🔴【第1話から読む】ママ友を家に残し「コンビニに行ってくる」→“たった5分”で信頼崩壊へ|ママ友にタンス貯金を盗まれた
ともみさんへの疑惑を夫へ相談したゆり。そんなゆりのために、夫はなんと証拠を押さえるためにあるものを用意します。
親身に聞いてくれる夫、けれど現行犯ではないから…
夫は私のただならぬ様子を察してかすんなり起きてくれて、私は震える声で、今日起きたことをすべて話しました。
「実はね、今大変なことになっているかもしれなくて」
夫は静かに息をのんでいます。
「生活費の封筒から、1万円なくなっているの。で…もしかしたら、盗ったのはともみさんかもしれなくて」
「えっ?」
私が一瞬だけ家を留守にしたこと、そしてともみさんの不審な行動…それらも含めて話しました。夫も、まさかという表情で、すぐに私と一緒に棚を確認してくれました。一緒に封筒の中身を確かめましたが、やはり1万円札が1枚、消えていました。
「ウソだろ…ともみさんに限って」
夫は、私がともみさんに絶大な信頼を置いていることを知っています。そもそも私だって、ともみさんを信頼しているからこそ、家にともみさんだけ残して家を出たのです。ともみさんでなければ、他人を置いて家を出るなんてこと到底できません。
まだ疑惑でしかありませんが、頭がクラクラする気分でした。
「証拠はないんだけど、あの短時間でわざわざ棚の前にいて、何か隠したのは明らかだったから…」
「そうはいっても、映像があるわけじゃないもんな。現行犯じゃないと突き止めるのは難しいよ」
夫の言葉に、私は深い絶望を感じました。長年の親友を疑うという行為自体、私の心を酷く傷つけましたが、このまま黙っているわけにもいきません。1万円という金額以上に、私の「信頼」が踏みにじられたという事実が耐えられませんでした。
こうなったら、徹底的に探る
しかし、そのとき、私の頭の中に、1つの考えがひらめきました。
「もし一度やってバレてないと思わせたら、もう一度やるかもしれないよね」
金銭的な苦境に立たされているであろうともみさんは、一度成功体験を得たなら、必ず、また同じことを繰り返すに違いない。そう、直感的に悟ったのです。私たちは顔を見合わせました。夫も、私の考えを理解したようでした。
「よし、証拠を押さえよう。もし本当にそうなら、けじめをつけてもらわないと」
夫の言葉に、私は力強く頷きました。
私たちは、すぐに計画を立てました。そして、翌日、夫が仕事のついでに、手のひらに乗るほどの小さな監視カメラを購入してきてくれました。監視カメラを購入してから数日後。
ともみさんは、いつものように幼稚園のお迎えのついでに、私と井戸端会議をしました。ともみさんの様子は、あの日のことを微塵も感じさせない、いつも通りの穏やかな笑顔でした。その姿に、私は胸の奥がチクチクと痛むのを感じていました。
私は、計画の一環として、さりげなく、お金に関する話題を会話に織り交ぜてみました。
簡単に罠にかかった…!
「最近は習い事費用もかさむし、家計管理が大変だよね。うちも家計簿つけてるけど、いつの間にかお金がなくなってるって感じで」
そう言って、ともみさんの反応を、注意深く見ました。すると、ともみさんは、目を逸らしながら「そうそう、お金の管理って大変よね~」と、他人事のように、淡々と言いました。
まるで、私の言葉を白々しく「白を切っている」ように、私には感じられました。あの日の光景を目の当たりにした私には、その態度が、どうしても嘘をついているようにしか思えなかったのです。
そして、私は、次のステップへと移りました。
「それとね、今度の日曜日、うちに来ない?またカフェオレ買っちゃったの!またお茶会しない?」
私は、努めて明るい声で、ともみさんを誘いました。
「いいの? もちろん行かせてもらうよ」
ともみさんは、うれしそうに微笑みました。その笑顔は、純粋で無邪気な、私が知っているともみさんのものでした。しかし、私の心は、すでに氷のように冷えていました。
「夫が子どもたちを公園に連れて行こうかなって言ってたから、また2人でのんびりしようよ」
そう付け加えると、ともみさんの目は、一瞬、キラリと光ったように見えました。気のせいでしょうか。
「わかったわ。楽しみにしているね」
ともみさんは、弾んだ声でそう答えました。私と夫の計画は、着実に進んでいる。そう感じました―――。
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あとがき:頼り甲斐のある夫
夫も協力的なことで、ゆりさんも冷静さを維持できているのでしょう。
2人が一緒に対策を練り、自分たち家族の生活を守ろうとする姿勢がうかがえるシーンです。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










