食事は生きていくためにとても大切なこと
食事は生きるうえで重要な行為。乳幼児期は食事を通して、栄養補給だけではなく食感や味、匂いを体で感じ、さらにおなかが満たされる満足感も経験します。
この経験がとても重要。だからこそ食事中は穏やかに楽しく過ごしたいもの。実現するための食事マナーの教え方についてを、モンテッソーリ教師あきえさんの著書『モンテッソーリ教育が教えてくれた「信じる」子育て』の内容から説明していきます。
食事中の子どもへの関わり方4つのポイント
©モンテッソーリ教師あきえ
食事中の子どもへの関わり方から、どう食事マナーを教えていくのかを4つのポイントに分けて紹介します。
「座って食べる」を徹底する
基本的に「食べているときは座ろうね」という姿勢を貫いてください。遊びに出てしまったら、「座って食べようね」と声をかけるか、迎えにいきましょう。ただし遊びに行った場所までご飯を持っていって食べさせてはいけません。
別の場所でご飯を与えると、椅子から抜け出してもご飯が食べられると思ってしまいます。動き回る時期だから仕方ないものの、全てを許さず線引きしながら正しい方向へ導いてください。
上限時間を決めてキリをつける
食事に時間をかけすぎると、子どもの集中力も切れてしまいます。30分以上かかる場合は、子どもに「あとひと口で終わりにしよう」などと声かけしてあげてください。
終わりを教え、だらだら食べにならないように意識しましょう。
ものの使い方を繰り返し伝える
食事中に使うスプーンなど、使い方を大人が見せて教えましょう。「これはスプーン。スプーンはこうやって使うのよ」など声かけしながら繰り返し教えます。
一度では覚えることができないので、繰り返し伝えていきましょう。
子どもの欲求はおもちゃや活動で満たす
©モンテッソーリ教師あきえ
食事中にスプーンを落として楽しむ行為には、「落として遊びたい」という欲求があります。こういった欲求にはスプーンではなく、おもちゃで満たしてあげましょう。スプーンを落としたときは「これはスプーン。落とさないよ」と教えます。
遊びたい気持ちには、ボールや玉を落とすおもちゃを用意して、欲求を満たしてあげましょう。また、大人の反応を見るために故意に落としているようなときは、あまり反応せずに「拾おうね」とシンプルに伝えましょう。困ったり怒ったりする反応は逆効果なので、あくまで反応しないことが大切です。
モンテッソーリ教育が教えてくれた「信じる」子育て
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子ども自身の「自ら育つ力」を、環境を通してサポートすることが大切というモンテッソーリ教育理念に基づいた対応法が紹介されている本です。
食事はご飯をおいしく食べて、楽しく過ごして欲しい時間。それと同時にさまざまなことを伝えてあげられる大切な時間でもあります。スプーンを落とすなどの困りごとも、実はお子さんが成長するチャンスかもしれません。そんな気づきがたくさん詰まっています。
安心できる環境が子どもの食事を進ませる
子どもにとって、安心して食事に集中できる環境を整えることは、食事をするうえで大切な要素の一つ。たとえば、足のつかない椅子では、不安を感じて心地がよいとはいえないでしょう。テーブルの高さと子どもの背丈に合った椅子を選ぶなど、成長に合わせて調節することも大切です。
またテレビがついたままでは、子どもは気が散って食事に集中できません。乳幼児期は特に、食事中はテレビを消すようにしましょう。