🔴【第1話から読む】自宅開催のママ会「わが家でもう10回」→チリツモでつのる“モヤモヤ感”|おもてなしは当たり前?
食後の食器はシンクに運ばれるものの、後片付けは全て里香任せ。大量のゴミと食器の山を前に、里香は自分が「召使い」のようだと感じてしまう。夫の優一は里香の優しさが相手に甘えさせていると指摘し、里香に本音を言うように促します。
片付けは私の仕事
「お皿、下げとくねー!」
食事が終わり、遊びが再開する時間。静香ちゃんがそう言って、私たち全員が使った食器や、テイクアウトの容器をシンクまで運んでくれました。雅子ちゃんも一緒に手伝ってくれます。
もちろん、手伝ってくれるのは本当にありがたい。でも、私の中のモヤモヤは、シンクに山積みになった食器の山を見て、ますます膨らんでいくんです。ママ会はとにかくゴミの量がすごい。弁当のプラスチック容器、ジュースやカフェオレの紙パック、デザートの小さなカップ。私がせっせと大きなゴミ袋に集めても、すぐに満タンになってしまいます。
そして、飲み物に使ったわが家のマグカップや、お皿、フォークの山。すべてはシンクに運ばれたけれど、そこから先は結局私が洗うことになるのです。
これじゃ、ただの召使い…
私は場所を提供しているホスト側で、食器洗いまでお客さんにさせるべきじゃないとも思います。それでも「疲れている中片付けるのはイヤだな」という気持ちが勝ってしまいます。
もし、雅子ちゃんか静香ちゃんのどちらかが、「お皿洗おうか?」「他に何か手伝うことある?」の一言だけでも言ってくれたら、私は「大丈夫!」と、気持ちよく断ることができるかもしれません。
その後、2人とも「今回もありがとう」という言葉とともに「また次もよろしくー!」と帰っていきます。子どもたちを連れて玄関まで見送った後、私はリビングとキッチンに戻りました。そこには、広げっぱなしのおもちゃ。そして、シンクからはみ出すほどの食器の山。
「……」
全員の子どもたちもいる状況で、2人に手伝ってもらうのが現実的でないような気もします。でもなぜ、私だけが片付け担当にならざるを得ないのでしょう。家に2人を招くことが続く限り、私はおもてなしだけをする「召使い」のようにすら思えてしまいます。
「優しすぎる」夫に言われて気が付いた
その日の夕食後、優一が溜まっていた洗い物を手伝ってくれている時に、私はたまらず、このモヤモヤを夫にぶつけました。
「ねえ、私は場所を提供したり、飲み物を出したり、それなりにおもてなしはしていると思うの。でも、この量の洗い物まで全部私って、何かおかしくない?」
優一は、私の手からスポンジを受け取りながら、溜息を一つついて、私の顔を見ました。この状況は、彼も薄々感じていたことでしょう。
「おかしいと思うよ。里香が優しすぎるんだと思う。だから、2人とも甘えてるんだよ。俺も正直、休日は家でのんびりしたいし」
そして、優一はきっぱりと言いました。
「里香がそうして違和感を覚えてるなら『うちでやるのは無理』って、正直に言うべきだよ」
優一の言葉は、私の背中を押してくれるものでした。私はずっと、2人との関係性が悪くなるのを恐れ、不満を飲み込んでしまっていたのです。でも、毎回こんな思いをするくらいなら、いっそのこと、距離ができてもいいかもしれない。私は、優一の言葉を受けて、次こそは言う、と心に決めました―――。
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あとがき:優しさの限界点と、夫の決断
里香さんの内的な葛藤が、夫である優一さんの言葉によって初めて「おかしい」と断定される重要な転換点です。食器をシンクに運ぶ行為は、一見手伝いですが、皿洗いをしないことで「ここから先はホストの仕事」という線を引いてしまっています。優一さんの「里香が優しいから甘えられてる」という指摘は、里香さんの長年の悩みを打ち破る決定打となりました。この言葉を受け、里香さんは「友達付き合いの維持」よりも「自分自身の心の平和」を選ぶ決意を固めます。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










