そもそも「夜泣き」とは何?
夜泣きとは、赤ちゃんの眠りが浅く夜中に起きてしまい、泣き出すことを言います。
おむつが汚れた不快感から泣いたり、おなかがすいて泣いたりというのは、夜泣きには含まれません。
睡眠には、レム睡眠(浅い眠り)とノンレム睡眠(深い眠り)があり、これが寝ている間に繰り返されていますが、新生児~1歳ごろまでは昼夜の区別がつきにくく、さらに大人に比べてレム睡眠(浅い眠り)のほうが多いために夜中に起きやすいという特徴があるようです。
- 柊みみはなのどクリニック「夜泣き」HIIRAGI CLINIC(https://hiiragi-kids.com/yonaki.html,2020年11月14日最終閲覧)
- 西川「赤ちゃんの眠りが浅いのはなぜ?親子でグッスリ熟睡する方法」(https://www.nishikawa1566.com/column/sleep/20200128131455/,2020年12月9日最終閲覧)
赤ちゃんが夜泣きをするのはいつからいつまで?
日本の育児書などでは、早いと生後3~4か月頃から始まり、2歳くらいまでには落ちついてくるとされています。赤ちゃんによって個人差があり、新生児から始まる子や4~5歳くらいでも日によっては夜中に泣き出す子がいれば、まったく夜泣きをしないという子もいます。
ただ、新生児のころは夜中におなかがすいて泣くということがほとんど。その場合は慌てずにまずは授乳をしてみましょう。落ち着いて対応すれば大丈夫です。
- 柊みみはなのどクリニック「夜泣き」HIIRAGI CLINIC(https://hiiragi-kids.com/yonaki.html,2020年11月14日最終閲覧)
- 三原クリニック「夜泣き」(http://www.mihara-clinic.com/shounika/library/sick/main3.html,2020年12月9日最終閲覧)
赤ちゃんが夜泣きをする2つの理由
赤ちゃんが夜泣きをしてしまうのには、大きくわけて2つの理由が考えられます。
生活リズムが原因の夜泣き
生活リズムが整っていないと、睡眠サイクルにも影響が出るのは当然のこと。
お昼寝の時間が定まっておらず、お昼に長時間寝すぎてしまう、日中機嫌が悪い、全体的に眠りが浅いという場合は、不規則な生活リズムが夜泣きの原因になっていそうです。
寝かしつけ方法が原因の夜泣き
生後6か月以降に夜泣きがひどくなった、夜中に長時間遊んでしまう、1~2時間ごとなどの一定のサイクルで泣いて決まった寝かしつけ方法ではないと寝てくれない…。これらに当てはまる場合は、寝かしつけ方に問題ありかも。
暑すぎたり寒すぎたり、衣服や布団の素材が気になったりするという理由でも夜泣きをしてしまうものです。
また、これ以外の理由でも赤ちゃんが不快に感じることがあれば、夜泣きをしてしまいます。
- 大阪市「【第56号】赤ちゃんの夜泣き その1 ~睡眠の基礎知識・夜泣きの原因編 NPO法人赤ちゃんの眠り研究所 中西美好」大阪市(https://www.city.osaka.lg.jp/kyoiku/page/0000379420.html,2020年11月14日最終閲覧)
- 倉敷市総合福祉事業団「いつでも育児相談してます~夜泣きについて~」(https://kgwc.or.jp/kosodate/681,2020年12月9日最終閲覧)
- 中野こどもクリニック「夜泣き」(https://nakanokodomo.com/development/yonaki/,2020年12月9日最終閲覧)
夜泣きに試したい対処法!
2つの原因に合わせてそれぞれの対処法をご紹介します。
生活リズムが原因ならそれを整える
もし生活リズムに原因があると感じたら、まずは以下の3つを試してみてください。
- 7時には起きて日光をあびる
- お昼寝の時間を短くする
- 授乳や離乳食の時間を決める
7時には起きて日光をあびる
睡眠を促してくれるホルモン「メラトニン」をしっかり分泌させることで、夜たっぷり寝てくれるなるようになります。
そして、これをきちんと分泌させるためには、太陽の光を浴びることが必要です。日光をあびることでメラトニンの合成ホルモンであるセロトニンが分泌されるためです。
また、午前中にあびることで体内時計を調整する役割もあります。
さらに、夜になったら電気をつけずに暗くしてあげるのも大切なポイント。睡眠を促すメラトニンは、夜分泌されますが、明るい環境ではうまく分泌されないからです。
お昼寝の時間を短くする
もしお昼寝の時間が長いならばそれが原因で夜寝付けなくなっているかもしれませんので、短くしてみましょう。
ママやパパにとっては日中に寝てくれた方が、家事や仕事などが手につきやすく、ついつい長く寝かしつけてしまいがちですが、大人でも昼間にたくさん寝てしまっては夜に眠れなくなりますよね?
それは、たくさん寝て過ごす赤ちゃんだって同じこと。
また、朝早く起きて日中に赤ちゃんが活動的になることでもセロトニンの分泌が活発になると言われていますので、夕方ごろに眠たくなってぐずらないならば、思い切ってお昼寝をなくしてしまい、日中たくさん遊ばせてあげるようにしましょう。
授乳や離乳食の時間を決める
赤ちゃんのその日のコンディションに合わせて授乳や離乳食の時間を決めていませんか?もちろん間違ってはいないのですが、夜の寝つきをよくするためには、与える時間を決めることで、生活リズムを整えましょう。
睡眠と体内時計は密接に関係していると言われていますが、消化活動も体内時計に大きく影響しています。つまり、食事の時間がバラバラだと体内時計はいつまでも整わず、睡眠も安定しなくなるということ。
一度、授乳と離乳食のスケジュールを作ってみてください。
寝かしつけ方が原因なら睡眠の環境を整える
寝かしつけ方法が原因の場合は、赤ちゃんが眠るときの環境を整えてあげましょう。
試したい対策は以下の4つです。
- 温度や湿度を整える
- 部屋を暗くする
- 子どもと別に寝る
- おしゃぶりを使う
温度や湿度を整える
赤ちゃんにとって最適な温度と湿度を整えてあげるのも寝つきをよくするポイント。
冬は20~25℃、夏には外気よりも4~5℃低いぐらいの温度が目安とされています。
湿度は、50%前後が目安。乾燥対策として加湿器を使用する場合は、湿度が60%以上にならないようにしましょう。温度と湿度が一目で確認できる温湿度計を置いておくと便利です。
また、温度や湿度を空調やエアコンなどで調整する場合は、赤ちゃんに風が直接当たらないようにするのもお忘れなく。
部屋を暗くする
先ほどもふれましたが、メラトニンの分泌を促すためにも部屋を暗くすることが必須です。
逆に明るい環境ではせっかく日中にたくさんセロトニンを浴びても、睡眠に必要なメラトニンがきちんと分泌されません。
子どもと別に寝てみる
赤ちゃんと同じベッドや布団で添い寝をされているご家庭もあるかもしれません。
しかし、赤ちゃんは寝ている間も眠りが浅いため、少しの物音でも睡眠の妨げになり、熟睡できないことがあります。
別々に寝ることで大人が立てる音をなくし、眠りに集中させるのも手です。
また、月齢の低いうちから自分のベッドで寝ることで「寝るときはひとりで寝る」という習慣をつけることにもつながります。
無理にひとり寝を推奨するわけではありませんが、同じ部屋で寝る場合は、赤ちゃんの睡眠を妨げないように、例えばついたてを立ててみるなどを試してみてもよさそうです。
おしゃぶりを使う
赤ちゃんは、夜中に、思いっきり泣きではなく、ぐずぐずとした泣きをする場合があり、これは寝言のようなものだと言われています。
なので、少し放っておけば数分でおさまり、再び眠ってくれますが、うまくいかないときはおしゃぶりを試してみましょう。
赤ちゃんはおしゃぶりを使うと、おっぱいやミルクを飲んでいるときのような安心感が得られる効果があるため、効果的です。
- 大阪市「【第58号】赤ちゃんの夜泣き その3 ~よくある質問編 NPO法人赤ちゃんの眠り研究所 中西美好」大阪市(https://www.city.osaka.lg.jp/kyoiku/page/0000380528.html,2020年11月15日最終閲覧)
- 西川「赤ちゃんの眠りが浅いのはなぜ?親子でグッスリ熟睡する方法」(https://www.nishikawa1566.com/column/sleep/20200128131455/,2020年12月9日最終閲覧)
- 東京都福祉保健局「健康・快適居住環境の指針(平成28年度改訂版)」(https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/kankyo/kankyo_eisei/jukankyo/indoor/kenko/kenkai_bunyatosisin.files/web_bunya17.pdf,2020年12月9日最終閲覧)
- 大阪市「【第57号】赤ちゃんの夜泣き その2 ~夜泣き改善編 NPO法人赤ちゃんの眠り研究所 中西美好」(https://www.city.osaka.lg.jp/kyoiku/page/0000380528.html,2020年12月9日最終閲覧)
ママたちの夜泣き対処法をご紹介!
それでは、実際にママたちはどのように夜泣き対策をしているのでしょうか。
ママリに寄せられた投稿をピックアップしました。
授乳してみる
でもうちはそれが始まったのは5ヶ月くらいの頃で、抱っこせずに様子を見てたら確かにそのまま眠ることもありましたが、寝ないときはひたすらおっぱいでした。
3ヶ月の頃は、夜中に泣いたらひたすらおっぱいや抱っこでしたよ^_^完母にしたかったので、夜中も泣く度にあげるようにして、母乳量を増やすため回数を沢山あげてました。
授乳をしてみると、ぐずっていてもすっと寝てくれるという声も。
おなかもふくれるし、ママのぬくもりを感じて安心して眠りにつけるのかもしれませんね。
背中をトントンする
夜泣きのピークが9.10ヶ月でした 😅
半年で夜間断乳しましたが夜ぶっ通しで寝ることはなかったです😅ただ、夜起きてしまってもトントンで寝てくれるようになりました(。•ᴗ•。)♡
来週で1歳になりますがやっとこ
落ち着いた感じです (。•ᴗ•。) 🎶
背中をトントンしたり、おなかをさすったりしてあげるなども赤ちゃんを安心させてあげるのに効果的なようですね。
抱っこをしなくても寝ている状態でできるので、ママもラクチンなはず。
おしゃぶりを使う
赤ちゃんは、まだ「ここで安心して寝ても大丈夫なんだ」ということがわからないため、動物が持つ本能として眠ることに不安を持っていると言わています。
おしゃぶりは、授乳と同じように赤ちゃんに安心感を与えてくれるのかもしれないですね。
思い切って放置しちゃう
1歳半で断乳はじめて、夜泣き釜ひどく、、
下手に手を出してそれがまた癖になるのが嫌だったので
近所さんにごめんなさいという気持ちで乗り越えました❗️(>_<)
今ではいい子に寝てくれます♩
思い切って放置してしまうというママの声も見受けられました。
マンションなどでは難しいかもしれませんが、自宅の環境次第では試してみてもよさそうです。
夜泣きを放置していいの?
夜泣きを放置するというママの声がありましたが、それはやっていいのことなの?と疑問に思うかもしれません。できることなら抱っこをしてあやしたいけれど、状況によってはすぐに赤ちゃんを抱っこできないこともあるでしょう。また、赤ちゃんがしばらく泣きやまないと心身ともに疲れてしまいますよね。
夜泣きで赤ちゃんが泣きやまないとき、すぐに抱っこできなくてもあまり心配はありません。しばらく泣いてそのまま寝てくれることもあります。
ただし、ずっと赤ちゃんを泣かせっぱなしにしておくのもつらいですよね。可能な限り抱っこをしたり室温や洋服の枚数を調整してみたりを試すをよさそうですね。
- 生駒医院「赤ちゃんが泣く時、不快を感じている…」(https://www.ikomaiin.com/index.php?赤ちゃんが泣く時、不快を感じている,2020年11月15日最終閲覧)
- 柊みみはなのどクリニック「赤ちゃんの夜泣きとは?」(https://hiiragi-kids.com/yonaki.html,2020年12月9日最終閲覧)
夜泣きをしなくても問題ない?
逆に夜泣きをしない子もいるといいますが、それはそれで問題ないのでしょうか?
先輩ママたちからこんな声が寄せられていました。
1ヵ月検診終えて、それからは里帰りから戻ったのですが、それから、夜中に泣いてほんとに困ったことは1回ぐらいしかないです。起きてもミルク飲んで比較的すぐ寝るので。
ちなみに、上の子もありませんでした。
2人とも昼間はあまり寝ない子達なので、それでかなぁ、と思ってます。
けど、下の子は最近、昼寝する時はするので、夜泣きするようになるんじゃないかとヒヤヒヤしてます💦
夜泣きをしないというのは、ママにとってはかなり助かりますよね。
また、先輩ママの声をチェックしてみると夜泣きがないからといって特に問題はなさそうです。しかも睡眠のサイクルがきちんとできていて、順調にその時間も増えているようす。
日中のお昼寝の時間がほとんどないというのも、夜ぐっすり寝てくれる秘訣(ひけつ)なのかもしれません。
夜泣き対策は赤ちゃんに合わせて変えてみよう
夜泣きをする期間は目安はあるものの赤ちゃんによって異なりますし、その対策方法も何がその子にとって一番よいのかはさまざまで、コレという正解はありません。その子が一番安心して眠れる方法をいろいろと試しながら探っていきましょう。
考えられる原因を探り、できる限りのことをしても泣き止まないという場合、なんとか泣き止ませようと考えてしまいがちですが、もしかすると親の焦りなどが伝わっているのかもしれません。泣き止ませようとせずに見守ってみるのも一つの手ですよ。
また、夜泣きがつらい場合は病院などで相談してみるのもよいですね。大変な時期ですが、無理しすぎないよう、周りの協力をえながら乗り切ってください。