年長さんの特徴
保育園や幼稚園の年長さんになると、年齢としては5歳から6歳になるころ。そろそろ小学校へ上がる準備をし始める時期になっていきます。心身の成長がめざましく、これまでの遊び方では満足できないことも…。
まずは5歳、6歳になる年長さんの心身の特徴について把握しておきましょう。
身体的にもぐんぐん成長する年長さん
年長になった5歳児は、身長だと108~110cm前後、体重は17~18kgくらいになり、4歳児と比べて身長は5cm以上伸びることもあるため、すぐに服のサイズが合わなくなるほど成長スピードの早い時期です。
運動機能も高くなり、全力で走るなど複雑な動きができるようになるので、遊び方も多様になります。手先も器用になり、道具を使った遊びもするようになるので、外で遊ぶだけでなく室内遊びのレパートリーも増えてくるでしょう。
精神的にも相手を気遣えるようになる年長さん
年長になると次第に時系列がわかるようになり、相手を気遣ったりマナーを守るようになったりして、社会性の高まりを感じる年齢です。
ルールのある複雑な遊びができるようになり、仲間と協力したり、ライバルと張り合ったりするような精神的充足が得られる遊びに喜びを感じるようになります。目に見えないものについての理解も深まり、自分より小さい子に合わせて遊んであげるなど、自分で遊び方を工夫することも。
読み書きを覚え始め知能的にも成長
5歳くらいになると、個人差はありますが文字を書いたり読んだりすることに興味が出始めるようになります。これまで絵本を読んでもらっていた子どもも、自分一人で本を読み始めるようになります。
自分の考えていることを文字や絵で表現できるようになるので、自分でお話を考えたり歌や演奏で音楽を楽しんだりすることも増えてきます。
- 厚生労働省「平成 22 年乳幼児身体発育調査報告書(概要) 」(https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001tmct-att/2r9852000001tmea.pdf,2022年4月19日最終閲覧)
- 大津市「幼児教育・保育共通カリキュラム」(https://www.city.otsu.lg.jp/material/files/group/242/kari_90.pdf,2022年4月19日最終閲覧)
- 堺市「育ちと学びをつなぐ -幼児教育堺スタンダードカリキュラム-」(https://www.city.sakai.lg.jp/kosodate/kyoiku/gakko/youjikyouiku_center/youjikyouikukarikyuramu.html,2022年4月19日最終閲覧)
年長さんにおすすめの室内遊びをご紹介
5歳くらいの年長のお子さんなら、室内での落ち着いた遊びも楽しめますし、体を動かすゲームも安全に行えるでしょう。アイデア次第でいくらでも広がりを見せる室内遊びの中から、特におすすめのユニークなゲームをご紹介します。
5歳児の創造力が培われる製作遊び
年長さんになると手先が器用になり、何かを作ることに楽しみを見いだすようになるので、製作遊びは5歳児に大変おすすめです。身近なもので簡単にできる製作遊びを二つ紹介していきますね。
折り紙
昔からある定番の遊びだと折り紙。市販の折り紙を使うのもいいですし、新聞やチラシ、メモ用紙など紙さえあればいつでも楽しめるのがいいですね。簡単なものだとキツネやお花、船などがあり、折った後に絵を描いて遊ぶこともできます。
少し難しい折り紙に挑戦したいなら、折り紙の本を買うのもいいですが、最近ではYouTubeなどの配信サイトで折り方の動画を見ることができるので、よりわかりやすくいろいろなものを作れるようになりました。
また、魚の形に折って磁石を付けた釣りざおで魚釣りをしたり、何を作ったか当てっこしたりするなど、折ったあとも展開を楽しめます。
手づくりコマ
紙皿とストローで作れる手づくりコマは、作るのも楽しく、作った後も楽しく遊べるので、5歳児向けの製作遊びとしてとても優秀。
作り方はとてもシンプルで、まずクレヨンやペンで紙皿に好きな絵を描いたら、1か所だけ紙皿の端から中央に向けてハサミで切れ目を入れましょう。絵を描いた方がへこむようにして切れ目をずらし、裏側の絵が描かれていない方をセロテープで貼り付けます。
次にストローもハサミで端に4か所切れ目を入れてください。切れ目の長さは2cmくらいで良いでしょう。ストローの切れ目を広げたら紙皿の絵を描いた方にセロテープで貼り付けて完成です。ストローを両手のひらで挟んで勢いよく回すと、くるくると回るコマになりますよ。
集団で楽しめるゲーム遊び
続いては集団で楽しめるゲーム遊びを紹介しますね。5歳児の年長さんでも簡単に取り組めて、協調性や社会性を養うために効果的なおすすめの室内遊びを二つ見ていきましょう。
ジェスチャー遊び
物を使わず想像力と表現力で楽しめるジェスチャー遊び。ひとりがお題に沿ったジェスチャーをして、見ている人が何のジェスチャーをしているか当てるゲームです。
たくさん人数がいれば、チーム分けをして対抗ゲームをするのも盛り上がりますね。うさぎや犬などの動物ジェスチャーはお子さんにもわかりやすいですし、子どもに人気のキャラクターや昔話などストーリー性のある動きをジェスチャーで表すのはいかがでしょうか。
先にお題を決めておいて、当てられるたびにジェスチャーする人が順番でどんどん変わっていけば、ジェスチャーする人も当てる人も楽しめて白熱しそうですね。
ピンポン玉リレー
ピンポン玉とお玉を準備するだけで白熱するピンポン玉リレー。ルールはいたって簡単で、子どもたちを何人ずつかにグループ分けしてスタートと折り返しの場所を決めたら、お玉に乗せたピンポン玉を落とさないようにしてリレーをするだけです。
先頭の子がスタート地点に戻ってきたら、次の子にお玉を渡してまた同じようにリレーをする…と繰り返して、最初に全員が走りきったチームが優勝です。残念ながらピンポン玉を落としてしまった子は、またスタート地点からやり直しとします。
そのままリレーしても楽しめますが、お玉をより小さなものにしたり、コースに物を置いたりして難易度を上げても楽しいですよ。
室内でも体を使って運動遊び
室内遊びはおとなしく座ってする遊びばかりではありません。ある程度のスペースがあれば、安全に体を使った運動遊びをすることも可能!昔からある遊びだと、ハンカチ落としやフルーツバスケットなどがあります。
ハンカチ落とし
背後にハンカチが落とされないかヒヤヒヤするスリル満点のゲーム!
- 1.内側を向いて円になって座り、鬼になった人がハンカチを持って円の外側を回って、気づかれないように誰かの背後にハンカチを落とします。
- 2.落とされた人はそれに気が付いたらハンカチを取って鬼を追いかけて追いついたら勝ち。
- ハンカチに気づかずに鬼に一周されたらその人の負けです。
フルーツバスケット
みんなでワイワイ盛り上がります!【聞いて・判断して・動く】という難易度が高めのゲームです。
- 内側を向いて円を作り、参加する人より一人分減らした椅子に座ります。
- リンゴ、みかん、メロンなど3種類くらいのフルーツを割り当て、一人が円の真ん中に立ってフルーツの種類を言い、そのフルーツの人が一斉に立って別の椅子に座ります。
- 立っていた人も椅子に座る戦いに参戦し、座れなかった人が次のフルーツを言い、座り損ねないよう競い合います。
- 「フルーツバスケット」と言われたら全員で移動し、同じ椅子には座れません。
- フルーツのほかに野菜や動物などを割り当てる、「なんでもバスケット」で「男の子」「名前が3文字の人」など自由に条件を決めるのも楽しいですよ。
年長の子どもと家でできる室内遊び
ここまでさまざまな5歳児向けの集団遊び・製作遊びを紹介してきましたが、さらに年長さんの子どもにおすすめの家で楽しめる室内遊びを見ていきましょう。
4歳児から5歳児にかけておすすめの室内遊びを中心に紹介しますので、兄弟で遊んでも良いですね。室内遊びには集中力や観察力、言語能力を高められる遊びが豊富なので積極的に取り入れてくださいね。
トランプ遊び
トランプでできる遊びは非常に豊富。年長さんと一緒に楽しめるゲームだと、シンプルに同じ数字を見つける神経衰弱や、ババ抜き、7ならべなどがありますね。
まちがいさがし
新聞や雑誌に載っているまちがいさがしを集めておいて、簡単なものからチャレンジさせてみましょう。集中力や観察眼が養われ、どんどん難しいものが解けるようになるかも。手作りのイラストでまちがいさがしを作れば、ストックがなくても遊べます。
いろいろなしりとり
道具も何も必要なく延々と遊べるしりとり。言葉を覚えていくのにも役立ちますし、歌しりとりや絵しりとりなど、パターンを増やせば飽きずに遊べますよ。
なんて書いたかな?
文字を覚えてきたころなら、背中に指で文字を書いて、なんて書いたか当てるゲームも意外と盛り上がります。ひらがなの書き順も覚えますし、おしりを使って空中に文字を書いて当てるゲームは、当たらなくても笑いに包まれる楽しいゲームです。
オセロ
室内遊びのゲームとして昔から親しまれているオセロは、視覚でわかりやすいので年長さんでも取り組みやすいのがメリットです。ただわかりやすいとは言え、集中力や思考力が必要となる頭を使うゲーム。
最初はうまくできないかもしれませんが、ママパパがギリギリ勝つくらいの力加減で遊ぶと、お手本として上達が早くなるかもしれませんね。ただ適度に負けてあげないと、子どもがすねてしまうこともあるでしょうから、手加減をしてあげることも必要でしょう。
宝探しゲーム
家の中で簡単にできて、手軽にワクワク感を味わえる宝探しゲーム。ルールはシンプルで、ママパパが家のどこかに隠した宝物を子どもが探すというものです。
いつも過ごしている家の中も、「どこかに宝物がある」と考えるだけで、子どもにとっては非日常的な楽しい空間に。
宝物は子どもが好きなお菓子や新しいおもちゃにすると、見つけたときの喜びもひとしおです。
最初にヒントを与えて、ヒントを頼りにたどり着いた場所に次のヒントがあって・・・という風に、誘導するタイプもおすすめ。ダンボールなどで宝箱を作って、その中に宝物を入れれば本格的ですね。
お菓子作り
ゲームや言葉遊びをしつくしてしまったら、室内遊びとして年長さんの子どもと一緒にお菓子作りはいかがでしょうか?子どもが大好きなお菓子なら、料理にも喜んで参加してくれるはずです。
ただあまりに本格的なお菓子作りだと、年長さんにはハードルが高すぎます。そこでおすすめなのがホットケーキ作りです。
ホットケーキミックスを混ぜて焼くだけで完成するので、ママパパがサポートしてあげれば子どもだけでも作れます。火の扱いには十分注意してくださいね。
完成したホットケーキの上にチョコペンでお絵かきをしたり、チョコスプレーでトッピングしたり…。料理のことも学べますし、集中力や想像力も鍛えられそうです。
年長さんの室内遊びのポイント
年長さんと室内遊びをする際に、これからご紹介するポイントを押さえて選んでみてください。楽しく遊べるだけでなく、成長期のお子さんのさまざまな能力を伸ばすのにも一役買ってくれるでしょう。
言葉のバリエーションが増える遊び
室内遊びは広くないスペースでも遊べて相手との距離感も近いので、自然と言葉を使う遊びが増えていきます。
たとえば、しりとりや連想ゲーム、なぞなぞや文字当てゲームなど。知っている言葉を思い出そうとすることや、もっといろいろな言葉を知りたいという思いから、自主的に学習する意欲がわいてきます。
人の気持ちを思いやれる遊び
室内遊びは足の速さや体力に左右されないものが多く、逆に相手や仲間の気持ちを考えながら進めていく遊びが多い傾向にあります。
トランプのババ抜きでは、相手がババを持っているか注意深く観察して推理しますし、ジェスチャーゲームでは、相手が何を考えているかを一生懸命当てようとします。その過程で、人の気持ちを推し量ったり思いやったりする習慣が身に付いてくるでしょう。
想像力が広がる遊び
室内遊びは、ルールやアレンジをみんなで考えたり、新しい遊びを思いついたり、何かを作ろうと試行錯誤したり、想像力を使う機会が増えるので、外での遊びに比べてクリエイティブな能力を伸ばしてくれる傾向にあります。
年長さんの成長を促す室内遊び
体を動かしたい元気なお子さんには、室内遊びは一見退屈だと感じるかもしれませんが、アイデアと工夫次第で無限に遊べる自由度があります。ぜひ、室内遊びで親子間のコミュニケーションを楽しんで、何かを生み出す喜びを感じながら一緒に遊んでみてください。