🔴【第1話から読む】キャッシュカードの紛失...消えた50万円の謎|金を盗む夫
出産を終え、息子と帰宅した美和子は、自分の口座残高が1000円になっていることに気づきます。曖昧な返事をする夫を不思議に思いながらも、不安は拭えませんでした。
残高の異変
私は美和子。最近第1子を出産したばかりの、30代の主婦です。夫の浩志とは結婚して4年目で、生まれたばかりの優斗と3人で暮らしています。日々は慌ただしいですが、家族の笑顔に支えられ、平和だと信じていました。
出産を終え、久しぶりに自宅に帰ってきた日、自分の通帳を手に取りました。「そろそろ記帳しておこうかな」――何気ない気持ちで記帳すると、目の前が真っ白になりました。50万円以上あったはずの残高が、わずか1000円になっていたのです。衝撃のあまり、胸が締め付けられ、息をするのも苦しくなりました。
私「……うそ……」
通帳のページには、見覚えのない引き出しの履歴がずらりと並んでいました。「これは間違いなく犯罪」と直感しました。貯蓄用の口座だったので、ふだんキャッシュカードは持ち歩いていません。家の中の棚を見ると、なんとキャッシュカードが消えていました。
「泥棒に入られていたのかも」私は震える手でキャッシュカードの取引を停めるよう、銀行に要請しました。
揺らぐ日常
そしてその夜、夫に打ち明けることにしました。
私「浩志、私の通帳を見たら、残高が1000円しかなかったの。おかしいよね、ちょこちょこ積み立ててて50万円くらいあったのに。しかもキャッシュカードもなくなっていて…」
夫「え、それはやばいね……」
念のため、さらに確認をすることにしました。
私「もしかして、間違えて私のキャッシュカードを持ってないよね?」
夫「俺は持ってないって」
そのとき、夫の目をそらす仕草が気になりました。夫の言葉を信じたい自分と、もっとも家族のキャッシュカードを自由に取り出せる立場にあったのは夫であるという現実を疑わざるを得ない自分が交錯しました。
翌朝も胸のざわつきは収まりません。わが子の愛らしさに癒される一方で、心の奥の不安は消えないのです。
夜、息子を寝かしつけ、静かになった家でソファーに座り、しばらく考えました。このままにしておくわけにはいきません。私は、事の真相を確かめる覚悟を決めなければならない。
こうして、私の平和な日常は、静かに、でも確実に揺らぎ始めました―――。
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あとがき:産後の事件
出産後のバタバタは、心の余裕も時間も奪っていくもの。平和だと思っていた日常に、ひそかに忍び寄っていた小さな影。その正体はまだ分かりませんが、違和感を見過ごさなかった美和子の決意が、これから物語を動かしていきます。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










