祖父母が保育できない理由は明確に書く
申込書の中に、祖父母の状況を書く欄がある自治体があります。住所や就労の情報を書く場合や、同居の場合は就労の証明書が必要になるケースがあるため、注意が必要だと普光院さんはいいます。
「同居していないけれど近くに住んでいる」という場合には、その祖父母が日中子供を保育できない理由を明確にできるとよいそう。市内や隣の市など、預けに行けそうな距離に祖父母がいる場合には、空欄や別紙に「就労している」「親の介護中」「病気」などと状況を添えるとわかりやすいですね。介護や病気は証明しにくいですが、もし可能なら診断書や看護・介護されている人に対する医師の診断書原本または、身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、介護保険被保険者証等のコピーを添付しましょう。
就労実績のない「保育ママ」「認証園」は加点がないことがある
多くの自治体が、認可園を申し込む前に、保育ママや認証保育園に入園していた場合には加点をつけています。しかし、普光院さんは「就労せずに預けていた場合には、加点されない場合があるため気を付けて」といいます。
認可園の保活が激化してきたため、多くのママは1点でも加点が欲しいと思い「前もって保育ママや認証園に預けよう」と思うママが増えてきたよう。こうした実態に自治体側が反応する形で「就労していない場合は加点なし」に変更されたと考えられます。
また、0歳児の場合のみ、就労して認証園や保育ママに預けているママと、育休から復帰するママの点数を同じにしている自治体もあるそうです。
せっかくお金をかけて保育ママや認証園に預けても、加点がなければ困りもの。あらかじめ自治体に確認をしましょう。
点数の付け方は自治体によって違う!まずは入園案内を入手する
保活の情報をインターネットを通じて調べているママは多いでしょう。しかし、入園選考の点数をどのようにつけるかは、自治体によって全く違います。そして、毎年と言っていいほど内容が変わると普光院さんはいいます。
まずは、前年のものでも良いので入園案内を手に入れることが大切だそう。基本的な就労や介護などの指数はもちろん、調整指数と呼ばれる加点や減点を定めた部分もしっかり確認しましょう。
自治体によっては育休明けのママに加点をつけていたり、保育士、看護師のママは加点していたりする場合があるようです。意外な部分に加点や減点があるかもしれないため、じっくり見てみましょう。
そして入園申込みの時期には新しい入園案内を入手し「昨年と変更はありませんか」と確認することもお忘れなく。自治体によっては窓口で持ち点を一緒に計算してくれるところもあります。どうしてもわかりにくい場合には相談してみるとよいでしょう。
申込書に書ききれない困りごとは、別紙に書く
保育園の申込書には、あまり大きな自由記入欄はありません。そのため、保育園に入れないとどれだけ困ってしまうのかを訴えることができる場所はほとんどないと言えるでしょう。
普光院さんによると、嘆願書や別紙が直接ポイントに結び付くとは言い切れないものの、困っていることは伝えた方がよいといいます。保活激戦区では、同点で多くの申込書が並んでいる状態になるため、伝えたいことを明確に伝えることが入園に結び付くケースも0ではないかもしれません。
その場合は、保育園に入園できない場合の生活面の困りごと(経済的なことや、失職などの大きな心配)を中心に端的にわかりやすく書きましょう。
申込書の記入方法や指数については、保育園を考える親の会が編集した書籍「はじめての保育園」にも詳しく書いてあります。ぜひ参考にしてください。
- 町田市「2017年度保育園等入園の申し込みに必要な書類について」まちだ子育てサイト(https://kosodate-machida.tokyo.jp/mokuteki/4/11/2387.html,2019年9月26日最終閲覧)
- 保育園を考える親の会(編)「はじめての保育園」P76~88(主婦と生活社,2014年)
選考基準をきちんと知ることが入園への近道に
普光院さんが語るのは、まずは情報収集することが大切だということ。自分が住んでいる地域は、待機児童がどのくらいいるのか、近隣の保育園の質はどうかということは、申し込みの時期が来る前に見学をするなどして知っておくとよいでしょう。
また、自治体ごとの入園決定率については、保育園を考える親の会が発行する「100都市保育力充実度チェック」で知ることができます。興味のある方は保育園を考える親の会ホームページで見てくださいね。
申し込みをする際には、選考基準をまずしっかりと確認し、難しい部分は役所に直接問合せをします。地域ごとに差が大きいものであるため、インターネットなどは情報の手助けとして、直接聞くことが大切だと普光院さんはアドバイスしてくれました。きちんと正しい情報を知り、早めに対策をすることが入園への近道になるでしょう。









