児童手当の改正案動向
待機児童問題を解消するための財源を得るためとして、一部の人が児童手当をもらえなくなることになりそうです。現在の児童手当からどのように変更されるのか、どのような人が児童手当を受けられなくなるのか確認していきたいと思います。
現在の児童手当
現在は、3歳未満の子どもがいると月1万5000円、3歳以上から中学生以下の子どもがいると月1万円、児童手当が支給されています。また、3歳以上から小学校修了までの期間において、第3子以降は月1万5000円になります。
ただし、夫婦どちらか収入が多い方の年収が「所得制限限度額」を超えている場合は上記の児童手当は受けられません。代わりに「特例給付」という、子ども一人につき月額一律5000円が支給されています。
「所得制限限度額」は扶養人数によって異なりますが、例えば専業主婦(夫)と子ども1人の場合は、世帯主の年収が960万円となります。
- 内閣府「児童手当制度のご案内」(https://www8.cao.go.jp/shoushi/jidouteate/annai.html,2020年12月24日最終閲覧)
最終報告された改正案
すでに報道されているように、2020年12月14日に全世代型社会保障の改革方針が閣議決定されました。その影響で、世帯で生計を維持する人のうち、より高いほうの年収が1,200万円以上(※)だと児童手当がもらえなくなります。
このような高所得世帯は、今までは特例給付として月5000円の支給がありましたが、これが廃止になります。特例給付自体がなくなるわけではなく、1200万円未満の場合は今までどおりとなる予定です。
検討に入った当初は、夫婦合算の世帯収入を基準にする案が出ていましたが「極端な変更のため混乱が起こる」とし、見送られました。
なお、この変更は2022年10月支給分からとなります。
(※)子ども2人の専業主婦世帯を想定
待機児童解消につながるのか?ママたちの本音
年収1200万円以上の家庭を不支給とすることによって、各社の報道によれば61万人分もの児童手当が支給されなくなります。
その分の財源を待機児童問題の解消につなげる、と政府は明言していますが、ママたちはこれについてどう思っているのでしょうか?
ママリに寄せられた「待機児童問題解消を児童手当で補うこと」への意見をピックアップしました。
コロナのこともあって今はだいぶ働き方も変わって地方に移る人も増えてきているのだから、もう少し待機児童、保育園の考え方を違う視点で考えて欲しいな、と思いました😭
少子化対策、待機児童問題の解決策としては違うと思います😠
待機児童解消のために児童手当をあてることに疑問を持つ人が少なくないようです。確かに、財源としてみるとパイの奪い合いであり、拡充したようには思えませんよね。
国は、待機児童対策として21~24年度に約14万人分の保育の受け皿を整備することにし、年内に「新子育て安心プラン」を策定するそうです。明確にどのような策がつくられるのか着目したいところです。
- 首相官邸「全世代型社会保障改革の方針(案) 令和2年12月14日」(https://www.kantei.go.jp/jp/singi/zensedaigata_shakaihoshou/dai12/siryou1.pdf,2020年12月24日最終閲覧)
家計に直結する改正の動きはこまめにチェックを
児童手当に限らず、子育て支援ではさまざまな改正の動きがあります。私たちの生活にプラスになることもあれば、今回の児童手当の一部廃止のように残念な思いをする場合もあります。そのためにも、今後の改正の動きはこまめにチェックしていきましょう。