知識がないまま授かった命。出産はゴールではなく始まりだった「私の出産エピソード」

初めての妊娠と出産は、冷静になってふり返ってみると想像していたものとはだいぶ違った日々でした。これは、つわりが一切なかった筆者が里帰り出産をした際の体験談です。妊娠中の変化や、私が思う里帰り出産のメリット・デメリットについてもまとめています。1人として同じ妊娠・出産はありませんが、私の体験を通して出産を不安に思っている方の気持ちが、少しでも楽になればとてもうれしく思います。

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私の妊娠〜出産

妊娠が分かったのは4週のとき。もともと生理周期が安定していたので、生理が来ないことに「もしや…」と思いました。生理予定日から数日後、自宅で検査薬を使い陽性。夫にはとにかく早く伝えなければと思い連絡をしたら、とても喜んでくれました。

数日後、1人で産婦人科へ。「赤ちゃんが入っている袋が見えるよ」と先生が教えてくれました。このときは、自分の中にもう一つ命があることが不思議で仕方ありませんでした。

子供は欲しいと思っていましたが、漠然と思っていただけで「まぁ焦らずに授かりものだし」とマイペースに考えていた私。そんな性格なので、妊娠・出産の知識は保健体育で習った程度。知識も何もありませんでした。本当に恥ずかしいことですが、妊娠が分かったらすぐに母子手帳がもらえると思っていたぐらいです。10週で予定日を教えてもらい、母子手帳をもらえるようになるまでがすごく長く感じました。

母子手帳と妊婦健診の補助券をもらうと、改めて「妊娠しているんだ…」と実感をし、帰り道に本屋へ寄り子育てに関する雑誌を買って帰りました。

妊娠中のつわりと息抜き

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幸いなことに、私は妊娠中つわりが一切ありませんでした。妊娠すると必ずつわりがくるものと思っていたので、これには驚き。夫も「つわりないの?」と不思議がっていましたし、会う人会う人に「つわりはどう?つらい?」と聞かれる日々。最初はそのうち来るのかなと不安に思っていましたが、妊娠中気持ち悪さを感じたことは全くありませんでした。

むしろ生理がない分、PMSや生理痛もないので体調面ではとても快適に。妊娠前はよく飲んでいたコーヒーや紅茶は1日1杯ぐらいと決めて、息抜きにしていました。ただ、味覚が変わっていったのか、妊娠前においしいと感じていたものが妊娠中はそこまでおいしく感じなくなりました。コーヒーがすごく苦く感じて、甘いものがとてもおいしく感じるようになり、すっかり好みが変化しました。

出産はどこでする?

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私の地元までは、車だと高速道路を使って4時間ほどかかります。大学進学のために実家を出てからおよそ10年。この機会を逃したら、実家でのんびり過ごす機会はもうないだろうと思いました。実家にいる両親も姉も子供が大好き。里帰りして出産したいという気持ちが芽生えていきました。

夫に考えていることを伝えると「自分は何もできないし、任せるよ」と言ってくれました。産前・産後で2ヶ月ほど1人にしてしまうことは申し訳なく思いましたが、夫の祖母が「里帰りした方が絶対に良い。産後は無理をしちゃいけない。」と夫や義理両親に話してくれたことも、背中を押してくれるできごとでした。

里帰り出産を選んでよかったと今でこそ思いますが、里帰りをしてすぐは生活リズムの違いに苦しみました。また妊娠中のストレスなのか、私はささいなことでイライラしてしまい、早く自宅へ戻りたい…と思うことも。そんなときは高校時代の友人と会ったり、赤ちゃんのための肌着を買ったりして気を紛らわせました。夫とは毎日連絡をとっていましたが、2週間に1度会いにきてくれたことも心の支えに。

特に大きなトラブルもないまま33週で里帰りし、34週からは新しい病院で健診開始。毎回血圧が高めで、尿たんぱくがプラスになる日も…。助産師さんから「このままだと入院になるよ」と注意を受けました。また、気分転換も兼ねて散歩によく行くようにしました。

前駆陣痛からの陣痛

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予定日の数日前から、朝方におなかが痛くて目が覚める日が続きました。健診のときに助産師さんへ話すと「いいね!前駆陣痛きてるね!」と言われました。結局予定日になっても陣痛は来ず、私としては陣痛がどういうものか想像ができませんでした。しかし、おなかの張りや痛みを感じる時間は日に日に増していき「今日こそ生まれそうな気がする」と毎朝母に言っていた気がします。

予定日の翌日、珍しく朝からおなかが張り痛みが。少しすると痛みが引き、また痛くなるのくり返し。アプリで間隔を計るとまだ15分ほどでした。病院からは10分になったら電話をと言われていたので、まだだなぁと待機。午後になり、間隔はさらに短く10分ほどになりました。不安になり病院へ電話すると「荷物を持って来てください」と言われ、陣痛の引いたタイミングでシャワーを浴びて母とともに病院へ行きました。

夕方、すぐに内診し「子宮口3ミリだね。このまま入院しましょう。」と先生に言われ、徒歩で陣痛室へ。痛みはきつかったものの食欲はまだあり病院の夕飯を完食し、母と雑談する余裕もありました。夜になると痛みはさらに増し、寝ているのか起きているのか自分でもよく分からなくなる感覚に。陣痛がきているときはひたすらカウントして耐えていました。不思議なことに1分だけ痛く、1分を過ぎると痛みはスーっと引いていきました。

朝方になり、助産師さんから「赤ちゃんが苦しそうだから酸素マスクつけるね」と言われました。この頃になるといきみたくなるような感覚があり、トイレのことばかり考えるように。朝になると朝食が出ましたが、食べる余裕はなく水分を取るだけで精一杯でした。

いよいよ分娩室へ

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朝9時頃、分娩室へ歩いて移動。そこからまた痛みがきては引くの繰り返し。しかも「もしかして帝王切開になるかもしれないので水分は取らないでね」と言われてしまったのです。私の絶望を感じ取ってくれたのか、助産師さんが「水を口にふくんでもいいけど、これに出してね。」と器を渡されました。たまに助産師さんが見に来てくれるのですが、すぐにいなくなってしまうので心細かったことを覚えています。出産ってこんなに孤独なのかとそのときは思いました。

13時過ぎ、お産のすすみが悪くなってしまい陣痛促進剤を使うことに。私は「とにかく早く生みたい」とばかり考えていました。もともと生理痛がきついこともあり、痛みには強い自負がありましたが、それよりもいきみたいのにいきめないことが苦しくて仕方ありませんでした。

促進剤の点滴が効いたようで、そこからはかなりスピーディー。15時過ぎに子宮口が全開となり、先生が到着。助産師さんに言われるがままにいきんだらスルッと生まれてきてくれました。助産師さんが「写真撮ろうか?」と言ってくれ、先生が産後の処置をしている間、私の携帯で赤ちゃんの写真や動画を撮ってくれました。バースプランでお願いしていたわけではなかったのに、とっさに聞いてくれた助産師さんには本当に感謝しています。このとき撮ってもらった生まれてすぐの写真や動画は私の宝物の一つです。

夫は仕事終わり、すぐに車で駆けつけてくれました。残念ながら病院の面会時間が終わっていたため、翌日の朝一番に赤ちゃんと対面、とても喜んでくれました。

出産を通して学んだこと

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里帰り出産を選んだことを後悔したこともありました。ストレスがたまったり、夫が生まれたばかりの子供を近くで見られず、すごく申し訳なく思ったりもしました。里帰りを終えてすぐは、当たり前ですが夫はおむつの替え方も抱っこもぎこちなく、見ているこちらが不安になるほど。今ではおむつ交換は完璧ですし、率先して子供を散歩へ連れ出すように。里帰り出産したことで、夫が育児に消極的になるということはないと私は思っています。

一方、里帰り出産したことで産後1ヶ月は赤ちゃんのお世話に専念でき、体もすっかり元に戻りました。初産で不安もたくさんあるなか、育児経験があり何でも話せる母が近くにいることはとても心強いこと。もし義母だったら?と思うと、筆者の場合は気を使って言いたいことも言えずストレスをためる日々になっていたかもしれません。

もともとは何の知識もないまま妊娠した私。雑誌やアプリなどで体験談をたくさん見ましたが、自分に当てはまることもあれば全く違うことも。同じ妊娠・出産はないということが身をもって分かりました。そして、出産はゴールではなく始まりだということを忘れずにいて欲しいです。

とにかく、自分の体と心の健康を一番に、赤ちゃんとの生活を楽しめるよう出産を迎えてもらいたいと思っています。里帰りするもよし、しないもよし。無痛分娩や帝王切開だって立派なお産です。周囲のさまざまな声に心を痛めることもあると思いますが、自分の選択は正しいと胸を張っていきましょう。不安は尽きないと思いますが、いつか「こんなことで悩んでいたんだ」と笑える日がきますよ。

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