妊娠2ヶ月は妊娠に気がつく時期、つわりが始まります
妊娠2ヶ月は、妊娠4週~7週6日目の間のことをいいます。それぞれの週数ごとに起こる可能性のある症状をご紹介します。
妊娠4週目
生理が止まり、受精卵の着床を助ける黄体ホルモンが活発化。このホルモンは体温を上げる作用があり、基礎体温の高温期が続くため、熱っぽさ、体がだるいなど風邪のような症状が出ることもあります。
怒りっぽくなったり、泣きなくなったり、情緒不安定にもなりやすくなります。市販の検査薬で妊娠判定が出る頃です。
妊娠5週目
生理の遅れが顕著になるため、産婦人科を受診する頃。超音波検査で子宮内に胎のうが確認できるでしょう。この頃からつわりがスタートします。症状は人によって異なりますが、食欲不振や、逆に異常な食欲、嗜好(しこう)の変化、吐き気、あるいは胃もたれ、げっぷなど、胃腸への症状があらわれるように。
においに敏感になる「ニオイ」つわり、唾液の分泌が必要以上に増え、じわじわとあふれて止まらなくなる「ヨダレ」つわりになる人もいます。
妊娠6週目
ホルモンの影響で、通常の生理前の症状より顕著なおっぱいの張りや乳首の違和感、痛みなどを感じるようになります。胎盤がまだ安定していないので、無理をせず、心も体もゆとりのある生活を心がけましょう。
超音波検査で、胎芽(妊娠7週目まで)の心拍が確認できたらひと安心。生理周期などで個人差はありますが、妊娠8週目までに確認できるケースが多いようです。
妊娠7週目
ストレスがたまりすぎると、母子ともに悪影響を及ぼす場合も。働いている妊婦さんは、上司に妊娠を伝え、時差通勤などでストレスを緩和して。
日常生活ではパートナーに家事を手伝ってもらうなど、リフレッシュの時間を持つようにしましょう。
妊娠2ヶ月の胎児の様子とエコー写真
妊娠2ヶ月の胎児の成長の様子をご紹介します。この時期は、胎児の臓器が作られはじめ、徐々に人間らしい見た目になっていきます。
妊娠4週目
胎のうの大きさは0.3mm~2mmほど。ゴマ粒ほどの大きさです。この時期のエコーで見えるのは、赤ちゃんを育てる袋(胎のう)だけで赤ちゃんははっきり見えませんが、皮膚や爪・髪の毛、筋肉、骨、リンパ組織、手足といった体の器官や組織の形成が始まります。
妊娠5週目
胎のうの大きさは7mm~8mmほど。体に比べて頭が大きくアルファベットの「C」のような形をしています。赤ちゃんの栄養源になる卵黄嚢もみられ、そろそろ心拍の様子が見られる頃。心拍確認ができると流産の確率が5%とグンと下がるのでひと安心です。
妊娠6週目
赤ちゃんの頭からおしりまでの長さ(頭殿長)は4mm~8mmに。赤ちゃんにあったエラやしっぽは目立たなくなり、目や口、耳などのパーツが作られ、手足の筋肉・神経、視床下部や腎臓も作られ始めます。
妊娠7週目
7週目の頭殿長は8~10mm程度に成長。エラやしっぽがなくなり2等身に。体の部分は、心臓、肺などの内臓や器官に分かれるなど、臓器が作られる大事な時期です。首やお尻が伸び始め、少しずつ人間らしい形に近づいてきます。
妊婦健診の初診ってどんなことをするの?
妊婦健診とは、赤ちゃんと妊婦さんの健康状態を定期的に検査するためのもの。トラブルがあった場合でも早期チェックによりリスクを最小限に抑えることができます。安心なマタニティライフを送るために必ず受診しましょう。
妊娠初期は4週に1回、中期は2週に1回、10ヶ月目は1週に1回と合計14~15回の受診が一般的です。初診時の検査では、問診で最終生理日などを確認。尿検査で妊娠の判断や尿糖、尿タンパクをチェック。血圧・身長・体重を測定し今後の健診の基準にします。超音波検査で赤ちゃんの成長と妊娠週数を確認します。
健診時の服装は、腕やおなか部分がすぐ出せる、ゆったりとしたトップスがおすすめです。ボトムスは、パンツではなくスカートを。靴も脱ぎ履きしやすいものがいいでしょう。
妊婦健診を待たずに受診した方がよい症状
出血が止まらない、または繰り返す、または動けないほどの腹痛が続く場合は、産院に連絡をしましょう。切迫流産や早期流産、受精卵が子宮内ではなく卵管などに着床した「子宮外妊娠」の可能性もあります。
妊娠22週目未満で赤ちゃんが生まれた場合を「流産」、22週目以降の場合は「早産」といいます。心拍が確認できるまでの流産は珍しいことでありません。
流産の割合は10~15%で、なかでも「化学流産」といって、受精卵が着床できなかったケースが多く、その多くは染色体異常など赤ちゃん側に原因があると考えられています。医学的にも防ぎようがなく誰にでも起こることなのです。
妊娠2ヶ月でやること、やめること
この時期は、まだ妊娠がわかったばかりで妊婦さん自身も体の変化に戸惑うこともあるでしょう。しかし、おなかの赤ちゃんの成長はめざましい時期のため、妊娠しているという自覚を持って生活することが必要です。
母子手帳(母子健康手帳)をもらう
赤ちゃんの心拍が確認できたら、妊娠届出書を役所か保険所に提出し、母子手帳をもらいましょう。産婦人科でもらえること場合もあるので、住んでいる自治体のホームページか産婦人科に確認を。
厚生労働省は妊娠11週以内の届け出を推奨しています。
葉酸を意識的に摂取する
赤ちゃんの細胞分裂が盛んな妊娠初期に積極的に摂りたいのが葉酸です。葉酸とは、緑黄色野菜やレバーに含まれるビタミンB1の一種。妊娠初期は、神経管を元に赤ちゃんの脳や神経、心臓といったさまざまな器官が作られる大事な時期です。
葉酸を1日0.4㎎摂取することで「神経管閉鎖障害」のリスクを軽減することができます。葉酸は枝豆、モロヘイヤ、いちごなどの食材に多く含まれますが、難しい場合はサプリで摂取してもOKです。
妊娠したことを職場の上司に知らせる
働いている方であれば、妊娠初期はつわりなどの体調不良で仕事を休みがちになることが想定できます。妊娠がわかったら社内規定や就業規則を確認し、なるべく早めに上司に報告しましょう。
会社の制度を利用しやすくなり、会社側も妊娠への配慮や今後の仕事について計画が立てやすくなります。
タバコとお酒はやめる
妊娠中にタバコを吸うと流産率は2倍、早産のリスクもアップします。胎児の成長にさまざまな悪影響を及ぼすため、妊娠がわかったらすぐに禁煙を。身近な人が喫煙者であれば、禁煙してもらうのがよう話してみましょう。
また、妊娠中に飲んだアルコールは胎盤を通じて赤ちゃんに移行します。未熟な赤ちゃんの肝臓はアルコールを分解することができないので、先天異常、脳萎縮などの原因になることも。
おなかに赤ちゃんがいることを意識した生活を
妊娠2ヶ月は、おなかのなかに胎のうを確認し、その後の心拍が確認できるまでハラハラドキドキして過ごす期間。いくつか確認しなくてはいけないステップを踏んで、ようやく「おめでとう!」と言えるようになるのです。
赤ちゃんの心拍が確認できたら、すぐに母子手帳を入手しましょう。もちろん、お酒やタバコはNGです。おなかに赤ちゃんがいることを常に意識しながら、無理をせず、十分な栄養と休息を取る生活を心がけましょう。
※この記事の情報は2017年10月31日取材現在のものとなります。最新の情報は医療機関へ受診の上、各医師の診断に従ってください。