©ママリ
小学校における和式トイレの割合
小学校の和式トイレの割合は意外に多く、文部科学省の調査によると、全国の小中学校のうち40~60%で和式トイレを設置しているそうです。都道府県により差がありますが、平均すると約半数は和式トイレ。参考までに、東京都・大阪府・愛知県の小中学校における和式トイレの割合を見てみましょう。
- 東京都:29.9%
- 大阪府:51.1%
- 愛知県:45.0%
東京都・神奈川県・千葉県など関東圏では小学校の和式トイレ割合は低いものの、その他の地域では大都市圏はなかなか洋式化が進んでいません。小学校において和式トイレの割合が最も高いのは島根県で、64.7%にものぼりました。
- 文部科学省「公立学校施設のトイレの状況について」(https://www.mext.go.jp/content/20200926-mxt_sisetujo-000010121_05.pdf,2021年10月20日最終閲覧)
小学校のトイレ洋式化が進まない理由
自宅・ショッピングモール・飲食店…多くの場所で洋式トイレが一般的になっている現在ですが、小学校でいまだに和式トイレの割合が高いことには理由があります。
- 教育において必要だから
- 教育施設の改装には優先順位があるから
現在は公共施設などでも洋式トイレが一般的になっているものの、数少ないながらまだ和式トイレが設置されているところもありますよね。
自宅で洋式トイレを使っていて、小学校でも洋式トイレしか設置されていなければ、子どもたちは和式トイレの使い方を知らないままになるかもしれません。
小学校の遠足では公園に行くこともありますが、公園のトイレは和式だけの場合もあり、遠足のときに困らないように…との学校側の配慮もあるようです。さらに災害時には設備の整った洋式トイレを選んで使うということが難しい場合も出て来るでしょう。
また、公立の教育施設は限られた財源の中で学校の改装を行っているので、耐震化やバリアフリー化など、トイレよりも重要性の高いところに財源が使われていて、トイレが後回しになっているようです。
- 文部科学省「効率的かつ効果的な 学校施設の整備に関する事例集」(https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyosei/__icsFiles/afieldfile/2019/06/26/1418262-002-1_1.pdf,2021年10月29日最終閲覧)
小学校の和式トイレに関する先輩ママの体験談
小学校では和式トイレの割合がいまだに高いですが、先輩ママたちの子どもは小学校でトイレに困らなかったのでしょうか?洋式トイレしか経験のない子どもたちが初めて和式トイレを使うとどのようになるのか、先輩ママたちのコメントから見ていきましょう。
やはり初めての和式トイレに、子どもたちは怖がってしまうことがあるようです。1人では用を足せない子どももいて、パパママのサポートが必要になるでしょう。しかし、小学校ではパパママがサポートしてあげることはできませんよね。
子どもが和式トイレを使ったことがない場合、小学校入学前に和式トイレのあるところで練習しておいたほうが良さそうです。駅には洋式とともに和式が残っていることがありますし、公園も和式トイレ率が高い場所。
洋式トイレで用を足せる子どもであれば数回でできるようになるとのことですので、和式トイレがある場所に行って練習するのも小学校入学準備の一つですね。
和式トイレの使い方を子どもに教える方法
小学校では入学当初、和式トイレの使い方を説明する学校もありますが、あくまでトイレでの口頭説明なので、子どもとしては「頭ではわかったけど」という状況です。和式トイレを使うのが怖いという気持ちや失敗が怖いという気持ちでトイレを控えるのは体にもよくありませんよね。
ただ入学前の練習であっても、いきなり和式トイレに連れて行っても子どもは怖がってしまうでしょうから、まずはパパママは和式トイレの使い方を教える方法をマスターすることから始め、子どもにわかりやすく教えてあげましょう。
それでは、子どもに和式トイレの使い方を教えるためのステップを紹介しますね。
- パパママが和式トイレを使っているところを見せる
- 脚を広げてしゃがむ姿勢を練習させる
- ダンボールや厚紙に和式便器の大きさをマジックで描く
- 和式トイレで用を足すようにしゃがませて練習させる
- 実際の和式便器で用を足す
こちらは一番丁寧な教え方ですので、実際にはパパママが和式トイレで用を足しているところを見るだけで、使い方をマスターできる子どももいるようです。
子どもによっては脚を広げてしゃがむこと自体ができない場合もあるので、まずは自宅でその練習から始めると良いでしょう。脚を広げてしゃがめるようになったら、和式便器のあるところで実際に用を足しても良いですが、厚紙やダンボールに和式便器の絵を描いてシミュレーションするのも一つの方法です。
和式便器の一般的な寸法は、縦50~70cm・幅25cmです。尿飛びを予防する前方部分は、縦約20cmが一般的。
和式便器とほぼ同じ大きさなのが、2Lペットボトルが6本入るダンボール箱です。もしダンボール箱が手に入るようでしたら、切り抜いて和式トイレシミュレーションに活用すると子どももイメージがつかみやすいでしょう。
- 社会福祉法人 神奈川県社会福祉事業団「和式トイレの練習をしました(5歳児)」(http://kanagawa-swc.com/headquarters/news/each.php?prf=mirainosora&id=201,2021年10月20日最終閲覧)
- TOTO「日本のトイレのつかい方」(https://jp.toto.com/en/gtjt/jp/howto/,2021年10月20日最終閲覧)
- TOTO「和風便器」(https://search.toto.jp/sekou/catalog/000002/0112201902000002.0224-0237_5219.pdf,2021年10月20日最終閲覧)
小学校入学準備として和式トイレの練習を
今はどこでも洋式トイレが一般的ですが、小学校においてはいまだに約半数の学校で和式トイレが設置されています。
小学校に入学してから「和式トイレだから使えなかった…」ということにならないよう、和式トイレの使い方を教えてあげることは小学校入学準備として欠かせません。
子どもは洋式トイレが使えるようになっていれば、数回の練習で和式トイレの使い方をマスターしてくれるはず。まずはパパママがお手本を見せてあげて、紹介した教え方を参考にしながら和式トイレの使い方をしっかりと教えてあげてくださいね。