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4歳児の反抗期の特徴と対処法!壁を乗り越えるためのポイントとは

4歳の子どもを持つパパママの悩みといえば「反抗期」が真っ先に出てくることでしょう。癇癪(かんしゃく)を起こす、思い通りにならないと泣く、言うこと聞かない男の子…など、4歳になるといろいろな問題行動で大人を困らせる子が増えてきます。そこでこの記事では、4歳の反抗期の特徴や理由、適切な対処法について解説。「反抗期に疲れた…」と思われているなら、ぜひ今回の記事を参考に上手に乗り切ってくださいね。

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4歳児が反抗期になるのはなぜ?

4歳の子どもが反抗期になる理由は、3歳までより大脳の発達が進むためです。3歳までは「『自分』と『現在』だけが中心である」という考え方をしますが、3~4歳を境に脳の成長が進み、次のように他者や過去・未来を意識できるようになります。

0歳から3歳、脳は感性の時代です。…中略…3歳は関係性認知の黎明期にあたります。自分と外界との関係性を探るために、言うことを聞かないようにみえる期間なのです。だめって言ったことばかり繰り返して腹が立つという状態が起こるのですが、これは因果関係を知るために脳がやっていることなのです。 ※1

「黎明(れいめい)期」とは、ある事柄が形になる前の始まりの段階のこと。つまり、3歳ごろから、自分と他人の関係性を理解し始めるということです。

このように、子どもの脳は3歳から4歳にかけて大きく発達しますが、子どもが自分の脳の変化についていけないことも少なくありません。自身の変化についていけない子どもは感情をうまく処理できず、心の中に葛藤を抱えるようになります。

4歳から5歳にかけての時期は言葉による表現もかなり達者になるが,内面を十分的確に言語化できるわけではない。また,自分の「できる」「できない」ということを他児と比較したり,自分の思い通りにならない他者の気持ちに気づいたりする中で,内面に葛藤を抱えさまざまな場面で心の揺れ動くさまを見せることも多い。 ※2

このように、自分の中で処理しきれない感情を多く感じ始めるとともに、3歳までと比べて使える言葉も多くなることから、4歳は心の葛藤が「反抗的な言動」となって現れやすくなる時期なのですね。

4歳児の反抗期の特徴と対処法

男の子 泣く PIXTA

子どもに上手に対処するためには、4歳児の反抗期の特徴を知っておきたいですよね。特徴がわかれば反抗的なそれぞれの行動に対して適切に対処できるはずです。それでは、4歳児の反抗期にはどのような特徴があるのか確認していきましょう。

癇癪(かんしゃく)を起こす

4歳の反抗期で最も特徴的な行動が「癇癪(かんしゃく)」です。4歳になった子どもはより具体的に自己主張をすることが増えるので、自分の主張が通らなかったり、自分がしたいことをさせてもらえなかったりしたときに「イヤ!」と癇癪(かんしゃく)を起こすことが多くなります。

厚労省の資料にも、4歳~5歳の癇癪(かんしゃく)について以下のように記載されています。

幼児が自己主張する力は3歳過ぎから急速に発達しますが、自己抑制する力は3歳過ぎより7歳頃までゆっくりと発達するようです。両者のギャップが4、5歳頃に大きいため、こうした年齢の幼児でとくにかんしゃくが多いと感じられるようです。 ※3

2~3歳の子どもが「イヤ!」というのは、やりたいことがあるのに身体や指先が未発達で自分のやりたいことが思い通りにできないことが多いから。それに対して4歳の子どもは、身体は発達が進み自己主張もできるようになりますが、自分の感情をうまく制御することはできません。

最初にお話したように、4歳の反抗期では心の葛藤が生まれることにより癇癪(かんしゃく)を起こしやすくなるのです。

対処方法は?

反抗期に入った4歳の癇癪(かんしゃく)への対処法は、まずは冷静に経過を見守ってあげることです。

「いまはできないけれど、繰り返しやっているうちにできるようになる」ことが分かるとかんしゃくは軽くなっていくことが多いようです。こうした見通しを持つ力のことを時間的布置と呼びます。5歳半を過ぎると布置する力が身についてきます。 ※4

このように、自分ができないことが多いと感じているようなら、「いつかできるようになる」ということがわかれば癇癪(かんしゃく)を起こしにくくなります。繰り返し練習すればできるようになると教えてあげるようなしつけも効果的ですよ。

思い通りにならないと大声で泣く

自分の思い通りにならないと大声で泣きわめいたり、地団駄を踏みながら怒ったり…。4歳くらいの子どもが思い通りにならないと泣く姿は、ショッピングモールなどでもよく見られますよね。

他者を意識し始める4歳の子どもは、他者が自分の思い通りにならないことも理解しだします。人との関わり方において、4歳児と6歳児を比較した論文には以下のような記載があります。

仮想的な対人葛藤場面における幼児の行動を絵カードによって選択させたところ,4歳児では相手をたたいたり,対象物を取るといった解決方法が多いが,6歳児では対象物を貸してくれるように頼んだり,譲ってあげるといった解決方法が多いということが示されており,年齢とともに非言語的で自己中心的な解決方法から,言語的で自他双方の要求を考慮した解決方法へと変化することがわかる。 ※5

周囲の人との関わりが増えてくる4歳の子どもは、周囲の人と接しながら自分と他人の気持ちをすり合わせることを学んでいる最中です。

他の人が自分の思い通りに動いてくれないことで理不尽さを感じがちですが、感情を抑制する能力や言語能力が未熟であり、思いをうまく表現することもできないので大声で泣きわめくという言葉以外の行動で感情表現をするのです。

対処方法は?

大声で泣きわめくときの対処方法は、まずは気持ちを受け止めて冷静に理由を聞いてあげることです。話を聞けば泣きわめいている理由を解決できることもありますし、子どもにとっては「自分を尊重してくれている」という意識を持つことにもつながります。

それでもどうしても泣きやまないようなら、他の人の迷惑にならないところに移動し気持ちが落ち着くまでそばに居てあげましょう。大切なことは、大人も感情的にならずに気持ちに寄り添ってあげることです。

パパママの言うこと聞かない

4歳になると、反抗期でパパママの言うことを聞かないという男の子もいます。他に気がそれていて聞かないということもあれば、わざと言うことを聞かないという場合もあります。

ちょっとだけ良くない行動だと、「仕方がないわねえ」という気持ちとともに「だめだめ」という言葉が表出されます。これが子どもにとっては面白くてたまらないということになります。この場合、子どもが見たいのはそうした大人の反応なのです。 ※6

わざと言うことを聞かない4歳の男の子は、軽く反抗したときにパパママが反応してくれたという経験を持っていて、反応が面白いから反抗を続けてしまうというケースも。実は「反抗したい」わけではなく「大人の反応が見たい」という思いの現れなのですね。

対処方法は?

4歳の男の子が言うこと聞かないときの対処方法は、反抗的な行動に反応しないことです。先にお話したように、子どもは大人の反応が見たくて反抗していることもままあります。反抗的な行動に対して反応してしまうと、その反応が面白くてまたやってみたい…というふうに、子どもの行動は改善されないでしょう。

もしわざと言うことを聞かないようであれば、別の話題に切り替えるなどすることがいちばん効果的です。

4歳の反抗期に疲れたら?イライラしたときの対処法

疲れた PIXTA

子どもの反抗期に上手に対処しようとしても、あまりに反抗的な行動が多いとパパママも疲れてしまいますよね。4歳の反抗期に疲れたときは、完璧な子育てを目指さないことが大切。

お風呂やごはん、お出かけを子どもが嫌がったなら、無理にさせる必要はありません。無理になにかをさせようとすることをやめて、ご自身のためのゆったりとした時間をとりましょう。

また、4歳児のエネルギーを他で発散させることも効果的です。家族でスポーツやアウトドアを楽しむなど、子どものエネルギーを良い方向で発散させられれば、反抗的な行動も少なくなり、パパママのストレス発散にもつながりますよ。

4歳児の上手なしつけ方

反抗期で大変な4歳児を上手にしつけていくためには、お友達と一緒に遊ばせることが最大のポイントです。少しずつ協調性が出てくるの4歳の子は、他の子と一緒に遊ぶ中で社会のルールを学びます。

自己主張をぶつけ合い、悔しい思いを経験しながら相手の主張を受け入れたり、自分の主張を受け入れてもらったりする経験を積み重ねていきます。自己を十分に発揮することと、他者と協調して生活していくという、人が生きていく上で大切なことを、子どもはこの時期に学び始めるのです。 ※7

挨拶・お礼・謝罪などの基本的なことは集団の中で学べるので、子どもがのびのびを遊ぶことができる場所を見つけてあげて、自然とルールを身につけるのを見守るようにしてくださいね。

4歳の反抗期には理由を知って適切な対処を

親子 PIXTA

4歳の反抗期は2~3歳の「イヤイヤ」とは違い、脳の発達によりより具体的に自己主張ができるようになることから始まります。自分だけでなく他者がいることを意識し始めて、他者が自分の思い通りにならないことで泣きわめいたり、他者の反応が面白くて反抗したり…と、反抗する理由には常に「他者」の存在が関係しています。

理由がわからなければどうやって対処するべきかわからない行動でも、4歳児の特徴と反抗の理由がわかれば対処法も見えてきますよね。今回の記事を参考に、4歳の反抗期を上手に乗り切りましょう!

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本記事は必ずしも各読者の状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて、医師その他の専門家に相談するなどご自身の責任と判断により適切に対応くださいますようお願いいたします。なお、記事内の写真・動画は編集部にて撮影したもの、または掲載許可をいただいたものです。

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