. ママのサポートは正面から行います。途中で手を離さないように「ギュッギュッ」と言って手の動きを見せます。
  3. 揺らすのに合わせて、数を数えたり、歌を歌ったりします。終わるときは、「1、2、3、止まります」などと言って終わります。
  4. 一旦止めてからも、子供がもっとやりたがるのであれば、「もう一回」と、言葉(聴覚)と指(視覚)で示して、手順2と同様に行います。

準備するもの

  • 公園などのブランコ
  • お出かけする時の持ち物

遊びの中で注意したいこと

ブランコに乗ること自体が嫌な場合は、「たかいたかい」などの別の遊びを誘いましょう。無理にやるのではなく、まずはできることから始めることが大切です。また、ブランコに乗ることができても、揺れを怖がるようであれば、無理に揺らさず、ブランコに乗っただけで終わりにしても大丈夫です。

転落をしてしまうと、恐怖感を覚えてしまう恐れがあるので、しっかりと手でうまく握れるようにしたり、背もたれのあるブランコを利用したりしましょう。手で握れない場合は、ママが子供の手を上からおさえて、揺らしてあげると良いです。

ラップの芯で「もしもし」あそび(言葉を使った遊び)

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お話をすることが好きな子供におすすめの遊びで、コミュニケーションが苦手な子供には練習にもなります。この遊びを通して、話に集中したり、声を出したりするので、話を聞く受け身の姿勢が身につき、コミュニケーションの中での役割交代がわかるようになります。

遊び方

  1. 子供がラップの芯に興味を示すように、耳元で「ワーワー」「もしも〜し」などラップの芯を通して声かけしてみましょう。
  2. 子供の耳元で電話のように話をしたり、声を大きくしたり、小さくしたりして話しかけてみましょう。
  3. 次に、子供の口元にラップの芯を持っていき、子供がラップの芯を通して話をするのを耳にあてて聞きましょう。
  4. 今度は交代してママが話をして、また交代してを繰り返します。

準備するもの

・使い切った食品用ラップフィルムの芯

遊びの中で注意したいこと

子供がラップの芯に興味を示してくれなければ、芯をたたいたり、動物の鳴き声をマネしたりして、子供の興味があるものを試してみましょう。興味を示して、発声してくれるようになったら、相槌をうったりして答えてあげることが大切です。ちゃんとした言葉を使って会話にすることは難しい場合は、声を発してやりとりすることを目指して、会話の基本姿勢を覚えられるようにサポートしてあげましょう。

ダンボール電車(見立てる遊び)

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電車が好きな子供や動き回ることが好きな子供におすすめの遊びです。この遊びを通して、ルールに沿って歩いたり、走ったりすることの練習ができます。また、ダンボール電車遊びは、服装や小道具を使うことでさらにクオリティーを高められるので、子供が興味のあることをより深く楽しめるようになります。

遊び方

  1. ママが、作ったダンボール電車を抱えて自由に歩き回ります。
  2. 子供が興味を示すようなら交代して、子供にダンボール電車を抱えさせます。ママは「ガタンゴトン」などの音を声に出して言いましょう。
  3. 子供が歩き回っているのであれば、「乗せて」とダンボール電車の後ろにママがつかまって、一緒に歩きます。
  4. 終わりにする時には、「もう終わります。駅で降ります。」など事前の予告をしておきます。そして、「駅に着きました。降りてください。」などの言葉で、子供をダンボール電車から出るように促します。

準備するもの

  • ダンボール箱
  • ひも(30cmくらいのものを2本)
  • 画用紙
  • セロテープ
  • マジック
  • ビニールテープ

ダンボール電車の作り方

  1. ダンボール箱の底を抜き、箱の内側に入れ込みます。
  2. ダンボール箱の外側の各面に画用紙をはり、電車の正面、側面、後面をマジックで自由に描きます。子供が興味を示さない場合は、ママがやってしまいましょう。
  3. ダンボールの側面に、持ち手として穴を開け、紐を通します。

遊びの中で注意したいこと

子供が転ばないように、周りのものや床に置いてあるものを片付け、スペースを確保しましょう。また、動き回る遊びなので、前を良く見るように声をかけてあげると良いです。遊びを終わらせるときは、「駅」「終電」「車庫」などの言葉を使って終わりに誘うと、より電車遊びを車掌さんになりきって楽しむことができます。

色々な遊びを試すことで、子供のことを深く知っていきましょう!

発達障害のある子が楽しめるあんしんあそび

子供の新たな一面を知ることは、とても幸せなことです。発達障がいがあるからと言って、決してそれがなくなる訳ではないです。発達障がいのことを知り、今回ご紹介した遊びを通すことで、子供が興味・関心のあるものや苦手なものを知っていくことができます。うまくいかないことも多くあり、失敗を繰り返してしまうことがあるかもしれません。けれど、色々なことを試していくことが、一歩一歩子供のことを知っていくことになりますし、子供も少しずつ成長していきます。ママもガス抜きをしながら、子供と一緒に小さな一歩の繰り返しを積み重ねていくことが大切です。

『発達障害のある子が楽しめるあんしんあそび』という本では、発達障がいを持つ子供との遊び方についてカテゴリーごとに具体的な遊び方も紹介されているので是非参考にしてみてください。今回ご紹介したもの以外にも、お子さんの好きな遊びもあるかもしれません。

本でご紹介している遊びはほんの一部ですが、子供との遊びが今以上に大人自身を「発達」させられるような機会となれば嬉しいですね。

発達障害のある子が楽しめるあんしんあそび

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