妊娠4週目の妊婦の様子とおなかの大きさ
妊娠4週目とは、生理予定日から一週間遅れまでの期間のことです。毎月同じ周期で生理が来ている方であれば、生理が遅れている事に気付く時期でしょう。妊娠検査薬でも陽性反応がで始めるようになり、「妊娠してるかも?」と思う方もいるかもしれません。
では、妊娠4週目とはどのような時期なのでしょうか?妊婦さんに起こりやすい主な症状をご紹介します。
- フィオーレ第一病院「妊娠の計算の方法」フィオーレ第一病院(https://goo.gl/RZB5jh)
- 山本産婦人科「妊娠初期の出来事」山本産婦人科(http://www.yc-tsu.jp/dekigoto/ninsin/nin_4.html)
妊娠検査薬で陽性反応が出始めます
妊娠4週目はちょうど生理予定日の週になるので、生理予定日から使用できるタイプの妊娠検査薬であれば陽性反応が出るでしょう。
妊娠検査薬は、尿中に含まれるhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)ホルモンが含まれているかどうかによって判定されます。
一般的な妊娠検査薬はhCGが50mIU/ml以上であれば陽性反応となり、この量に達するのは生理予定日の1週間後以降とされています。
生理予定日から測定できる妊娠検査薬であれば、25mIU/ml以上のhCG量で陽性反応となります。
妊娠検査薬の陽性反応に関する体験談
早すぎて胎嚢のうっすら確認できて再検査に来るよう言われました。
妊娠4週5日目を越えれば、胎嚢が確認できる妊婦さんもいますので、妊娠検査薬で陽性反応なら、一度病院へ行って検査を受けましょう。
子宮内膜が厚みを増します
子宮内膜は排卵期から生理直前までに8mm~10mm程度の厚みが出てきます。この厚みが8mm以上であれば受精卵の着床が可能になります。
エコーで確認した際に、子宮内にはまだ胎児の元となる胎嚢が見えなくても、子宮内膜の厚みと妊娠反応が陽性であることで妊娠していると判断される場合もあります。
絶対過敏期になります
絶対過敏期とは、妊婦さんが飲んだ薬などが胎児に影響を与えてしまう時期の事を言います。明らかに妊娠中の服用が禁忌の薬の場合、胎児に薬の影響が出るリスクもあります。
とはいえこの時期は妊娠にまだ気づいていない方もいますので、そこまで神経質になる必要はありません。しかし妊娠している可能性を考慮した行動を心がけましょう。
妊娠初期症状が起こり始めます
妊娠4週目になると、妊婦さんによっては少しずつ妊娠初期症状が出始めます。すでにつわり症状に苦しむ方もいるでしょう。
妊娠初期症状は妊婦さんによって出方が違いますので、出ない症状があっても全く問題ありませんよ。
下腹部の痛みを感じることがあります
妊娠するとhCGホルモンが大量に分泌されます。そのhCGホルモンが黄体を過剰に刺激することで、卵巣が腫れるために下腹部に痛みが生じることがあります。
また、妊娠にともない子宮が徐々に大きくなっていくため、下腹部に違和感があったり痛みを感じたりすることがあります。
下腹部の痛みに関する体験談
痛む時はすぐに横になるように言われました。
初期のチクチク痛みは子宮が大きくなるので大丈夫そうなんですが、余りにも痛みが強いと子宮が収縮しちゃって流産するみたいです。
ただ、初期は安静にするしかないそうです。
幸い出血は全くなかったので安静にしていれば9週ぐらいには下腹部痛がなくなりました。
下腹部痛は、子宮が大きくなる事が原因となる場合と、流産しかけている場合があります。下腹部痛と同時に出血が見られる場合は病院で検査を受けましょう。
基礎体温は高温期が続きます
妊娠4週目の場合、本来であれば生理予定日の前後になれば低温期にまで下がる基礎体温も高温期のままになります。そのため何となく熱っぽい、体がだるいといった症状が出やすいでしょう。
基礎体温に関する体験談
基礎体温の高温期は、胎盤が完成するまでの妊娠16週目頃まで続く妊婦さんがいるようです。
もちろん個人差はあり、体温が下がっていく方もいますので、体温が低いからと過剰に心配する必要はないでしょう。
胸が張るなど、おっぱいに変化があります
妊娠すると卵胞ホルモンが働くため、母乳が作られる乳腺組織や母乳の通る乳管が発達します。乳管の発達の影響によって、胸の張りが続くことがあります。
なんとなく胸が張って痛いなどの症状があれば、それは妊娠初期症状の一つと考えてよいでしょう。
胸の張りに関する体験談
一週間前は乳首がものすぐ痛くて胸全体も張っていたのですが、今は全く張っていません。
胸を、触ると少し痛いかな?くらいです。
考えすぎだとは思うのですが、ちゃんと育ってるのか不安になります。
胸の張りはずっと続くわけではなく、張ったり治まったりを繰り返す妊婦さんが多いようです。痛みが伴う場合は冷やすとやや緩和されるようなので試してみるとよいでしょう。
眠気やだるさがあります
妊娠初期には、プロゲステロンというホルモンが増加します。このプロゲステロンが眠気を引き起こすため、昼間でも眠たくなってしまうことがあります。
眠気に関する体験談
妊娠4週目の頃はホルモンバランスが崩れやすく、その影響で眠気におそわれる妊婦さんが多いようです。
眠い時は、それだけ体に負担がかかっており休むべきというサインです。無理せず休みましょう。
情緒不安定になりやすいでしょう
妊娠すると、体内のホルモンバランスが崩れやすくなり、その影響を受けて精神的にも不安定になってしまいがちです。
なんとなくイライラしたり、落ち込んだりといった感情の浮き沈みがいつもより激しいと感じたら、妊娠初期症状の一つと捉えてよいでしょう。
情緒不安定に関する体験談
情緒不安定になると、なかなか自分では抑えが効かなくなり、感情的になってしまいがちです。以前なら気にならなかったような事が気になり、イライラが止まらなくなる場合もあるでしょう。
この時期の情緒不安定は妊婦さんには誰にでもあることです。我慢せず吐きだしましょう。旦那さんや家族にも協力してもらって受け止めてもらってください。
月経前や生理前の症状と見分けるのは難しい
妊娠初期症状は、PMS(月経前症候群)や生理前の諸症状とも似ているところがあるため、症状だけではどちらなのか判断が難しいところです。
妊娠検査薬や基礎体温を測って判断していきましょう。出血があるなど異常を感じた場合は、すみやかに産婦人科を受診してください。
- A. Christine Harris「はじめての妊娠・出産:安心マタニティブック」(永岡書店)
妊娠4週目の胎児(胎芽・胎嚢)の様子
妊娠2ヶ月目に突入していく時期に当たりますが、この時期の赤ちゃんはまだ超音波でも見えない大きさです。
そんな妊娠4週目の赤ちゃんはどんな変化をしているのでしょうか。
胎芽・胎嚢(たいのう)の大きさ
胎芽とは、胎児の元となるもので、妊娠10週目以降から「胎児」と呼ばれるようになります。妊娠4週目の胎芽の大きさは、計測できない大きさです。
超音波検査では胎芽を包む「胎嚢」が確認でき始めます。このときはまだ胎嚢の中に胎芽は確認できません。
三胚葉が形成され始めます
胎芽は、頭とお尻の区別がつくようになり、後にさまざまな組織や器官を形成する三胚葉ができ始めます。
三胚葉とは受精後に形成される、内胚葉・中胚葉・外胚葉の3種類の胚葉を表します。これらにはそれぞれ以下の役割があり、三胚葉が各器官を形成していきます。
- 内胚葉:消化器官や呼吸器官を形成
- 中胚葉:骨・心筋・赤血球などを形成
- 外胚葉:神経や感覚器官を形成
この三胚葉は、胎児を形つくるうえで必要不可欠なもので「原始線条」と言われます。
心臓管が形成されます
赤ちゃんが体全体に血液を送るために、心臓管が形成されます。妊娠4週の終わりごろには、心臓管から赤ちゃん全体に血液が行き渡るようになっていきます。
胎盤が働き始めます
未完成ながら胎盤が少しずつ働きはじめます。母体から栄養や酸素を赤ちゃんに送り、赤ちゃんから老廃物を運び出せるようになるのです。
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妊娠4週目で流産する可能性
妊娠中に最も流産しやすい時期は妊娠初期です。妊娠4週目はまだまだ子宮内の環境も不安定なので、流産の危険性は高くなっています。
この時期の流産にはどのようなものがあるのかご紹介します。
初期流産
初期流産とは、胎芽の染色体や遺伝子に異常があり、細胞分裂ができなくなって育たなくなってしまう事です。この時期の流産はほぼ受精卵に原因があります。
化学流産は流産扱いになりません
化学流産とは、妊娠反応では陽性になりますが、超音波検査などの他の検査で胎嚢が確認できないまま次の月経を迎えることを言います。
通常化学流産は一般的な流産の扱いにはならないため、不育症の流産回数にも含まれません。そのため、化学流産が続いても不育症の心配はいりませんが、着床しにくい体質といったことは考えられるでしょう。
化学流産に関する体験談
医師は流産すると妊娠しやすいことは医学的に証明されてないといいますが、流産したあとは妊娠しやすいのが私の見解です。必ずまたチャンスがきます!心穏やかに過ごすことが秘訣です!
化学流産は流産にカウントされないとは言いますが、やっぱり気持ちは落ち込んでしまうものです。でも流産後は妊娠しやすいという話もありますので、前向きに気持ちを切り替えて過ごしましょう。
- 慶應義塾大学病院「不育症(妊娠はするけれど赤ちゃんが得られない方)」慶應義塾大学病院 医療・健康情報サイト2011年12月28日(http://kompas.hosp.keio.ac.jp/contents/000075.html,2017年4月17日最終閲覧)
妊娠4週目におすすめの過ごし方と注意点
妊娠4週目の妊婦さんにおすすめの過ごし方と注意点についてご紹介します。
産院を決めましょう
妊娠4週目は早い方であれば胎嚢を確認できる時期なので、病院で検査を受ければ妊娠しているかどうかの確認ができます。
妊娠していれば、出産まで通う事になりますので、かかりつけとなる病院を探して決めておきましょう。
タバコに注意
おなかの赤ちゃんはまだまだ小さいとはいえ、タバコの影響を強く受けてしまいやすいので注意しましょう。
妊婦さんが喫煙している場合は当然止めましょう。旦那さんや家族で吸っている人がいれば、喫煙に協力してもらってください。
タバコは赤ちゃんの成長を遅らせ、流産や早産の原因にもなります。妊娠を機にやめましょう。
妊娠4週目は慎重に過ごしましょう
妊娠4週目は、初期流産になってしまう確率が比較的高い時期です。初期流産は、赤ちゃんの染色体の異常などが原因でこれ以上育つ事ができないために起こるものが多く、決して母体に原因があるわけではありません。
しかし、母体が薬や喫煙などの影響を受けると、赤ちゃんに異常を起こす可能性があります。全てが影響するわけではありませんが、万一のことを考え、 薬は自己判断で服用せず病院で処方してもらいましょう。
もし自己判断で服用してしまったら、病院に相談しましょう。