妊娠中は子宮内の粘膜に炎症が起きやすくなるため、セックスや内診時の刺激が原因となりおりものなどに出血が見られることも。おりものに茶色の出血がまじる程度なら問題ありません。
万が一出血が長引く場合は、健診時に医師に相談を。精子が早産を促す要因になる場合もあるため、妊娠中のセックスには必ずコンドームを使用しましょう。
子宮疾患による出血
腟部びらん
子宮の入り口、腟部の表面の粘膜が赤くただれる状態です。皮膚が薄いため、炎症は不正出血が生じやすく、少量の出血がおりものに混ざることが多く見られます。
生理的なもので、成人女性の50%に見られます。炎症を起こさなければ、ほとんどのケースで治療は不要。経過を観察します。
ポリープ
良性の腫瘍で、妊娠の全期間を通じて起こります。大きさは米粒大から親指大まで。ほとんどは無症状で、おりものに出血がまじる程度。ポリープができる位置や大きさによっては、妊娠中に医師の判断で切開手術を行うケースもあります。
子宮筋腫
子宮壁の筋肉がこぶ状に固まった良性の腫瘍。複数個できることもあり、数や大きさやできた場所によって出血などの症状が異なります。子宮の内側、子宮の筋肉のなかにできた場合は、不正出血の原因に。
妊娠中に大きくなることもあるので観察を続け、出産をしたあと、必要に応じて治療します。
子宮頸管の炎症
細菌感染などによって腟や頸管が炎症を起こす状態。出血量はおりものに血が混じる程度。放っておくと早産の原因になることもあるので、飲み薬や軟膏、腟剤などで治療します。
尖圭(せんけい)コンジローマ
ヒトパピローマというウイルス感染により、性器や肛門の周りに尖ったイボができ、排尿や排便時に痛みや出血が出ます。赤ちゃんの成長を阻害することはありませんが、出産時に赤ちゃんがイボに触れると母子感染する可能性があるので、帝王切開になることも。
ヘルペス
外陰部などに単純ヘルペスウイルスが潜伏し、水泡やかぶれができ、それが悪化すると出血することも。産道感染により、赤ちゃんが肺炎や脳炎を起こす危険性があります。抗ウイルス薬の注射や内服薬、軟膏などで治療します。
出血があった際の対処法










