手づかみ食べには良いことがたくさん
今回お話を聞いたのは、親子カフェで働く保育士のトマトさんと、同カフェで幼児食講座を開講する、管理栄養士の隅弘子さん。手づかみ食べの必要性について聞くと、2人とも「手づかみ食べはできるだけたくさんさせた方が良い」といいます。手づかみ食べが大切だといえるポイントは、以下の2つです。
手と目、口が上手に連動している証拠
手づかみ食べは、目で見た食べ物に、しっかり手を伸ばしているからこそできること。さらにその食べ物を上手につかみ、口に運んで味を確かめます。この動きは、一生続いていく「食べる」という動作の基本になるとトマトさんは話します。
手づかみを始める時期には特にこだわらず、形のあるものに興味を示したら、手づかみしやすいものを与えてみると良いそうです。時期に応じてきちんと咀嚼(そしゃく)できるものとし、水分が少ないパンなどは喉につまる可能性があるため注意しましょう。
隅さんによると、子供にとって「自分で食べた」という食事の成功体験が、さらなるやる気を生むとのこと。小さいものをつまむことが難しい場合は、やわらかくゆでた野菜スティックがおすすめ。子供が握った時にこぶしから少しだけはみ出す長さに切って与えると上手に食べられるそうです。長くはみ出すぎると喉を突いてしまうかもしれないため、こぶしの長さより出すぎないように気をつけてください。
「自分で食べたい」という意志
トマトさん、隅さんによると、食べ物に手を伸ばし、自分で口に運ぶことは「自分で食べたい」という意志の表れだといいます。やがてスプーンやフォークなどを使えるようになっても、自分で食べたいという気持ちがなければ、食事の自立はできません。
手づかみ食べでは、食べ物がぐちゃぐちゃになってしまったり、テーブルや口の周りが汚れたりする場合がありますね。ついついやめさせたくなってしまうかもしれませんが「手づかみはだめ」としてしまうと、食べる意志が弱くなってしまう可能性があるため、できるだけ見守ってあげましょう。
なるべく汚れにくくて食べやすい、カットしたゆで野菜などを与え、ママがストレスを感じない工夫をしてみると良いそうですよ。
自身も小学2年生のお子さんを育てている隅さんは、ストレスを感じないための手段として「フィンガーボール」を使っていたそう。おにぎりなどべたつきやすい食品で手が汚れた時は、ふきんなどで拭くよりも、一度水ですすいだ方が早いと感じて思いついたといいます。小さなボールをママのそばに置いておき、子供の手がべたべたしたらすすいで拭くようにするとストレスが少なくなったようです。試してみてくださいね。