🔴【第1話から読む】3か月に1回・2週間滞在って普通?→しょっちゅう来る義母がしんどい|子離れできなすぎる義母
滞在1か月を超えるころ、義母は勝也に対して「愛子をとるのか、母親をとるのか」と、とんでもない脅し文句を口にします。絶望した愛子は陸人を連れて実家へ逃げるように帰省して―――。
義母の攻撃に心を削られる
義母がわが家に滞在を始めてから実に1か月。リビングの空気は重く、私は、義母の視線に怯える日々でした。
その日の夜、義母は勝也を自分の寝室に呼び出し、何か長く話していました。ただの愚痴ではないような、ただならぬ空気です。寝室から出てきた勝也の顔は、血の気が引いたように青ざめていました。
「愛子、母さんがとんでもないことを言い出したよ」
勝也は力なくソファに座り込みました。
「お義母さん、なんだって?」
勝也は深く息を吸い込み、絞り出すように言いました。
「愛子といることを取るのか、今後は母さんを大事にするのかって」
「は?」
長年の理不尽な文句の集大成のような言葉に、私は驚きよりも、むしろ「とうとう来たか」という感覚を覚えました。
「いったいどういうこと?」
「愛子が母さんを目の敵にするのに耐えられない、俺が母さんを大事に思うなら、愛子と別れて陸人と実家に帰ってきなさいって」
―――は?
義母のでっちあげの不満のせいで、私はこの家から追い出されようとしているのでしょうか。そしてなぜか義母は、陸人まで自分のものにできると思っている。もう病的な自己中心的さです。
離婚しかない…?
勝也は苦悶の表情を浮かべながらこういいます。
「俺はそんなことしたくないからさ…愛子、母さんに謝罪してくれない?」
「謝罪ってなに?私何もしてないのに陰口叩かれて、謝らないといけないわけ?」
「母さんと向き合ってほしいだけだよ、俺だってうまくやりたいからさ。そうじゃないと、別れるしかなくなるだろ?」
「え?…なんですって?」
別れるという選択肢が、勝也の口からあっさり出てきたことに、私はショックを受けました。私たちには陸人がいるのに。
「勝也は、私と陸人よりも、お義母さんとの関係が大事なのね」
「そうじゃないけど…」
「もういい」
その夜、私は一睡もできませんでした。このまま義母と夫といる生活は、もう耐えられない。でも、陸人から父親を奪うのはかわいそうなのではないか、という葛藤が頭の中をぐるぐる回りました。
逃げるように実家へ
翌日、夫と義母が起きる前に荷物をまとめ、逃げるように実家へ向かいました。実家の母は、私のやつれた顔を見て、心配しながら迎え入れてくれました。
「愛子、どうしたの。陸人くん、大きくなったわね」
一通り話を聞いた母は、険しい顔で言いました。
「あり得ない。そんな話、どうかしてるわ」
母の言葉は、私の心を解きほぐしてくれるようでした。
「お母さん、私、どうしたらいいか分からなくて…」
「愛子。自分と、陸人くんのことを考えて」
母は私の手を握りしめました。
「離婚だって、選択肢に入れてもいい。あなたは十分に頑張った」
私は堰を切ったように泣き出しました。誰かに「頑張った」と言ってもらえたことが、どれほどうれしかったか。
「陸人からお父さんを奪うのはかわいそうかなって…」
「子どもはね、笑っているお母さんと一緒にいるのが一番幸せなのよ。私もついてるんだから大丈夫よ」
私は意を決して尋ねました。
「もし離婚したら、帰ってきてもいいの?」
母は迷いなく言いました。
「当たり前、それが実家でしょう?」
母との会話で、私の気持ちは固まりました。もう、義母の理不尽と、それに無関心な勝也に振り回されるのはおしまいです。
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あとがき:「親子の縁」という名の鎖を断ち切るために
義母のウソによって、夫は愛子さんとの夫婦の愛よりも、母からの依存と束縛を選んでしまいました。
しかし、愛子さんは実母の「笑っているお母さんと一緒にいるのが一番幸せ」という言葉は、理不尽に耐え続ける義務から解放される「鍵」となりました。愛子さんは、陸人のためにも、自分自身の尊厳を守る道を選ぶことにします。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










