永久歯の生え始めは虫歯になりやすい
生え始めたばかりの永久歯は虫歯になりやすいとされています。厚生労働省によると、実際に永久歯が生えそろう段階で平均して1人につき約3本の虫歯があり、8~9歳ですでに60~70%の子どもが虫歯を経験しているそうです。
虫歯になりやすいとされている原因は、生え始めたばかりの永久歯はエナメル質が十分に整っていないため弱いことに加え、乳歯と永久歯が混じったり歯が抜けたりしている部分があることによる歯磨きのしにくさです。
子どもの永久歯は大人の永久歯とは違い虫歯になりやすいことを知ったうえで、歯磨きの仕方を丁寧に教えてあげてくださいね。
- 厚生労働省「歯の健康」(https://www.mhlw.go.jp/www1/topics/kenko21_11/b6.html,2022年1月21日最終閲覧)
- 厚生労働省「子供のむし歯の特徴と有病状況」e-ヘルスネット(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/teeth/h-02-002.html,2022年1月21日最終閲覧)
- 池田歯科「こどもの歯って弱い!~フッ素で歯を強くしましょう!~」(https://www.648-7048.com/blog/post-34/,2022年1月21日最終閲覧)
永久歯の生え始めに虫歯になりやすい箇所
それでは、永久歯が生え始めたころに虫歯になりやすい箇所を見ていきましょう。
虫歯になりやすい歯は、歯ブラシが届きにくく磨きにくい歯です。子どもの虫歯のうち80%が奥歯の溝で発生しているとされているので、奥歯はすべて虫歯になりやすい歯だと言えるでしょう。
その中でも特に虫歯になりやすいとされているのが、六歳臼歯とも呼ばれる「第一大臼歯」です。第一大臼歯は他の奥歯に比べて溝が深く複雑な形状をしているので、特に磨き残りが起こりやすい歯。また、最初に生える永久歯となることが多いのでパパママも生えてきたことに気づかず、管理されない傾向があることも理由の一つです。
第一大臼歯は乳歯が生えている奥にひっそりと生えてくる奥歯なので、永久歯が生え始める年齢になったら定期的に子どもの口内をチェックして、虫歯にならないようパパママが管理してあげられると安心ですね。
- 厚生労働省「歯の健康」(https://www.mhlw.go.jp/www1/topics/kenko21_11/b6.html,2022年1月21日最終閲覧)
- 厚生労働省「幼児期における歯科保健指導の手引きについて」(https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00ta6582&dataType=1&pageNo=1,2022年1月21日最終閲覧)
- 文部科学省「学校歯科保健参考資料「生きる力」をはぐくむ学校での歯・口の健康づくり第2章」(https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2011/06/23/1306939_03.pdf,2022年1月21日最終閲覧)
生え始めに虫歯を予防するためのポイント
虫歯になりやすい生え始めたばかりの永久歯を守るためには、虫歯予防のポイントを知っておくことが大切です。どのようにして大切な永久歯を守っていけば良いのか、具体的な方法について見ていきましょう。
食後の歯磨き習慣を身に着けさせる
虫歯予防の基本は「食後の歯磨き」ですよね。乳歯を守るためにも重要なことですが、永久歯が生え始めたらより一層「食後の歯磨き」を徹底し、習慣として身に付けさせてください。砂糖を含む甘いお菓子を食べた後も、きれいに歯磨きをするように教えてあげてください。
ただ、子どもの歯磨きだけでは磨き残しがあることも考えられるので、パパママが仕上げ磨きをしてあげるのがおすすめ。子どもとのコミュニケーションにもなるので、ダブルの歯磨きで常に口内を清潔に保てるようにしましょう。
甘いおかしやジュースのあとには歯磨きを
甘いおかしやジュースが大好きというお子さんの場合、虫歯が心配になりますよね。おかしやジュースを食べないようにするというのは現実的ではありませんので、おやつの時間を決めてダラダラ食べたり飲んだりしないよう注意を促すことが大切です。
食べたあとに歯磨きをするのが理想ですが、できない場合にはお茶やお水を飲ませて虫歯を予防しましょう。
- 日本小児歯科学会「3歳ごろから就学前まで」(http://www.jspd.or.jp/contents/main/faq/faq03.html#faq_e0301,2022年1月21日最終閲覧)
フッ素を活用して歯を強くする
フッ素を活用して、歯を強くするのも虫歯予防としておすすめの方法です。フッ素配合の歯磨き粉で歯を磨いたり、フッ素化物洗口剤でうがいをしたり、歯科医院でフッ素を塗布してもらうと酸への抵抗力が高まって虫歯になりにくくなります。
厚生労働省の「健康日本21・歯の健康」では子どもの虫歯を予防するため、フッ素配合の歯磨き粉を使う子どもの割合を90%以上にするという目標が掲げられています。フッ素の虫歯予防効果は非常に高いとされているので、永久歯が生え始めたら積極的に活用したいですね。
- 厚生労働省「歯の健康」(https://www.mhlw.go.jp/www1/topics/kenko21_11/b6.html,2022年1月21日最終閲覧)
- e-ヘルスネット「子供のむし歯の特徴と有病状況」(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/teeth/h-02-002.html,2022年1月21日最終閲覧)
- 文部科学省「学校歯科保健参考資料「生きる力」をはぐくむ学校での歯・口の健康づくり第2章」(https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2011/06/23/1306939_03.pdf,2022年1月21日最終閲覧)
シーラントで奥歯の溝を埋める
歯科医院では虫歯になりやすい奥歯の溝を埋める「シーラント」という予防歯科も行われていますので、処置を施してもらうのも良いでしょう。
シーラントはフッ素を配合した樹脂を奥歯の溝に埋めて、虫歯にかかるリスクを低減させる処置法です。虫歯予防に効果的なフッ素で歯を守れるだけでなく、奥歯の溝が平坦になることで磨き残しも少なくなるので子どもの虫歯予防法としておすすめします。
- きらら歯科「シーラント治療」(https://kirarashika.com/dental-menu/child/sealant,2022年1月21日最終閲覧)
- 今井歯科「子どもの虫歯予防」(https://www.identalofficeimai.com/guide/pediatric/sealant/,2022年1月21日最終閲覧)
永久歯の生え始めの虫歯に対する先輩ママの声
永久歯の生え始めたばかりの子どもを持つパパママは、子どもの歯を守ってあげたいという使命感に燃えるもの。先輩ママたちもさまざまな方法で子どもの大切な歯を守ろうとしていますよ。
虫歯になりやすい奥歯にシーラントをしたり、2か月ごとに定期検診に行ったり、虫歯菌をうつさないように気をつけたり…と、先輩ママたちはさまざまな努力をされていますね。ただ、それでも虫歯になってしまうこともあるようで、虫歯の原因は歯の強さや磨き残しだけではないようです。
呼吸法などの生活習慣も虫歯のできやすさに関係しているのですね。唾液には殺菌作用がありますが、口呼吸をすると口内の唾液量が減少。虫歯菌への殺菌作用も下がることから虫歯になりやすくなるのだそうです。
口呼吸は噛み合わせや顎の成長にも影響を及ぼすとされています。虫歯予防のためだけでなく、口内全体の健康を守るためにも鼻呼吸が自然にできるようパパママがサポートしてあげることも大切でしょう。
- 小児歯科学雑誌「小児の口呼吸に関する実態調査」(https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspd1963/41/1/41_140/_pdf/-char/ja,2022年1月21日最終閲覧)
生え始めたばかりの永久歯は虫歯予防を徹底して!
永久歯が生え始めたばかりのころはまだ乳歯が残っていて、抜けている歯もあって歯磨きしにくいですよね。そのうえ、生えたばかりの永久歯は弱いのですぐに虫歯になってしまう可能性も…。
大切な永久歯の健康を保つためには、食後の歯磨きを徹底したり、フッ素を活用したりと虫歯予防を徹底することが最大のポイントです。紹介した内容を参考にしながら、ぜひ今日から虫歯予防を実践してみてくださいね。