5歳の子どもがうそをつく理由とは
パパママを困らせる5歳の子どものうそをつく癖。5歳の子どもは一体どうしてうそをつくのでしょうか?
子どもは3~6歳ごろからうそをつくようになります。うそをつく理由はさまざまですが、子どもの心理を考えると次の3つの理由が代表的です。
パパママに叱られないようにうそをつく
5歳の子どもがうそを理由の1つで考えられるのは、「パパママに叱られないように」かもしれません。
何かマズイことをしてしまった、このままでは叱られてしまう…そんな気持ちが膨れていったときに、5歳の子どもはうそをついてしまうことがあるようです。
自分が「悪いことをした」と思ったときに、パパママに怒られないように自己防衛的なうそをつくのですね。
- 越中 康治「攻撃行動に対する幼児の善悪判断に及ぼす社会的文脈の影響」教育心理学研究55 巻2 号,問題( 2007年)
- 溝川 藍「幼児期における他者の偽りの悲しみ表出の理解」発達心理学研究18 巻 3 号,5.感 情を 偽 る動機(2007)
パパママにかまってほしくてうそをつく
まだまだパパママにかまってほしい5歳の子ども。あまりかまってもらえないと、パパママの気を引きたくてうそをつくことがあります。
少なくとも5歳児の一部は,「ぶつかったから優しくする」といった表面的な行動判断を超えて,「可哀そうな気持ちになって優しくする」,「困ったなと思って優しくする」,「きっと悲しい気持ちだろうから優しくする」といった心理的な側面に関する推測に根ざした行動判断をしたものと考えられる。 ※1
幼稚園や保育園に通って多くの人と触れ合うようになると、周囲の人の気持ちもわかるようになり始めます。そのため、「おなかが痛いと言ったら優しくしてもらえるはず」など、パパママの関心を自分に向かせるためにうそをつくことがあるのです。
子どもがつくうその例とその対処法
5歳の子どもはパパママに対してどのようなうそをつくのか、うその例と、子どもにうそをつかれたときの対処法についてご紹介していきます。
勝手に持って帰ったのに「もらった」とうそをつく
幼稚園や保育園のお友達のものを勝手に持って帰ったのに、「○○ちゃんからもらった」とうそをついた例です。パパママから見ると「人のものを盗んだ」と思い、叱ってしまうかもしれませんね。
対処法としては2パターンあります。勝手に持って帰ったことやうそが悪いことだと教えるために、うそを暴いて子どもを正す方法と、いったん子どもの意見を受け止めて「返しに行こうか?」と提案する方法の2つです。
ただしこの場合、5歳の子どもは「物のやりとりの仕方」についてわかっていない子もまだまだいます。いちばん大切なことは、「うそをついてはいけない」ということをわかってもらうことです。周囲の人が悲しくなるから、信じてもらえなくなるからなど、うそをついてはいけない理由をていねいに説明してあげましょう。
他の人が作ったものを「自分が作った」とうそをつく
たとえば、本当は近所に住む年上のお姉さんにもらった上手な絵を、「自分が描いた」というようなうそのことです。
子どもの心理を考えると、「パパママに褒められたい」と思っていることがわかりますよね。この場合は、子どもの「褒めてもらいたい」という気持ちを理解しながら、うそはいけないことだとわかってもらわなければなりません。
「すごく素敵に描けてるね!こんな風に描いてみたかったんだね!」と、褒める言葉を使いながらうそが通用しないことを教えてあげてくださいね。
自分が壊したものを「自分が壊したんじゃない」とうそをつく
自分がお皿を割ったのに、弟・妹のせいにするというタイプのうそ。最初にお話したように、子どもの「自己防衛本能」からうそをついていることは明らかですよね。
パパママに叱られたくない一心でうそをついているので、叱らないことがいちばん大切。「お皿を割っちゃったんだね。ママが片付けるから大丈夫よ。けがはしなかった?」と、子どもの「叱られたくない」という気持ちを受け止めてあげながら、パパママは真実をわかっているということを伝えてあげましょう。
元気なのに「おなかが痛い」とうそをつく
本当は元気なのに、パパママにかまってほしくて「おなかが痛い」「ここが痛い」などのうそをつく例ですね。このうその場合は「かまってほしい」という気持ちからうそをついているので、取り合わないようにすることが効果的。
5歳の子どもが「うそをつくとパパママにかまってもらえる」と思ってしまうと、周囲の人の気を引くため頻繁にうそをつくようになってしまいます。うそに取り合うことなく、受け流すように対処してくださいね。
ただ「かまってほしい」という気持ちが背景にあるとわかったのであれば、聞き流すだけで終わらず、子どもがそんなうそをつかなくていいように、パパママがその子への接し方を工夫する必要もありますね。
やめるように指導が必要なうそとは
5歳がつくうその中には、やめるように指導が必要になるうそもあります。たとえば、2~3歳の子どもは空想と現実が混じり、「今日はアンパンマンと遊んだよ」など、空想の世界でのできごとを話すこともあります。こうしたファンタジーなうそや誰も傷つけないうそをあえて注意する必要はないでしょう。
しかし、5歳ごろの「誰かを傷つけてしまうような」意図的なうそは注意するべきです。前の項目で「うその例」としてご紹介した内容は、自分のためについている意図的なもの。「うそをつくと傷つく人がいる」ことを子どもには伝えたいですね。
うそによって「傷つく人」が他人である場合、もちろん早急な注意と指導が必要ですが、最終的にはうそをつけば自分自身を傷つけてしまうことが伝えられるように、「その場」だけでとらえず長いスパンで対応していくことも大切でしょう。
うそをつかないようにするための親の接し方
3歳から5歳くらいの子どもにうそをつかせないためには、うそをつかせないような接し方をすることも必要です。子どもはなにかと大人のマネをしたがりますよね。ごっこ遊びやおままごとが大好きなことからも、子どものモノマネ好きはよくわかります。
つまり、パパママが子どもにうそをつくと、5歳の子どももマネをしてうそをつく可能性があります。「今度の日曜日はお買い物に行こう!」と言っていたのに、「やっぱり今日は止めておこうね」と予定を変えるなど、ちょっとしたことをうそだと捉えて、パパママのマネをすることも。
また「かまってほしい」「褒められない」という気持ちからうそをつく5歳の子どもは、反対に捉えれば「かまってもらえない」「うまくできたときしか褒められない」という思いを抱えています。パパママが日常的に子どもにかまってあげ、ちょっとしたことでも褒めてあげるようにするとうそをつく必要性がなくなってくるでしょう。
うそをつく5歳の子どもには、内容や背景にあわせた対処を
上手に話せるようになってきて、他人の気持ちもわかるようになり始める5歳の子どもは、さまざまな理由でうそをつくことがあります。パパママにかまってほしい、叱られたくない、褒められたいなどがうその理由になりがちですが、頭ごなしに叱るのではなく、「一体どうしてうそをついたのか?」と考えることが大切です。
5歳の子どもがうそをつくのは、2歳・3歳・4歳のうその話とは少し性質が違うケースも。この記事を参考にしながら、どういう気持ちからうそをつくのかを考えて対処してあげると、子どものうそも自然と減っていくかもしれませんね。
ママリで、わが子向けのアドバイスがもらえます
子どもの様子に不安があるとき、誰にどのように相談すればよいか迷ってしまうこともあるでしょう。電話や対面での相談は少しハードルが高く感じたり、そもそもどのような場所で、どのような専門家に相談すればよいのか自力で調べるのが難しいですよね。
ママリでは、専門家から個別のアドバイスがもらえる「専門家相談」を実施しています。チャット形式なので、相談する時間に限りがないのが利用しやすいポイントです。
「専門家相談」でどのような回答がもらえるのかなど、下記リンクよりご確認ください。