🔴【第1話から読む】キャッシュカードの紛失...消えた50万円の謎|金を盗む夫
キャッシュカードが見当たらなくなり、知らないうちに50万円が使い果たされていた美和子。夫は曖昧な反応を示し、胸の中には言いようのない不安が広がっていました。
事実を確認しているだけなのに、いらだつ様子を見せる夫
通帳の残高が1000円になっていた日から、私はあまり眠れずにいました。目を閉じるたび、あの通帳のページが浮かんできました。普段からしっかりと残高を確認していなかった自分の甘さが、今になって胸を締めつけます。
翌朝、私は夫に再び話を切り出しました。
私「最後にもう1回確認したいんだけど、キャッシュカードは知らないんだよね?」
夫「いや、知らないって。俺が使うわけないだろ」
その言い方が、どこか“めんどくさい”という雰囲気を帯びているのが分かりました。
会話は何度繰り返しても同じ。私は胸の奥がざらりと不安に揺れるのを感じながらも、 “夫がそんなことをするはずがない” と何度も自分に言い聞かせましたが、落ち着きませんでした。
警察へ
私は意を決して、最寄りの警察署へ足を運びました。事情を一通り話すと、担当の男性警察官は眉を寄せながら言いました。
警察官「これは、身内の犯行の可能性が高いと思いますよ」
私「身内……?」
警察官「ご主人にはもう確認されましたか?」
私「一応、聞きました。でも、否定していて……」
警察官「まずはもう一度、ご主人に詳しく聞いてみてください。泥棒がキャッシュカードだけ持ち出して、半年間継続して引き出すというのは不自然です」
警察官の言葉は、胸のどこかにあった予感を、真正面から突きつけられた言葉でした。帰宅後、私は再び夫に向き合うことにしました。
私「警察に行ってきたよ。やっぱり身内にもう一回聞いてみてって」
夫「なんでそんな決めつけられてんの?」
私「私だって疑いたくないよ。でも、本当に心当たりはない?」
夫「だから、俺じゃないって何度も言ってるだろ」
明らかにいらついている様子の夫に、もうこれ以上何も言えませんでした。
夫「警察まで行くなんて、大袈裟なんだよ」
その瞬間、胸の奥で何かが音を立てました夫の給料は「生活に必要なものだけ払ってくれたら、残りは自由」と、本人に任せていました。だからこそ、私の貯金に手をつける理由はないと思っていたけれど…。
家庭の大事な50万円が消えた事態で「警察は大げさ」だなんて、その考え方はあまりにもおかしいと思ったのです。
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あとがき:揺れる夫婦関係
警察の一言は、美和子の胸の奥にあった違和感の正体を照らし出しました。それでも美和子はまだ、夫を完全には疑いたくない。揺れる感情とすれ違う夫婦。その緊張が、次回以降の展開をさらに深めていきます。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










