【医療監修】妊娠5週目は胎嚢確認ができるようになる時期。妊婦に出やすい症状と胎嚢の様子

妊娠5週目の妊婦に出やすい症状

妊娠5週目は生理予定日から1週間ほどたった時期で、毎月の生理予定日を把握している方であれば、生理が遅れていることに気づくでしょう。

妊娠5週目は、市販されている妊娠検査薬で陽性反応が出る時期です。また、つわりや眠気、だるさといった妊娠初期症状が出始める方もいるでしょう。

つわり・吐き気が出始める

妊娠5週目は、吐き気や食欲不振などのつわり症状が出てくる頃です。においに敏感になり、今まで大丈夫だったにおいを受け付けなくなることがあります。また、好きだった食べ物が食べられなくなるなど食の好みが変わることもあるでしょう。

つわりは空腹時に気分が悪くなることが多く、症状がひどい場合は水分も吐いてしまうこともあります。そのようなときは、我慢せず早めに病院を受診するようにしましょう。

つわりがつらいときは、飲食ができる状態であれば無理のない範囲で食べられるもの、飲めるものを摂取するようにしましょう。

症状がひどく食べ物や飲み物を受け付けない場合は、病院で治療が必要になることがあります。

胸が張る

妊娠すると、女性ホルモンが乳腺を刺激することによって胸が張ってきます。生理予定日前あたりから乳房の張りや痛みを感じる人がいます。

妊娠初期の症状は人によって強く感じる方もいれば、まったく感じない方もいます。それまでは何ともなかったのに、妊娠が分かった途端症状が出る方もいるでしょう。

眠気・体のだるさ

妊娠すると眠気や体のだるさが現れることがあります。妊娠初期に起こる眠気や体のだるさは、黄体ホルモンの働きによって基礎体温が高い状態が続くために起こるものです。

仕事や家事が手に着かないほどの眠気やだるさが出てしまう場合もあるため、体調があまりよくないときは横になって休むなど無理をしないようにしましょう。

妊娠すると、眠気やだるさが出ることでやる気が起こらないという日があるかもしれません。しかし、焦ったり罪悪感を抱いたり必要はありません。ゆっくり体を休めましょう。

情緒不安定になる

体内のホルモンバランスが乱れることによって情緒不安定になりやすい時期です。急にイライラしたり、落ち込んだりと生理前に起こるような不安定な精神状態に悩まされることがあります。

普段ならこのようなことでイライラしないのに…という場面で苛立ちを感じることや、何気ない一言で傷ついてしまうことがあるようです。無理をせず気持ちが落ち着くようなことを優先して過ごしましょう。

妊娠5週は初めて産婦人科を受診する頃

生理予定日を約1週間過ぎた頃から市販の妊娠検査薬を使用することができます。陽性反応が出た場合は、産婦人科を受診するようにしましょう。

産婦人科を受診するタイミングは、妊娠反応が確認できたら直ちにです。産婦人科を受診する目的は、エコー検査を受けて正常妊娠であるかどうかを確認するためです。

時期によっては早すぎでエコーで何も見えないこともありますが、異常に早く気づくためにも検査薬で陽性が出たら一度は受診しましょう。

初診で必要なもの

• 健康保険証
• 基礎体温表もしくは最終月経開始日のメモ
• 現金(妊娠を確認する検査を受けるため)

妊娠、出産における健診や検査には健康保険が適用されません。ただし、合併症などで保険が適用されることがあるため、保険証は必ず持参するようにしましょう。

健診の費用は病院によって異なりますが、初診時は妊娠を確認するための検査を行うため、現金は余裕をもって1万円～2万円程度持参しておくとよいでしょう。

また、内診をした際に少し出血することがあるため、生理用ナプキンを持参すると安心です。

受診した際の診察の流れ

• 問診
• 尿検査
• 体重や血圧測定
• 内診

問診では、最終月経や過去の妊娠、出産、流産、中絶の経験の有無などを問われます。最終月経がいつだったかによって出産予定日を算出するため、最終月経開始日や生理周期などをあらかじめ確認しメモしておくとスムーズに診察を受けることができます。基礎体温を記録している場合は、基礎体温表を持参するとよいでしょう。

内診では医師が膣の中に指を入れて、もう片方の手をおなかにあて、子宮の位置や形、柔らかさなどを診断します。また、経膣超音波検査で子宮内の胎嚢の有無を確認します。

妊娠5週目の胎児(胎芽・胎嚢)の様子

妊娠5週目に入ると子宮内に胎嚢を確認することができるようになります。妊娠5週目の胎児の様子をご紹介します。

胎嚢の大きさ

胎嚢とは、赤ちゃんを包んでいる袋のことです。胎嚢の大きさには個人差はありますが、妊娠5週から6週にかけて子宮内に16mm程度の胎嚢が見えるようになります。

胎嚢が確認できると異所性妊娠(子宮外妊娠)ではないと判断され、6週になると胎嚢内に胎児の芽である胎芽が見え始めることもあります。

体の部位が作られ始める

赤ちゃん自身の大きさはまだ2～3mmほどで、超音波検査でも姿を確認することはできないもののしっかりと成長しています。

妊娠5週目に入ると、脳や脊髄をはじめ目や耳、鼻といった体の各部位が形成されるようになります。妊娠7週頃には手足や心臓、血管などの形成も始まります。

妊娠5週目の注意点

妊娠5週目はまだ胎児の心拍が確認できない時期のため不安に感じる方もいるでしょう。妊娠5週目の注意点についてご紹介します。

乗り物(車・自転車)

妊娠中でも車の運転はしても問題ないとされています。安全運転を心がけ、体調がよくない日は運転しないようにしましょう。自転車での走行は、転倒してしまう可能性があるため妊娠中は避けた方がよいでしょう。

妊娠初期は体調の変化があるため車の運転をする場合は気を付けるようにしましょう。疲れを感じたら、休憩をはさんで無理のない運転を心がけてください。

市販薬

妊娠する前から慢性的に便秘や頭痛に悩まされている方は、市販の薬を服用していることがあるでしょう。

妊娠4週～7週頃は赤ちゃんの脳や神経組織が形成、発達する時期のため、薬の服用には十分な注意が必要です。自己判断での市販薬の服用は避けた方がよいでしょう。

持病やいつも服用している薬がある方は、医師に相談の上妊娠中でも服用可能な薬を処方してもらいましょう。

たばこ、飲酒

たばこや飲酒は妊娠が分かった時点でやめるようにしましょう。たばこに含まれているニコチンは、血液を収縮させる作用があるため、妊娠中に喫煙をした場合早産や低出生体重児となる可能性があります。

元々喫煙していた方は、妊娠を知らずにたばこを吸ってしまうことがあるかもしれませんが、妊娠がわかった時点で禁煙しましょう。

たばこは吸っている本人はもちろんですが、副流煙を吸うこともよくありません。家族で喫煙者がいる場合は、禁煙してもらうようにしましょう。

服装

妊娠5週目の段階はまだ子宮が大きくなっていないため、おなかも特に目立つようなことはありません。今まで着ていた服も十分着られるでしょう。

しかし、おなかや腰の張りといった症状が出ることがあるため、人によってはちょっとした締め付けが不快に感じる方もいます。ゆったりめの洋服を着るなどして調整するとよいでしょう。

靴は転倒を避けるためにヒールのある靴ではなく、滑り止めがついたスニーカーや靴底がフラットなタイプのものを選ぶとよいでしょう。

出血、腹痛

妊娠中おなかの痛みや出血が起こると不安になるものです。流産の兆候として腹痛や出血があります。以下のような症状が見られた場合は病院を受診した方がよいでしょう。

• 出血
• ピンク色や茶色のおりもののような出血
• 継続する腹痛

出血が少量の場合や軽度の下腹部痛が起こっている場合は、切迫流産の可能性があります。切迫流産は流産の可能性がある状態で、状況に応じて入院や自宅安静が必要となることがあります。

体調の変化に戸惑う時期、リラックスして過ごしましょう

妊娠5週目は生理の遅れに気づき妊娠がわかる時期です。早い人ではつわりや眠気、だるさといった妊娠初期特有の症状が出てくる方もいて情緒不安定にもなりやすくなります。

気持ちが落ち着かないときは、誰かに相談するなどしてため込まないようにしてください。妊娠反応が出た時点で一度産婦人科を受診した方が、ちょっとしたことも相談できる窓口ができるため安心です。早めに分娩予約を取って妊婦健診先も決めるようにしましょう。