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監修:清水なほみ

【医療監修】妊娠初期の中絶はいつまで?週数によって異なる手術の方法とリスク

PIXTA

中絶手術後の注意点

横になる PIXTA

初期中絶の手術は、基本的には入院をせず日帰り手術となります。手術を行う際は麻酔を使用するため痛みや苦しさはありません。

しかし、術後しばらくは出血や痛みが出ることもあり医師の指示のもと安静に過ごすことが大切です。また、感染症を予防するために内服薬が処方された場合は必ず飲みきるようにしましょう。

  • 外陰部を清潔にする
  • 入浴は中絶手術を受けた当日は控える
  • 出血があるときの入浴はシャワーだけにする
  • 飲酒や性行為は医師の許可が下りるまで控える

その他、出血が長引く、発熱や下腹部痛といった症状がある場合は、指定された診察日に関係なく病院を受診してください。

また、体の回復を考えて術後数日間は仕事や学校を休むようにしましょう。

出典元:

中絶手術がもたらすリスク

女性のお腹 PIXTA

初期中絶で行う吸引法と搔爬法は、母体保護法の指定医が行うため安心して手術を受けることができますが、少なからずリスクがあるという点を理解しておく必要があります。

  • 子宮に子宮内容物が残ってしまう可能性がある(吸引法の場合)
  • 子宮を傷つけてしまう可能性がある(搔爬法の場合)
  • 感染症が起こる可能性がある
  • 子宮頸管損傷(しきゅうけいかんそんしょう)が起こる可能性がある
  • まれに子宮穿孔(しきゅうせんこう)が起こる可能性がある

子宮頸管損傷は、急激な子宮頸管拡張などによって起こる症状です。子宮頸管が損傷すると、術後に症状が出なくても次回の妊娠時に陣痛を伴うことなく子宮頸管や子宮口が開いてしまう「子宮頸管無力症(しきゅけいかんむりょくしょう)」になる可能性があります。

また、中絶手術においてごくまれに子宮壁に穴があいてしまう「子宮穿孔(しきゅうせんこう)」が起こる可能性があります。

穴が小さければ自然にふさがりますが、大きい場合は開腹手術で穴をふさぐ必要があります。

出典元:

できるだけ早めに病院へ

森 PIXTA

妊娠初期での中絶は11週6日までと決まっており、その後は中期中絶となります。中期中絶になると中絶の方法が変わり、陣痛を誘発して分娩の形で中絶を行うため、母体への負担も増す可能性があります。

中絶をすると決めた場合は、初期の手術が可能な期間内に病院を受診して医師に相談するとよいでしょう。そして術後は回復するまでは、ゆっくり体を休めるようにしてくださいね。

また、体への負担以上に精神的な負担が大きいことが多く、術後に体調不良が出たり、10年以上経ってから手術に対する感情のしこりが別の病気のきっかけとなったりすることもあります。

術後は早い段階でメンタルフォローも受けるようにした方がよいでしょう。

記事の監修

ポートサイド女性総合クリニック〜ビバリータ〜 院長

清水なほみ

通常の婦人科診療のみならず、最新の脳科学×心理学×医学を統合的に駆使した診療を行う婦人科医。日本で100名しか習得者がいない、トランスフォーメーショナルコーチのテクニックを学び、診療の現場においても、3年間で延べ6000人の患者に同テクニックを用いて診療を行っている。
中学時代のいじめや研修医時代のうつ経験から、「病は気から」を科学的に解明するための研鑽を積む。何気ない会話の中で患者に気付きを与え、片頭痛やイライラをあっさり「忘れさせる」診療には定評がある。5分で病気の「本当の原因」を見抜くため、患者からは「先生は占い師ですか!」と驚かれる。

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