環境省より「7月8月は熱中症予防強化月間」
暑い夏、熱中症が心配ですよね。環境省が「熱中症予防強化月間」と称し、取り組みを行っているようです。熱中症予防強化月間とは具体的にどのようなものなのか見てみましょう。
熱中症予防強化月間とは
政府では熱中症対策について各省庁の取り組みをまとめ、その周知に努めています。2018年は熱中症による救急搬送者が9万5千人、死亡者数が1,500人を超えるなど多くの方に影響がありました。また近年は、日中の職場や学校、運動場などでの発生だけではなく屋内や夜間など、時間帯や場所問わず発生しています。また子供から高齢者まで、幅広い年齢層の方が熱中症にかかっている状態に。
このため、熱中症に関する知識を普及させるため、症状を発生する人が急増する7月を「熱中症予防強化月間」と設定。2018年は7月中旬以降、晴れて気温のかなり高い日が続き、熱中症にかかるリスクが高くなると見込まれたため、熱中症予防強化月間を8月31日まで延長していました。
2019年も、対策をより一層推進させるために、8月31日まで延長することを決定しています。
- 環境省「熱中症予防強化月間」(http://www.wbgt.env.go.jp/month.php,2019年8月16日最終閲覧)
暑さ指数(WBGT)とは
環境省では暑さ指数というものを使って、熱中症予防に役立てようとしています。暑さ指数という言葉、なかなか聞き慣れないですよね。そもそも暑さ指数とはどのようなものなのでしょうか?
暑さ指数ってなんのこと?
暑さ指数(WBGT(湿球黒球温度):Wet Bulb Globe Temperature)とは、1954年にアメリカで提案された、熱中症を予防することを目的とした指標のこと。 単位は気温と同じ摂氏度(℃)ですが、その値は気温とはちがうものになります。
暑さ指数(WBGT)は外気と人体で発生する熱のやりとり(熱収支)に着目しており、人体へ与える影響の大きい湿度、日射・輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境、気温の3要素を取り入れています。
グラフからは、暑さ指数が28℃を超えると熱中症患者が急増しているのが分かりますね。
日常生活に関する指針
上記の暑さ指数を、普段の生活でも取り入れられたらよいですよね。日常生活においての指針もありますので、外出する際や運動する機会がある場合、参考にしてみましょう。
- 危険 (31℃以上):すべての生活活動でおこる危険性。高齢者においては安静状態でも発生する危険性が大きい。 外出はなるべく避け、涼しい室内に移動する。
- 厳重警戒(28~31℃):すべての生活活動でおこる危険性。外出時は炎天下を避け、室内では室温の上昇に注意する。
- 警戒 (25~28℃):中等度以上の生活活動でおこる危険性。運動や激しい作業をする際は定期的に充分に休息を取り入れる。
- 注意 (25℃未満):強い生活活動でおこる危険性。一般に危険性は少ないが激しい運動や重労働時には発生する危険性がある。
運動に関する指針
- 31℃以上:運動は原則中止、特別の場合以外は運動を中止する。 特に子どもの場合には中止すべき。
- 28~31℃:厳重警戒 (激しい運動は中止)、熱中症の危険性が高いので、激しい運動や持久走など体温が上昇しやすい運動は避ける。 10~20分おきに休憩をとり水分・塩分の補給を行う。 暑さに弱い人は運動を軽減または中止。
- 25~28℃:警戒(積極的に休憩)、熱中症の危険が増すので、積極的に休憩をとり適宜、水分・塩分を補給する。 激しい運動では、30分おきくらいに休憩をとる。
- 21~25℃:注意(積極的に水分補給)、熱中症による死亡事故が発生する可能性がある。 熱中症の兆候に注意するとともに、運動の合間に積極的に水分・塩分を補給する。
- 21℃未満:ほぼ安全(適宜水分補給)、通常は熱中症の危険は小さいが、適宜水分・塩分の補給は必要である。 市民マラソンなどではこの条件でも熱中症が発生するので注意。
- 環境省「暑さ指数(WBGT)とは?」(http://www.wbgt.env.go.jp/wbgt.php,2019年8月16日最終閲覧)
暑さ指数を有効活用して、楽しい夏の思い出を作ろう!
せっかくの楽しい夏休み、熱中症になってしまってきつい思いをしないためにも、しっかり予防をしておきたいですよね。涼しい服装や日傘や帽子の活用をしたり、日陰の利用や水分・塩分補給を積極的に行なったりしていきましょう。決して無理をせず、体調が悪くなりそうなときはしっかりと対処してくださいね。
暑さ指数という言葉を初めて知ったという方もいると思いますが、環境省のサイトでは熱中症予防につながるよう、暑さ指数(WBGT)を毎日公開しています。ぜひご活用ください。