仕事と家事・育児の役割に関する意識調査を実施
結婚後は専業主婦になる女性ももちろんいますが、現代では共働きの夫婦も多く、生活の仕方も家庭によってさまざま。
株式会社クラウドワークスでは、全国1,642人の女性・男性を対象に、性差による仕事と家事・育児の役割に関する意識調査を実施。「女性だから○○すべき」と言われた経験のある女性は73%といった結果が浮き彫りとなるなど、気になる結果が明らかとなりました。
調査概要
- 調査対象者:20~40代の女性・男性1642人
- 20代:女性182人、男性158人
- 30代:女性452人、男性266人
- 40代:女性321人、男性263人
- 有効回答数:1,642人
- 調査期間:2019年7月26日~8月1日
- 調査方法:クラウドワークスのアンケートにて実施
「女性だから」「男性だから」こうあるべき?
「女だから」「男だから」という言葉を、一度は言われた経験がある方もいると思います。しかし、「女だからこうでなくてはならない」という言葉に縛られてしまうと、窮屈に感じてしまうこともあります。
性別の固定観念は、それが一般常識であるかのような考えにさせられてしまいますが、現代の生き方にはそぐわないこともたくさんあります。
これまでに女性と男性が、それぞれこの言葉にどのように影響されてきたのかという調査結果を紹介します。
周囲から「女性だから・男性だからこうあるべき」と言われたことがあるか
「女性だから・男性だからこうあるべき」という言葉を言われたことがある人は、双方で多くの割り合いを占めています。特に女性の方が多いようですね。
人間は性別で性格や考え方が決まるわけではありません。性別の枠に当てはめるという考え方は、現代ではもう通用しないものだと筆者個人としては思います。
「女性だから・男性だからこうあるべき」とは、具体的にどのようなことを言われたか
こちらは言われた言葉についての調査結果。「家事育児は女性がするもの」というものから「男性が家族を養うべき」といったものまで、さまざまな言葉が並んでいました。
なぜこのような言葉を言われたのか考えてみると、昔のやり方を当てはめようとしているのかな、と筆者は感じました。働き方や夫婦のあり方も時代の流れとともに変化しているため、その通りにすると違和感があるのではないでしょうか。
「こうあるべき」という言葉は、どのくらい考えや行動に影響があったのか
周囲から言われた言葉によって、自身のライフイベントやキャリアに関する考えや行動に影響を与えたかという調査は、女性の方が圧倒的に影響があったようです。
なかでも、当時は気づかなかったが今振り返ると与えられていたという割合がずいぶんと多いことが印象的です。若いうちはそういうものだと思っていたことが、年齢を重ねるにつれ縛られていたことに気が付いたのかもしれませんね。
「男は仕事、女は家庭」という性別役割分業の考え方についてどう思うか
性別で役割を分ける考えについての調査は、共感する方と共感しない方の割り合いがほぼ同じ結果に。男女差もあまりありませんでした。男は仕事、女は家庭という意識の人が全体で半数はいるということが分かります。
個人の自由として働いている女性もいれば、経済的な理由で働いている女性もいます。家庭に専念したいという考えの方も一定数いるのだということが分かりますね。
配偶者・パートナーとの役割分担で、理想に近いものとは
理想の役割分担に関する調査では、ライフイベントに合わせて変化させるというものが大部分を占めていました。女性には妊娠・出産という、男性はどうしても変われないものがあります。変化があるのは当たり前のことですね。
現代ではお互いが協力し合いながら、やれる方がやるというスタイルに変わってきているようです。
「女性だから/男性だからこうあるべき」に関するエピソードや意見を聞いてみた
・会社に入社した年、配属先の上司・先輩から、「女性だから結婚したら家事しなきゃいけないよね。その前に一人暮らしで、旦那さんを満足させられるような家事のクオリティにしなくちゃだよ」と言われました。私は、なぜ現在働いているのに、女性が家事をするのが当たり前で、それも旦那を満足させるってどんだけ上から目線なのだ、ととても腹が立ったことを覚えています。(女性・20代・愛媛県)
※1
・義両親と一緒にいる時に、夫が子供の世話を手伝っているといつも特に義母から文句を言われます。義父に子供の世話をさせるなんて、そんなとんでもない事を私(義母)はした事無いし、楽で良いわねなどと嫌味を言われることがストレスです。(女性・30代・北海道) ※2
・結婚してまだ子供のことを考えていない時に「女性は子供を産んでこそ一人前だ」と実の母親から言われてとても違和感を感じました。時代遅れな考え方で、今は結婚する・しない、子供を産む・産まないは個人の自由だし、親といえどもそんなことをいわれる筋合いは無いんじゃないかと思った。(女性・40代・東京都) ※3
・男性だから稼ぐべき、というのは日本にある文化に根付いていると思っていて、お付き合いする際は特に、女性が男性の収入を見るのはそこにあると思います。(男性・20代・東京都) ※4
・会社の中で男性だと、家庭の都合で有休を取得を取るとなんでって感じのリアクションを取られるのが不思議。(男性・30代・兵庫県) ※5
・男性だから女性だからこの手の論争は私が若い頃からも言われていて、大手メーカーや総合商社の面接でも取り上げられ、質問やディベートの話題にもあがりました。 これが25年ほど前の1/4世紀前ですから、結局は大して進歩していないかなと。 高校、大学時代運動部でしたので家事、洗濯、料理も卒なくこなした方なので、家事云々は気にならないです、むしろ好きなので、特に料理は分担してやってきました。(男性・40代・静岡県) ※6
女性は目上の人から言葉を押し付けられ、自分の意思とは関係なくやらざるを得ない状況にある人が目立ちました。違う時代を生きてきた人からの良かれと思うアドバイスは、ときとして女性を苦しめることにもなるようです。
男性は女性とは逆で、仕事に全力を注いでいないと言われてしまう傾向があるように感じます。働き方はそれぞれなのですから、有給を取っただけで責められてしまうのはつらくなってしまいますね。
言葉にとらわれず自分らしくいこう
時代は令和に入りましたが、平成、昭和、それ以前の時代の人も混在しているのが今の世の中。それぞれの時代で価値観は異なって当たり前なのですから、自信を持って自分のスタイルを確立できればよいですよね。
特に女性は家庭で家事育児をするだけでなく、男性と同じように働くことも求められています。両立している女性が多いことから、当たり前にできるものだと思われてしまい、日々つらい思いをしている方もいるのではないでしょうか。
女性、男性と性別の固定観念にとらわれず、お互いが自然と協力し合える世の中が一日でも早くくることを願いたいです。