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「俺、家帰るのしんどい」既婚者同士の傷のなめ合いが、いつしか“禁断の恋”に変わるまで|友人同士の不倫を止めたい

大学時代から10年来の友人・里奈と拓也。結婚や出産のタイミングも近く、家族ぐるみで付き合ってきた奈緒は、ある日、里奈から思いもよらない告白を受けます。それは、友情も家庭もゆるがす衝撃の告白でした─。友人同士の不倫を描いた体験談、『友人同士の不倫を止めたい』第2話をごらんください。

PIXTA

🔴【第1話から読む】不倫?純愛?子連れ再会で見せつけられた友人たちの“狂った距離感”

奈緒は、友人・里奈から「拓也が好き」と告白される。「まだ、一線は越えていない」と言うが、心はすでに特別なものへとかたむいていた。

きっかけは、何気ない公園での会話

公園 男女 子供 パパ ママ PIXTA

里奈と拓也はもともと家が近かった。徒歩10分圏内。子どもが生まれてからは、自然と公園で顔を合わせるようになっていたようだ。

「今日も公園行く?」

そんなかるい感覚で、メッセージを送り合う。最初は、本当にそれだけだったらしい。

子どもを遊ばせるついでに、大人同士も話す。育児のグチ、寝不足のつらさ、離乳食が進まない話──。どこの家庭にもある小さな不満を吐き出しながら、共感し合う…。

「わかるわ〜」

その一言があるだけで、救われる日もある。それは、私自身もそうだし、何度もそれに支えられた。共感できない話ではない。でも──。

里奈の声が、電話越しに少し低くなる。

「拓也を気になり始めたのは、あの日、"私と似てる"って思えたからなの……」

そう前置きして、話し始めた。

「里奈はわるくない」の一言

電話 女性 悲しい 夜 PIXTA

ある日の公園。子どもたちが砂場に夢中になっている横で、拓也がぽつりと言ったらしい。

「俺さ……最近、家帰るのがしんどい」

里奈は最初、冗談だと思ったという。でも、拓也は笑わなかった。

「何か言うとさ、全部、否定されるんだよな」

「それはちがう」「あなたがわるい」「だから出世できないんだよ」

そんな言葉が、日常的に飛んでくるらしい。里奈は思わず、言ったそうだ。

「……実は、うちもなんだよね……」

それが、始まりだった。

里奈の夫も似たところがある。大声は出さない。手も出さない。でも、言葉でじわじわ削ってくる。

「お前は要領がわるい」「俺が稼いでやってるんだろ?」

冗談みたいに言うけれど、笑えない。

「私がわるいのかなって、ずっと思ってた」

里奈はその時、初めて本音をこぼしたらしい。拓也は、真顔で聞いていた。

「……里奈はわるくないだろ」

静かで強い怒りが込められたような拓也のその一言が、里奈の胸に刺さったという。

否定されなかった。味方になってくれた。ただ、それだけ。でも、それがどれだけ救いだったか。

「奈緒……分かる?」

電話越しの声がふるえる。

──分かる。分かってしまう。

だれかに「あなたはわるくない」と言ってほしい夜があること。でも、その“だれか”が既婚の異性であることが、問題なのだ。

“必要とされる感覚”の甘さ

公園 夫婦 話す PIXTA

「それからさ、公園行くのたのしみになっちゃって」

里奈は小さく笑う。

「今日いるかな?って…胸がドキドキした」

気づけば服装を気にするようになり、会話を思い出しては、寝る前に笑ってしまう。既読がつくだけで、心がはずむ。

私は、寒気すら感じ始めていた。里奈が拓也に向ける感情…それはもう、ただの友だちに向けるものではないと思った。

「ただ、本当に何もしてないよ?」

良心がいたむのか、里奈は何度もその言葉を使う。

「でもさ……私、拓也のこと、好きになっちゃったんだと思う……」

胸がざわついた。共感は距離を縮め、傷の見せ合いは心を近づける。そして、気づいた時には、お互いが“特別”になっている。

公園でならんで座る2人。子どもたちを見守りながら、目が合い、笑う。

その時間が、日常の中で一番のたのしみになる。それはもはや、友情の形をしてはいなかった。

「奈緒……どうしたらいいと思う?」

里奈の問いに、私はすぐには答えられなかった。

分かっている。このまま進めば、どこに行き着くのか。でも、止める言葉が見つからない。

なぜなら──だれかに必要とされる感覚は、あまりにも甘いから。

仲の良い友人は、いつしか“特別な異性”に変わっていた。ただ、一線は越えていない。

でも、心はもう、お互いにかなりふみ込んでいるように思えた。2人の親友として、その事実が一番、こわかった。

🔴【続きを読む】「主人とどういう関係?」修羅場で加速する友人の“共依存”

【全話読む】
友人同士の不倫を止めたい

あとがき:共感は時に"境界線"を越える

だれかに否定され続ける日々の中で、「あなたはわるくない」と言ってくれる存在は、光のように見えることがあります。

それが、既婚者同士であっても、心は理屈どおりには動きません。「一線を越えていないから大丈夫」。そう言い聞かせながら、実は一番、越えてはいけない“心の距離”が縮まっていく。甘さと危うさは、紙一重なのかもしれませんね。

※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています。

🔴【全話読む】友人同士の不倫を止めたい

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