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4歳の理想的な睡眠時間は?子どもを寝かしつける4つのコツもチェック

最近は子どもの夜型化が進んでいると言われていて、寝る時間になってもなかなか寝ない子どもも増えています。パパママとしては子どもの睡眠不足が心配ですよね。今回の記事では、4歳の子どもの理想的な睡眠時間や睡眠不足になることの影響、寝かし付けるためのコツなどをご紹介します。寝る時間は何時にするべきなのかなど、4歳の子どもの睡眠について幅広く確認していきましょう!

PIXTA

4歳児の理想的な睡眠時間は?

まずは、4歳児ではどのような眠りが理想的だとされているのか確認していきましょう。厚生労働省によると、4歳児が必要とする睡眠時間は10~11時間。3~6歳になると昼寝が少なくなり、睡眠の質も大人に近づいてきますが、やはりまだまだ多くの睡眠が必要です。

5)幼児期(3-6歳)睡眠時間は 10~11 時間で,昼寝はさらに減少し,多くは 5 歳頃にとらなくなります.脳波上は,ノンレム睡眠・レム睡眠の繰り返しが成人と同様の約 90分のサイクルとなり,レム睡眠の割合はさらに減少します.
※1

厚生労働省の調査によると、3歳6か月の子どもは21~22時に眠り、7~8時に起きる割合が多いと報告されました。

就寝時間と起床時間の組合せでみると、「午後9時台」に寝て「午前7時台」に起きる子が25.9%と最も多く、就寝時間と起床時間の組合せから算出した睡眠時間は、「10時間台」が41.9%で最も多い。 ※2

平均的に9~10時間の睡眠を取っている子がいるのだと言えますが、4歳に成長するとお昼寝が短くなったりなくなったりして、睡眠時間の合計が短めになる子が出てくるのかもしれません。

4歳の子どもは何時に寝るのがいいの?

理想的な睡眠時間を取ることも大切ですが、パパママとしては「4歳の子どもは何時に寝るのがいいの?」と寝る時間についても気になるところでしょう。


厚生労働省などからは「何時に寝るのが良い」などの指針は発表されていませんが、4歳の子なら幼稚園か保育園に通っているでしょうから、7時前後に起きる子が多いかと思います。起床から必要睡眠時間で逆算すると、20~21時頃に布団に入るのが理想的だと言えますね。

「夜10時以降に就寝する子ども」の割合は、既に1歳6ヵ月で55%と半数を超え、4歳、5-6歳で約40%になるものの、子どもの生活時間の夜型化の実態が明らかになっている。 ※3

このように、「日本小児保険協会」による子どもの睡眠習慣による調査では、就寝時間が遅い子どもの実態も明らかになっています。

子どもには早寝早起きがいいとわかっていても、さまざまな事情により、保育園にお迎えに行ってからバタバタと食事・お風呂と対応してもどうしても遅い時間になってしまうというようなこともあるでしょう。

理想の睡眠時間に寝かせるのが難しい場合、朝少しゆっくり寝かせてあげるなど、そのご家庭にあった方法で睡眠環境を整えていけるといいですね。

子どもが睡眠不足になるとどうなるか

4歳 PIXTA

大人でも、睡眠不足だとだるさなどのさまざまな影響が出ますよね。もちろん、睡眠不足は子どもにも影響があります。それでは、子どもが睡眠不足になるとどのようなことが起きるのでしょうか?

イライラ感や集中力の欠如につながる

子どもの睡眠不足について、厚労省のe-ヘルスネットには下記のように記載されています。

睡眠不足は、成長の遅れや食欲不振・注意や集中力の低下・眠気・易疲労感などをもたらします。子どもの場合、眠気をうまく意識することができずに、イライラ・多動・衝動行為などとしてみられることも少なくありません。 ※4

子どもの睡眠不足はイライラ感を引き起こし、落ち着きのなさや暴力的な行動につながる可能性も。睡眠不足だと食欲もなくなって、その結果、身体の発達が悪くなることも考えられます。

将来、肥満になってしまう可能性

また、上記の資料には、「睡眠不足は将来の肥満の危険因子になることも示されています。」とも記載されており、富山県で行われている「富山スタディ」の資料では睡眠時間と肥満との関係について具体的な説明がされています。

睡眠時間と肥満との関係を考えた場合、テレビの時間が長いから就寝時刻が遅くなり、就寝時刻が遅いとお腹が空くから夜食を摂取し、就寝時間が遅くても学校に行く時間は決まっているからあまり朝遅くまで寝ていられないので、結局睡眠時間が短くなり、また朝ぎりぎりまで寝ているから朝は食事を欠食し、朝食を欠食するから午前中の意欲や集中力が低下して運動をしない、というふうに、すべてが肥満形成へと向かいます。 ※5

「富山スタディ」は4歳児だけを対象としたものではありませんが、生活リズムというのは一度定着すると変えることが難しいもの。4歳のころから睡眠時間が短くなるような生活をしていると、将来的に上記のような生活を送るようになる可能性が高くなります。

子どもが寝ない原因とは

寝室 幼児 PIXTA

睡眠不足は心配だけれど、「子どもがなかなか寝ない…」と困っている方もいるはずです。何度「寝なさい」と言ってもいつまでも遊んでいる、ずっとテレビを見ていてイライラ…。子どもはなぜ寝ないのか、ここからは子どもが寝ない原因について確認していきましょう。

室内が明るすぎるから

子どもがなかなか寝ないなら、室内が明るすぎることが原因かもしれません。「メラトニン」というホルモンは1日の中で周期的に分泌されて眠気を起こさせますが、明るい光を浴びると分泌が抑制されます。

網膜から入った外界の光刺激は、体内時計(生物時計・視交叉上核)を経て松果体に達します。明るい光によってメラトニンの分泌は抑制されるため、日中にはメラトニン分泌が低く、夜間に分泌量が十数倍に増加する明瞭な日内変動が生じます。ただし昼夜の区別のない環境(窓のない密室内など)でも、体内時計からの神経出力によって昼高夜低の日内変動は続きます。逆に強い照明(1000ルクス、コンビニの店内など)を浴びれば、夜間であってもメラトニン分泌量は低下します。すなわちメラトニンは体内時計と環境光の両方から調節を受けています。 ※6
最近問題にされているコンピュータやスマホからのブルーライトであるが、眼に近い距離では昼間の屋内の明るさに等しいことがわかる。 ※7

子どもが寝ないとイライラして、スマホ動画で寝かしつけようとする方もいます。しかし、スマホやテレビを見ることも、同じようにメラトニンの分泌を抑制させることにつながるので逆効果になってしまうこともありますよ。

日中の活動量が少ないから

日中の活動量が少ないことも、子どもがなかなか寝なくなる原因のひとつです。1日中ゴロゴロしながらテレビを見ていた日と、思い切りアウトドアを楽しんだ日では疲れ方が違うのは当然ですよね。


「日中は活動する」「夜はしっかりと眠る」というメリハリが大切です。

両親の生活習慣に影響を受けている可能性も

疲れているはずなのに子どもがなかなか寝ない…という場合は、もしかしたらご両親の生活習慣に影響を受けているのかもしれません。

母の1週間の労働時間別に子の就寝時間をみると、午後10時以降に寝る子の割合は、母の労働時間が「20時間未満」が35.5%、「40時間未満」が41.2%、「60時間未満」が43.9%、「60時間以上」が49.3%となっており、労働時間が長いほど、割合が高くなっている。 ※8

遅くまで仕事を頑張っているママはどうしても就寝時間が遅くなりがちですが、同時に子どもの夕食やお風呂の時間も遅くなりがち。パパの就業時間はあまり影響しませんが、ママの生活習慣に影響を受けて夜型になってしまっている可能性もあるでしょう。

子どもを寝かしつけるコツ

お風呂 PIXTA

なかなか寝ない4歳の子どもを寝かしつけるためには、イライラして怒るよりもコツをつかむことが大切です。

眠る1~2時間前にお風呂に入る

子どもをスムーズに寝かしつけるためには、眠る1~2時間前にお風呂に入るのがとても効果的です。お風呂に入ると皮膚の温度が上昇して、熱放射によって体温が下がるため体は休息状態になります。

ヒトにおいて睡眠の開始に先行して、特定部位の皮膚血流が増加し、熱放散が活発化することが明らかにされ、深部体温の低下より、むしろ皮膚体温の上昇が睡眠のタイミングを制御していることが明らかになってきた。この熱放散のための皮膚体温の上昇は末梢血管の拡張による皮膚血流の上昇によって起こる。 ※9

このように、眠る前に体の表面温度を上げて血流を良くすれば、体の中心部分は少しずつ体温が下がるので寝付きが良くなります。熱放射の時間も含めて、お風呂は眠る直前ではなく1~2時間前に入るのが理想的ですよ。

照明を暗くしてテレビ・ゲーム・スマホを見せない

明るい照明は「メラトニン」の分泌を妨げるとお話しました。メラトニンを正常に分泌させて規則正しい睡眠を取るためには、眠りにつく少し前から室内の照明を暗くして、テレビやスマホなどは見せないようにしましょう。

人工照明やコンピュータ液晶端末から発するブルーライトには覚醒作用があり、ブルーライトを遮光すると覚醒作用が減り、眠気が増すと考えられた。 ※10

「ブルーライトに覚醒作用がある」ということは広く知られていますが、実はスマホやパソコンだけでなく、ブルーライトは照明からも発せられています。室内の照明はなるべく暗くして、間接照明などを使って眠りやすい環境を作り出してください。

規則正しい生活をさせよう

起床・食事・就寝という生活習慣を毎日規則正しくすることで、夜の寝付きが良くなります。人は「サーカディアンリズム」という体内時計によって起床と就寝を繰り返しているからです。

生物は地球の自転による24時間周期の昼夜変化に同調して、ほぼ1日の周期で体内環境を積極的に変化させる機能を持っています。人間においても体温やホルモン分泌などからだの基本的な機能は約24時間のリズムを示すことがわかっています。この約24時間周期のリズムは概日リズム(サーカディアンリズム)と呼ばれます。 ※11
この体内時計の周期と外界の24時間の周期との間のずれをうまく修正できなくなった時に睡眠・覚醒リズムに乱れが生じます。…中略…このずれを修正することができない状態が続くと、望ましい時刻に入眠し、覚醒することができなくなってきます。 ※12

体内時計がずれてしまった子どもは、自分で眠りたくても眠れないという状況に陥りかねません。体内時計を正しく保つためには、起きる時間と食事の時間、眠る時間を毎日規則正しく行うことが効果的ですよ。

眠る前に毎日同じことをしよう

4歳の子を寝かしつけるためには、毎日眠る前に同じことをする入眠儀式を行うのも効果的です。例えば、ベッドに入ったら絵本を読み聞かせる、同じ音楽を流すなど簡単なことで構いません。


毎日同じことを繰り返していると、「もう眠る時間なんだな」と子どもが認識しやすくなります。子どもがなかなか寝なくてもイライラせず、安心して休めるようにしてあげましょう。

4歳の子どもには睡眠時間をしっかり取れるよう工夫を

4歳 PIXTA

4歳の子の睡眠は大人に近づいてきますが、10~11時間とまだまだしっかりと眠らなければいけない年齢です。

4歳の子どもが何時に寝るかは起床時間によりますが、やはり20~21時ごろの寝る時間になったらしっかりと寝て、早起きする生活が理想的です。何時になっても寝ないという子どもには、今回の記事でご紹介した寝かし付けのポイントを実践して理想的な睡眠を取らせてあげてくださいね。

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早く寝られるように声をかけたり、体をたくさん動かして疲れさせたりいろいろと工夫しても、なかなか寝ないこともあるでしょう。理想と現実は異なる場合も多々ありますね。

そのようなとき、誰にどのように相談すればよいか迷ってしまうこともあるでしょう。電話や対面での相談は少しハードルが高く感じたり、そもそもどのような場所で、どのような専門家に相談すればよいのか自力で調べるのが難しいですよね。

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