育児相談窓口が調べる、ママのリアルなストレスとは
ママが一番強く感じるストレスはどんなときでしょうか。乳幼児用ミルクの製造販売を行っている森永乳業株式会社では、1975年から育児に悩むママのために「エンゼル110番」という育児相談窓口を設けています。
今回は、この「エンゼル110番」を通じて、電話越しにいるママたちへ「ママのストレスとその解消法」をテーマに質問を投げかけた結果をまとめています。
電話を受ける際は基本的に匿名での受け付け。匿名だからこその本音が結果に表れていそうですね。
調査概要
- 調査対象:「エンゼル110番」に電話をかけてくれたママ100人
- 調査方法:電話による聞き取り調査
- 調査期間:2017年7月10日~8月12日
- 対象者の属性(母親の年齢):20代/17 人、30代/78 人、40代/5人、合計100名
- 対象者の属性(子供の年齢):3ヶ月以下/13人、4~7ヶ月/16人、 8~11ヶ月/25人、1~2歳/32人、3 歳以上/14人
- 森永乳業株式会社調べ
100人中93人のママが子育てにストレスを感じている!
今回、育児相談窓口を利用したママたちに「ストレスを感じているか」「ストレス解消法はなにか」という質問を行いました。
その結果、9割以上のママが子育てに関するストレスを感じており、「子供の様子」「パパの態度」「ママ自身の子育ての自信のなさ」などあらゆる面でストレスが多いことが判明。
そして、ママたちのストレス解消法は「話し相手」と「ママ自身が自由にできる時間」がポイントとなっていることもわかりました。
それでは、詳しくみていきましょう。
どんなことに対してストレスを感じますか?
まず初めに、ストレスを感じているかを質問したところ100人中93人のママが「感じている」と答えています。
そこから掘り下げたこちらの質問では、一番のストレスは「子供の様子」に関することであり、次いで「パパに対するストレス」「ママ自身のこと」と続きました。
子供の年齢層を調べると、サンプル数が多いという理由もありますが、1~2歳児の子供を持つママからの声が目立つことがわかります。
新米ママはすべてが初めてです
育児本に当てはまらない子供の様子に不安を覚えたり、なかなか言うことを聞いてもらえず手を焼いたりということが、初めての育児では多いですよね。
それを知ってほしいのに、パパも初めてばかりだからスムーズにいかず、それを見てさらにストレスを感じ、ママが自信を無くしてしまうのでは…と筆者は思いました。
実は長女を産んだばかりのとき、筆者もこの悪循環に陥ってしまったのです。助けてくれる人もいなかったので、すべてにおいて八方塞がりでした。
子供のことで感じるストレスは?
*夜中に泣きだして、授乳、抱っこ、おむつを替え、何をしても泣き止まない。(ママ 28 歳 子ども 1 人 0 ヵ月)
*後追いがひどい。忙しいときに限って私から離れずにずっと泣く。(ママ 35 歳 子ども 1 人 1 歳 2 ヵ月)
*トイレトレーニングや歯磨き、うがいの練習、何をやってもうまく進まなくてイライラする。 (ママ 28 歳 子ども 1 人 2 歳 6 ヵ月) ※1
ママが、子供のどんな行動や態度でストレスを感じるのか聞いたところ、どの年齢のママも「泣くこと」に関して一番のストレスを感じていることがわかりました。
特に生後3ヶ月までの赤ちゃんのママが一番「泣くこと」にストレスを感じており、次いで「寝ない」「いうことを聞かない」というような結果が出ています。
母体の回復も途中のママにはつらいことだと思います
産後の母体は時間をかけてゆっくり妊娠前の状態へと戻ります。とりわけ、産後1ヶ月までの「産褥期」の頃は夜間授乳もへっちゃらというママも少なくありませんが、上の子のお世話や義両親との同居で体や心が休まらない日々が続くと、だんだん疲れも雪だるま式にたまっていきます。
また、赤ちゃんの成長とともに、ストレスを感じる内容に関しても変わっていくことが、ママの声からもわかりました。
ストレスで体を壊す前に、信頼できる人に子供を預けて体を休めることも覚えてほしいと思います。
パパのことで感じるストレスは?
*私が子どもの世話をしていても平気で寝ていたり、子どもが泣いているのに我関せず。仕事が休みの日は 1 人で遊びに行ってしまう。(ママ 32 歳 子ども 1 人 3 ヵ月)
*育児を頑張ってやってくれるのはわかるのだけれど、「そこじゃないんだよなぁ~」ということが多い。気の遣い方が(ママの気持ちと)違う。(ママ 29 歳 子ども 1 人 11 ヵ月) ※2
「気を利かせてほしい」「自分本位の行動にストレスを感じる」といった、多くのママが共感しそうな意見が上位にきています。また、これらの不満は、どの年齢の子を持つ親でも同じ気持ちを抱きやすいということがこの結果からわかりました。やはり、ママはもっとパパに手伝って欲しいと望んでいるようですね。
「そこじゃないんだよなぁ~」に思わず共感
アンケートを受けたママの声の中で「手伝ってほしい・気を使ってほしい部分が違う」という意見が出されおり、「そこじゃないんだよなぁ~」の一言には、筆者も思わず共感。
筆者自身の体験としては、ごみ箱のごみを袋に集めて「捨てるまでの準備できたよ」と言われたり、子供の服を脱がせ「お風呂の準備済んだよ」と報告されたりといった、夫から実際の手伝いではなくサポートばかりされる、ということがありました。
子供が増えるにつれて「そんなことやっている状況ではない」ということに気づいたようで、今では率先して手伝ってくれるようになりました。
ママ自身のことで感じるストレスは?
*夜の授乳が多くて出産してからずっと睡眠不足の状態。抱っこばかりしているので腕が痛い。 (ママ26歳 子ども1人 1ヵ月)
*子どもはかわいいと思う。でも自分の気持ちに余裕がなくなるとストレスを感じる。(ママ 37 歳 子ども 1 人 1 歳 11 ヵ月)
*1 歳過ぎた下の子に手がかかり、上の子に手をかけたいのにかけられない。気分が落ち込むことが多くなった。(ママ 33 歳 子ども 2 人 3 歳 2 ヵ月/1 歳 3 ヵ月) ※3
ママ自身の内面に関することで、ストレスを感じる方も少なくありません。
子育てに関する迷いや不安に関して、ストレスにつながっていることがわかりました。また、子供中心の毎日になっているからか「自分の時間がない」「家事との両立ができない」という声も。
また、「育児が自分にとって負担に感じる」という声も見過ごせません。
育児仲間をぜひ利用してください
筆者も長女のトイレトレーニングに行き詰まりを感じたとき、たくさんの本を読みました。本にはそれぞれ違うことが書いてあり、自分が思う「これだ!」という答えには出会うことができませんでした。
そのときにはすでに、トイレトレーニングがこじれてしまい迷ってばかりの毎日。次女も生まれたばかりでとてもキリキリしていたことを覚えています。
自由時間がないということも、気持ち的に行き詰まる理由の一つですよね。ネットで子育て情報のコミュニティを利用するほか、育児サークルに加入することや、ママのためのサークルなどに加入してみることも一案です。
ママのストレス解消法は?
*自分の気持ちがいっぱいいっぱいになったとき、子どもをギュッと抱きしめるとなぜか落ち着く。 (ママ32歳 子ども1人 5ヵ月)
*児童館のママたちと話し、お互いに聞きあう。同じ年頃の子育てをしているママの話を聞いて、大変なのは自分だけではないと思うとホッとする。(ママ 30 歳 子ども 1 人 9 ヵ月)
*子どもが寝たら、温かいお茶を飲み好きなテレビを見たり、録画しておいたドラマや DVD で映画鑑賞をしたりする。 (ママ 36 歳 子ども 1 人 2 歳 3 ヵ月) ※4
ストレスを強く感じ、イライラしてもうどうしようもないというとき、どのようなことをしてストレス解消をしていますか?という質問に対して、34人もの方が「誰かに話す、愚痴を聞いてもらう」という回答をしていました。
また、「誰かに子供を預ける」「おいしいものを食べる」というような回答も。
こちらの設問を通して森永乳業が回答をまとめた結果、上記のように自分なりのストレス解消法を見つけているママもいれば、子供にイライラをぶつけてしまい、後で落ち込んでしまうママもいることが明らかになりました。
また、子供が泣くと責められているように感じるママ、ストレスの解消法が見つからない、何をしても無駄だったというように、自分の気持ちの行き場を失っているというママの声も。
追いつめられる前に
ストレスの解消法が見つからない、子供の泣き声にさらに追いつめられる、子供に当たって後悔するというように、八方塞がりになることは、子育てと切り離せない問題だと思います。
筆者もわが子が幼い時期は、家の中に引きこもってばかりで、「家族以外の人と話せていない」ということがありました。
追いつめられる前に買い物に出かけたり、美容院でシャンプーやカットをしてもらったりというようなちょっとした気分転換も試みて、前向きになろうと気持ちを切り替えることをしていた覚えがあります。
ストレスの解消法が見つからないというママは、「ちょっとだけ掃除を念入りにしてみる」というようにいつもと違うことをしてみるだけでもよいかもしれません。
ストレスとうまく付き合う方法を見つけてほしい
子育てをしていると、どうしてもイライラに直面してしまうことがあります。いつだってニコニコなママでいたいけれど「どうしても無理」と思うことだってあるかもしれません。
そんなときは、気持ちを切り替えられる何かを見つけてみましょう。「ひたすら鍋を磨く」「家事をやめて子供と遊ぶ」「トイレにこもる」など、おうちに居ながら、気持ちを落ち着けることもできます。
また、近くに頼れる相手がいないというときは、ぜひ「エンゼル110番」などの育児相談窓口を利用してみることもよいと思います。誰かに話を聞いてもらい、言葉を整理していくだけで気持ちが落ち着き気づきが生まれることもありますよ。