🔴【第1話から読む】キャッシュカードの紛失...消えた50万円の謎|金を盗む夫
美和子の里帰り中から「お金が必要な様子だった」―――。義母の言葉から、夫への疑念は確信的なものになっていきます。そこで美和子は、ついに現実と向き合う覚悟を決めました。
不機嫌な夫
ある日の夜、私はひとりでダイニングテーブルの椅子に座っていました。通帳のコピー、銀行からもらった利用明細、そして夫への質問を書き留めたメモ。全部目の前に広げて、何度も見返しました。すると、夫が不機嫌そうな顔をして帰ってきました。
夫「何?またお金の話?」
私「うん。今までいろいろ調べてきたの」
夫「……は?」
一瞬で空気が変わりました。夫は、わずかに顔をそむけて言いました。
夫「探偵ごっこかよ、もういいじゃん、カード止めたんだしさ」
私「そんなことないよ、私たちが大事に貯めてきたお金でしょう?」
責めるというより、今はただ真実が知りたいだけ。私はそっと通帳のコピーを差し出しました。
私「この日は、同期の高橋くんと飲みに行くって言ってたよね?」
夫「……ああ、まぁ」
私「でも、高橋くんの奥さんから『その日は家にいた』って聞いたよ」
夫「は?なんでそんなことわざわざ聞くんだよ」
問い返しの言葉は、嘘をついている人がよく使う、典型的な反応でした。結局真実ははぐらかされたまま、夫の「くだらないことするなよ。もう寝るから」という言葉で、話し合いは終わってしまいました。
確かな証拠
しかし、翌朝、私は新しい証拠を見つけました。夫の仕事鞄の奥底に見慣れぬ封筒があり、中には競馬場のレシートと、ATMの出金明細が入っていました。日付は、私の口座から引き出されていた日・金額と一致しました。
迷う余地はもうありませんでした。帰宅した夫に、私は静かに封筒を差し出しました。
私「これ……どう説明するの?」
夫「……それは……」
夫は、観念したように椅子に座り込み、しばらく無言でした。しかし、さすがにもう逃げられないと悟ったのか、真実を吐き出しました。
夫「……悪かったよ。ごめん。ちょっとした出来心で……」
私「ちょっとじゃないよ。50万円も引き出してる」
夫「取り返せると思ったんだよ。子どもにもお金かかるだろ?ちょっと増やしてやろうと思って…」
その言葉は、私の胸を深く刺しました。迷惑をかけないように?―――私は、静かに言いました。
私「このままにはできない。義両親にも話す。あと、今後どうするかも考える」
夫は顔を覆って震えていました。
夫「親だけはやめてくれ......それだけは……」
泣きつかれても、もう止めることはできませんでした。私は、自分と子どもを守るため、真実を受け入れて歩き出すと決めたのです。
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あとがき:転換点
夫の告白は、これまでの思い出を揺るがすものでした。しかし、その裏切りがあったからこそ、美和子は守るべきものをはっきり再確認することになります。
依存ではなく自立、我慢ではなく選択。妻としてではなく「母として」「一人の人として」立ち上がる転換点となりました。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










